(コンサル転換期・第3回)「強み」と「専門特化」が選ばれるコンサルをつくる
~「何でもできます」では選ばれない時代へ~
前回の記事では、AI時代に士業・コンサルタントが提供すべき価値についてお話ししました。
生成AIの普及により、情報収集や資料作成といった業務は効率化され、知識そのものの価値は相対的に低下しています。
その一方で、AIでは代替できない「専門性」や「課題解決力」の価値は、これまで以上に高まっています。
では、これからの時代に選ばれる士業・コンサルタントになるためには、何が必要なのでしょうか。
私は、その答えは「強み」と「専門特化」にあると考えています。
<前回までの記事>
第2回「AI時代に士業・コンサルが提供すべき価値とは」はこちら
「何でもできます」は、お客様には伝わらない
士業・コンサルタントのホームページを見ると、
「経営相談全般」
「各種許認可」
「補助金申請」
「事業承継」
「M&A」
「人事労務」
「DX支援」
など、多くの業務が並んでいます。
もちろん、幅広い知識や経験を持つことは大切です。
しかし、お客様の立場になって考えてみるとどうでしょうか。
例えば、「会社を廃業するか、再建するか」で悩んでいる経営者がいたとします。
そのときに相談したいのは、「何でもできます」というコンサルタントでしょうか。
それとも、「事業再生・廃業支援を専門に数多くの実績があります」というコンサルタントでしょうか。
多くの方は後者を選ぶはずです。
専門性とは、お客様に安心感を与える大きな要素なのです。
「強み」は経験の積み重ねから生まれる
「専門特化」と聞くと、「仕事の幅が狭くなるのでは」と心配される方もいます。
しかし実際には、その逆です。
特定分野で実績を積み重ねるほど、その分野での相談が増え、紹介も生まれやすくなります。
さらに、似たような案件を数多く経験することで、課題の本質を見抜く力や提案の質も向上します。
つまり、専門特化は「仕事を減らす」のではなく、「選ばれる理由を増やす」ことにつながるのです。
専門特化は「狭くする」ことではない
ここで誤解してはいけないのは、専門特化とは「仕事を限定すること」ではありません。
本当に重要なのは、「何を軸にするか」です。
例えば、私たち事業パートナー九州では、
・事業再生
・出口戦略
・事業承継・M&A
・廃業支援
を経営支援の中心に据えています。
一方で、その過程では、
資金調達、補助金、DX、組織づくり、人材確保など、多くの課題が関わってきます。
つまり、入口は専門特化でも、お客様の課題解決には幅広い知識が必要になります。
専門特化とは、「入口を明確にすること」であり、「出口を狭めること」ではありません。
一人ですべてを解決しようとしない
専門特化を進めるうえで、もう一つ重要なのが「連携」です。
中小企業が抱える課題は複雑です。
経営改善を進めれば、
・税務の問題
・労務の問題
・法務の問題
・事業承継
・外国人雇用
など、多様な課題が発生します。
これらを一人の専門家だけで解決することは困難です。
だからこそ、信頼できる税理士、弁護士、社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士などと連携し、それぞれの専門性を生かすことが重要になります。
私は、このような「専門家ネットワーク」が、これからの士業・コンサルタントの競争力になると考えています。
AI時代だからこそ専門性が際立つ
AIは一般的な知識を提供することは得意です。
しかし、「この会社ならどうするべきか」という判断は、人間の経験や現場感覚が欠かせません。
例えば、事業再生では、
・金融機関との交渉経験
・経営者との対話
・現場改善の実績
など、実務経験が大きな価値になります。
AIは過去の知識を整理できますが、「経験」は持っていません。
だからこそ、専門性を磨いたコンサルタントの価値は、今後さらに高まると考えています。
「知の深化」と「知の探索」
経営学には、「両利きの経営」という考え方があります。
これは、「知の深化」と「知の探索」を両立する経営です。
士業・コンサルタントにも、この考え方は当てはまります。
知の深化とは、自分の専門分野を徹底的に磨くことです。
一方、知の探索とは、新しい知識や技術を学び、他分野との連携や新しいサービスに挑戦することです。
専門特化だけでは、時代の変化についていけません。
逆に、新しいことばかり追いかけていても、自分の強みは育ちません。
専門性を磨きながら、AIやDX、新しい制度なども積極的に取り入れていくことが、これからの士業・コンサルタントには求められます。
選ばれる専門家になるために
私は、これからの士業・コンサルタントに必要なのは、「知識の量」ではなく、「この分野なら、この人に相談したい」
と思っていただける存在になることだと考えています。
そのためには、
・自分の強みを明確にする
・専門分野を磨き続ける
・他の専門家と連携する
・AIを積極的に活用する
・お客様の課題解決を第一に考える
こうした積み重ねが重要です。
「何でもできます」という時代から、「この分野なら任せてください」という時代へ。
そして、その専門性を他の専門家との連携によってさらに広げていく。
これこそが、AI時代に選ばれ続ける士業・コンサルタントの姿ではないでしょうか。
おわりに
事業パートナー九州では、「経営改善」「事業再生」「出口戦略」「事業承継・M&A」「廃業支援」「外国人材活用」など、それぞれの専門分野を軸にしながら、税理士、社会保険労務士、弁護士、中小企業診断士など、多くの専門家と連携し、お客様に最適な解決策をご提案しています。
一人の専門家がすべてを解決する時代ではありません。
それぞれが強みを磨き、その専門性を持ち寄ることで、より大きな価値をお客様へ提供できる時代になっています。
これからも私たちは、「専門特化」と「連携」をキーワードに、中小企業の皆様の最も身近な経営パートナーであり続けたいと考えています。
事業再生・M&A・廃業等の出口戦略相談、コンサル案件の連携の相談、お気軽にお問い合わせください。
電話は、「093-873-9120」へ。
*不在の場合は携帯電話「080-6423-4793」に転送されます。
つながらない場合は、お手数をおかけしますが、留守電に入れて下さい
「コンサル転換期」シリーズのバックナンバー
第2回「AI時代に士業・コンサルが提供すべき価値とは」はこちら