経営改善・事業再生 2020年(2)
本記事は、以前のホームページに記載したものをまとめたものです。
【1】経営計画書はどのように作るのか?
(20200216)
以前に「経営計画はなぜ必要なのか?」を記載しました。
今回は「経営計画書はどのように作るのか?」を記載します。
経営計画を策定するのに必要な4つの能力
経営計画の策定のステップと必要な能力を図に描いたものを示します。
経営計画を策定するには、次の4つの能力が必要と考えています。
まず最初に
(1)あるべき姿を描く力(方向性を決める)
現状分析として、
(2)自社を見つめ直す力
(3)環境変化を読む力
そして、(1)~(3)の内容をもとに
(4)道筋を造る能力
あるべき姿を描く(方向性を決める)
経営計画を策定するためには、「経営者の夢」「理想」「アイデア」などをもとに
「将来どのような企業になっていたいのか?」という「あるべき姿」を明確にすることが重要になります。
現状分析を行う
経営計画は、戦略を実現するために必要な具体的な「施策の行動計画」と、その「行動による結果を数値(目標値)」によって表します。
この数値を算出するためには、その前提となる根拠を明確にしなければなりません。
このため、まずは現状分析を行う必要がでてきます。
A)今、いくらお金があるのか?
B)今、社員数は、社員のレベルはどの位か?
C)自社の問題点はどこにあるのか?
経営計画は、現状から「あるべき姿」に到達するための道筋を示したものです。
道筋を示すためには、自社が現在どのような状況にあるか「現状を正しく把握する」ことが重要になります。
現状の把握には、
内部環境分析(自社を見つめ直す):自社が保有する経営資源や収益構造について分析します
外部環境分析(環境変化を読む):自社を取り巻く経営環境について分析します
*外部環境は刻一刻変化していますので、最新情報を入手することが必要です
一つ一つ計画を作り上げる
経営計画書において、必要な項目はだいたい限られます。
その項目を、以下に示します。
1) 会社概要
2) ビジョン(何年後の姿)
3) 誰に売るかの分析
4) 競合相手は誰かの分析
5) 自社の強みと弱みの分析
6) 事業概要
7) 業務のフロー
8) 人員計画
9) 中期収支計画(3~5年)
10) 短期収支計画(1年)
ここに記載の全てが必要なわけではありません。。
状況に応じて、必要な項目で構成する形が良いです。
効率の良い事業計画書の作成は、基本計画を作成しておいて、必要時に必要な内容を加えて再構成することです。
「経営計画」は金融機関などの外部に示す場合もありますが、策定する目的は「自社の成長」にあります。
計画を立案するだけで満足することなく、活用することが重要です。
毎月、計画と実績を照らし合わせて、分析し、軌道修正を加えて行くことが会社を強くします。
【2】強みを計画に「経営革新計画」の策定
(20200228)
別の投稿記事で「ものづくり補助金」に関して紹介していますが、この補助金の加点ポイントの一つに「経営革新計画の認定」があります。
「ものづくり補助金」では、この認定を取ることで無条件で採用されることはありませんが、加点としてはかなりのウエイトを占めると判断しています。
当社((株)事業パートナー九州)に、「ものづくり補助金」の申請の支援依頼があった場合は、この「経営革新計画」の認定を受けることをお勧めしています。
「ものづくり補助金」を申請する前に、経営革新計画の認定を受けていれば、この計画をベースにして、補助金の申請書を容易に作成することが可能になります。
「経営革新」の法認定とは
経営革新とは、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(中小企業新事業活動促進法)」に基づいて、新しい事業を立ち上げようとする中小企業が、「事業計画書」を策定し、都道府県知事から承認を受ける制度です。
この「事業計画書」を策定するにあたり、「自社や環境(市場・競合・顧客)の現状分析」を行い、自社の強みを明確にすることが重要になります。
経営革新計画の法律承認を受けるためには、次の内容を明確にする必要があります。
