コンサルタント業界は転換期へ
倒産・廃業の増加から見える
「選ばれるコンサル」と「消えるコンサル」の違い
近年、中小企業を取り巻く環境は大きく変化しています。
物価高、人手不足、金利上昇、DX・AIの進展、事業承継問題など、企業経営者が抱える課題は複雑化しています。
そのような中、企業を支援する立場である「士業」や「コンサルタント」にも大きな変化が起きています。
2026年4月、東京商工リサーチは「士業の倒産が2年連続で過去最多になった」と公表しました。売上不振、代表者の死亡や体調不良、コンプライアンス違反などが主な要因とされています。
さらに2026年6月には帝国データバンクが、「経営コンサルティング業」の倒産・休廃業・解散が過去最多ペースで推移していると発表しました。2026年1月から5月までの累計は242件に達し、このまま推移すると年間600件を超える可能性があるとされています。次のグラフは帝国データバンクの公表記事から抜粋。
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なぜ、企業を支援する専門家自身が淘汰される時代になったのでしょうか。
コンサル市場は成長しているのに倒産が増えている
興味深いことに、帝国データバンクの調査では、国内の経営コンサルティング市場は4兆円を超え、従業員数も増加しています。市場そのものが縮小しているわけではありません。
つまり、市場は成長しているのに、淘汰も進んでいるという状況です。これは何を意味するのでしょうか。
一言で言えば、「誰でも生き残れる市場」から「本当に価値を提供できる者だけが生き残る市場」へ変化しているということです。
補助金頼みのビジネスモデルは限界を迎えた
帝国データバンクは、倒産が増えている背景として、
・補助金申請代行への依存
・制度活用だけを目的とした支援
・実質的な経営支援を伴わないコンサルティング
を挙げています。
コロナ禍では、
「持続化補助金」
「事業再構築補助金」
「IT導入補助金」
などの大型施策が続きました。
その結果、多くの事業者が補助金支援市場へ参入しました。
しかし、補助金制度は永続するものではありません。
制度変更や審査の厳格化が進めば、収益基盤は一気に崩れます。
本来、コンサルタントは補助金を獲得することが目的ではなく、企業の成長や課題解決を支援することが目的であるはずです。
ここを見失ったビジネスモデルは、長続きしないことが明らかになってきました。
AIの進化が業界構造を変える
もう一つの大きな変化がAIです。
現在では、
・市場調査
・競合分析
・事業計画書作成
・提案書作成
・契約書作成
など、多くの業務を生成AIが支援できるようになりました。
これまで専門家が数日かけて行っていた作業が、数時間、場合によっては数分でできるようになっています。
帝国データバンクも、「データ収集や分析、資料作成のコモディティ化が進んでいる」と指摘しています。
つまり、知識を持っているだけ、資料を作れるだけでは差別化できない時代になったのです。
これからは「強み」と「特化」が必要
では、今後どのようなコンサルタントが生き残るのでしょうか。
私たちは、「強み」と「特化」が重要になると考えています。
例えば、「経営コンサル」という看板だけでは差別化できません。
しかし、
・事業再生専門
・M&Aセルサイド専門
・廃業支援専門
・外国人経営者支援専門
・外国人雇用支援専門
など、特定の領域で圧倒的な経験や実績を持つ専門家は、今後も必要とされ続けます。
AIは一般論を提供できます。
しかし、
地域性
業界特性
経営者の性格
組織文化
まで踏み込んだ助言は容易ではありません。
ここに人間の専門家の価値があります。
「顧客の立場」で考えることが最も重要
コンサルタント業界でよく見られる問題があります。
それは、「自分が売りたいサービスを提案する」ことです。
・補助金を売りたいから補助金を勧める。
・M&Aを売りたいからM&Aを勧める。
・DXを売りたいからDXを勧める。
しかし、経営者が本当に求めているのは、自社の課題解決です。
私たちが経営支援の現場で感じるのは、「何を売るか」ではなく、「顧客にとって何が最善か」を考える姿勢が重要だということです。
時には、
補助金を申請しない方が良い。
M&Aを行わない方が良い。
廃業した方が良い。
という助言をすることもあります。
それが真の意味でのコンサルティングだと考えています。
最後に残るのは「人間性」
AIが進化しても、人が人に相談する理由があります。
それは、
不安があるからです。
迷いがあるからです。
決断したいからです。
経営者は数字だけで経営しているわけではありません。
社員への責任。
家族への責任。
取引先への責任。
地域への責任。
様々な思いを抱えながら意思決定をしています。
だからこそ、信頼できる相手に相談したい。
この気持ちはAIがどれだけ進化してもなくならないでしょう。
最終的に選ばれるコンサルタントとは、知識量だけではなく、
・誠実さ
・信頼性
・共感力
・実行力
を備えた人です。
私たちはこれを「人間性」と呼んでいます。
これからのコンサルタントに求められるもの
今後のコンサルタントは、
・強みを持つ
・特定分野に特化する
・AIを積極的に活用する
・顧客の立場で考える
・他の専門家と連携する
・人間性を磨く
ことが求められます。
事業パートナー九州も、単なる補助金支援や計画書作成に留まらず、経営改善、事業再生、M&A、廃業支援、外国人材活用などを通じて、「企業の出口戦略を共に考えるパートナー」として、中小企業の皆様を支援していきたいと考えています。
倒産や廃業が増えている今だからこそ、本質的な価値を提供できるコンサルタントが求められているのではないでしょうか。
当社では、士業・コンサル向けの「経営改善・ビジネスモデル診断」を実施しています。
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