保全と与信
銀行等からの借入に関して、「保全」と「与信」は非常に重要な概念です。それぞれの意味と相互の関係について説明します。
保全(ほぜん)
保全とは、貸出先が万一返済不能になった場合に備えて、銀行が取るリスク管理の措置のことを指します。具体的には、以下のような手段が含まれます。
1担保(たんぽ):
貸出先が返済できなくなった場合に備えて、借入者の不動産や有価証券などを担保として設定します。
2 保証人(ほしょうにん):
返済が滞った場合に代わりに返済を行う第三者(保証人)を立てます。
3 保険:
返済不能時に保険金が支払われる保険契約を結ぶこともあります。
与信(よしん)
与信とは、銀行が借入者に対して信用を供与する行為、すなわち融資を行うことを指します。与信には、借入者の信用力や返済能力を評価し、その結果に基づいて融資の可否や条件を決定するプロセスが含まれます。
保全と与信の相互関係
保全と与信は密接に関連しています。具体的な関係性は以下の通りです:
1 リスク管理の一環:
与信判断を行う際には、借入者の信用力評価だけでなく、返済不能時のリスクに備えるために保全策も同時に考慮されます。適切な保全が取られている場合、与信判断がより積極的になることがあります。
2 信用供与の条件:
銀行が融資を行う際、保全の内容によって貸出条件が変わることがあります。例えば、十分な担保が設定されている場合は、金利が低く設定されることがある一方で、担保が不十分な場合は金利が高く設定されることがあります。
3 貸出上限の決定:
保全がしっかりしている場合、銀行はより大きな金額の融資を行うことが可能になります。逆に、保全が不十分であると、与信額が制限されることがあります。
まとめ
・保全は貸出リスクを低減するための措置であり、担保や保証人の設定などが含まれます。
・与信は信用供与の行為であり、借入者の信用力と返済能力に基づいて融資を決定します。
・保全と与信は相互に関連しており、適切な保全があると与信判断がより積極的になる一方で、保全が不十分であると与信が制限されることがあります。
これらの概念を理解することで、借入を検討する際にどのような準備が必要か、また銀行がどのようにリスクを管理しているかが分かるようになります。