1.新たな事業計画の策定
これまで自社で取り組んでいなかった、次のような新たな事業の計画書(3~5年計画)を策定します。
自社が、従来の事業から蓄積した「強みを活かす」事業展開であるかがポイントになります。
① 新商品の開発または生産
② 新役務(サービス)の開発または提供
③ 商品の新たな生産方式または販売方式の導入
④ 役務(サービス)の新たな提供の方式またはその他の新たな事業活動
2.経営目標の設定
次の2つの指標を満たす事業計画を立案することが必要です。
① 付加価値額または従業員1人当たりの付加価値額が、年率平均3%以上伸びていること
計画終了時に、
・3年計画の場合:9%以上
・4年計画の場合:12%以上
・5年計画の場合:15%以上
*付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
*1人当たりの付加価値額=付加価値額/従業員数
② 経常利益が年率1%以上伸びていること
*経常利益=営業利益ー営業外費用(支払利息・新株発行費等)
経営革新計画書を作成することで、経営目標が明確になるほか、承認を受けると都道府県から定期的な支援を受けられ、また、次に示すメリットがあります。
「経営革新計画」承認のメリット
経営革新計画が承認されると、次のメリットがあります。
1.信用保証協会の融資枠の拡大
① 経営革新計画の承認事業に対する資金の別枠(追加)保証
*保証が通常限度額の倍になります
② 経営革新のために必要となる新事業開拓(研究開発)保証額の増額
*通常2億円が、3億円に増額
2.政府金融機関による承認事業資金の低利枠(追加)融資
3.税制上の優遇措置
・機械・装置取得額の30%の特別償却または取得額の7%の税額控除
・リースの場合は、リース費用総額の4.2%の税額控除
4.その他のメリット
・会社のPR効果:都道府県のホームページに掲載され、引き合いが増える可能性がある
・会社の信用力の向上:民間銀行は直接優遇する融資はないが、企業の格付けが向上する
・その他:特許出願支援、販路開拓支援などが受けられる
※「ものづくり補助金」では、加点ポイントになる
「ものづくり補助金の申請」に関わらず、現在の経営を見直し、「経営の向上」を図りたい企業の方、お問い合わせ下さい。
【3】新型コロナウィルスの各種支援策
(20220315)
経済産業省では、新型コロナウイルスの影響をうける事業者のみなさまにご活用いた
パンフレットの目次を示しますので、該当するところは確認して活用して下さい。
パンフレットの目次
◆ 新着情報
◆ 経営相談窓口の開設
1月29日(水)より、中小企業関連団体(商工会・商工会議所など)、支援機関、政府系金融機関(日本政策金融公庫など)等1,050拠点に相談窓口を設置。
第1章 資金繰り支援
◆ 資金繰り 支援内容一覧
【信用保証】
◆ SN保証4号・5号 *SN:セーフティネット
【融資】
◆ SN貸付の要件緩和
◆ 無利子・無担保融資
◆ マル経融資の金利引き下げ
◆ 衛生環境激変対策特別貸付
【その他】
◆ 更なる支援(危機対応業務/危機関連保証)
◆ 金融機関等への配慮要請
第2章 設備投資・販路開拓支援
【生産性革命推進事業】
◆ ものづくり・商業・サービス補助
◆ 持続化補助
◆ IT導入補助
第3章 経営環境の整備
【下請取引】
◆ 下請取引配慮要請
◆ 個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮要請
◆ 官公需における配慮要請
◆ 下請Gメンによる実態把握
【雇用関連】
◆ 雇用調整助成金の特例措置
◆ 小学校の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援
【テレワーク】
◆ テレワークに関する情報提供
◆ テレワーク導入にご活用いただける支援策
【海外関連】
◆ 現地進出企業・現地情報及びジェトロ相談窓口
◆ 輸出入手続きの緩和等について
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