経営改善・事業再生 2017年(2) - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

経営改善・事業再生 2017年(2)

本記事は、以前のホームページに記載したものをまとめたものです。

【1】現場改善に有効な考え方(法則)

(20170524)

経営者の皆様、日々、現場の業務改善に関して、気を配りいろいろな改善策を試みているかと思います。

他の記事で、現場改善の手法として、「5S活動」「問題解決の手法」に関して紹介していますが、ここでは、これまでにお聞きのものもあるかと思いますが、現場の業務改善に効く考え方(法則)をこれまでの経験も含めて紹介します。

なお、本記事は、「NBCコンサルタント株式会社」様から毎月送って頂いてます「NBC plus」の65号に記載の内容に経験や考えを加えています。

 

ヒヤリ・ハットの法則(ハインリッヒの法則)

この法則は、大きな問題(安全面の事故・品質クレーム・納期の遅れなど)が発生する前には、多くの軽微な問題やヒヤリとしたことやハットしたことがあるというものです。

大問題(事故)の前に、小さな変化や異常な点を見つけて、原因を調べて手を打つことが必要であることを示しています。

アメリカの損害保険会社に勤めていらした「ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ」さんが、技術・調査部に在籍の時に、労働災害について調べた結果で導いた法則です。

1つの重大な事故(重傷や死亡事故)の背後には「29の軽微な事故(接触など)」があり、その背後には「300のヒヤリ・ハット(事故には至らないが危険や異常を感じた瞬間)」があるというものです。

(重大:1件) ⇔ (軽微:29件) ⇔ (ヒヤリ・ハット:300件)

<安全面では>

会社では、安全衛生の教育などでお聞きしたものと思います。

・仮に、機械に挟まれ重傷を負う事故があった場合、その前提として挟まれるまでには至ってないが機械の可動部に接触した、更に挟まりそうな気配を感じた等の異常があったと考えられます。

・単純なドアの挟まれ事故ですが、骨折や打撲などの重傷の事故が発生する前には、幾つもの軽いケガやヒヤリとしたことが発生していると思います。

<品質問題面では>

・電気メーカーの製品を想定してみましょう、例えば1件の大クレーム(性能異常)の裏には、29件の顧客から寄せられた軽微なクレームがあり、その裏には苦情がないため表面化していない300件もの潜在的な顧客の不満や、社員が「しまった」と思うような失敗、ひやり・ハットが存在すると考えられます。

・機械の異常によって不良品を多く作ってしまった経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。この場合も、異常が発生する前に小さな変化が発生していた可能性が高いです。

<重大事故を防ぐには>

① ヒヤリ・ハットカードの運用

「ヒヤリ・ハットカード」という言葉を聞いた人、あるいは実施している会社も多いと思います。

なるべく多くの人に自分の日常活動の中で、「ヒヤリやハット」したことを紙に書いて(あるいはメール等の手段で)提出するものです。

管理者あるいは事務局がこれを確認して、重要事故や品質不良になりそうなものをピックアップして改善できる部門に依頼して改善を行います。

非常に良い方法ですが、定着できている会社は少ないと思います。

何か問題が起きると、この活動を行いますが、知らず知らずのうちに活動が弱まりやがて忘れ去られます。

そして、また重大な問題が発生したら実施する、この繰り返しです。

この原因は、社長や部門長の信念です。

トップが推進をあきらめたり、放置した瞬間に現場は楽しようとする方向に走ります。

これは、「5S活動」が定着しないことと同じです

② 日常点検表、トレンド管理

装置の異常を早めにキャッチするには、「日常点検表」が有効で、これは「ヒヤリ・ハットカード」よりも定着する可能性は高いです。

日常点検表は、単なるチェック(〇を書く、レ点を付ける)だけでなく、数値で示されている項目は、数値を記載するようにして下さい。

これにより、きちんと点検を行うことができます。

必ず、管理者の確認は早めに行って下さい、1週間や1ヶ月分をまとめて印を押すようでは失格です。

また、管理者は一言でも点検表にコメントを入れると現場の方々もやる気が出ます。

 

パーキンソンの法則

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するもの」という法則です。

本当は早めに仕上げられる仕事でも、結局締め切りギリギリまで完成しなかった経験をお持ちの方は多いと思います。

仕事は、時間的な目標(納期)を決めて実施する。

限られた時間内でやることをやる、これにより残業時間の削減もできると思います。

時間は無限にあると思わずに、有効に使っていきましょう。

特に直接製造にかかわらない管理部門、企画部門、営業部門は気を付けて下さい。

 

エメットの法則

すぐにできることを先延ばしすると、片付けるのには2倍以上のエネルギー(労力・時間)がかかる」という法則です。

これも経験された方が多いと思いますし、今でもそうされている方は多いと思います。

その時にやっていれば、効率よく時間をかけずに正確に行えたのに、先送りしたことにより重要な情報を忘れたり、書類がどこにいったかかわからなくなることが起こります。

装置でも、少しの音の異常を認識して、その原因追求と対策を先延ばしすることにより、後で重大な故障につながることがあります。

少しネジを締めれば、あるいは少し油をさせば・・・・・、こんな経験はありませんか。

 

ディヘイの法則

「簡単な仕事は、いつでもできると言う理由で、常に先送りされる」という法則です。

上記の「エメットの法則」と同じような法則です。

いつも月末になると忙しいそうにしている人は、実は先延ばししていたツケを払っているだけなのかもしれません。

「いつでもできる」は「いつでもできない」と考えた方が良いでしょう。

企業の経営状態の把握も同じことが言えて、月末、あるいはひどいところは期末に領収書の山を税理士事務所に持ち込んで決算書や試算表の作成を行っているところがあるかと思います。

気づいたら、赤字になっていたり、税金対策ができなくなっていたりします。

この原因及び責任は、税理士事務所にもありますが・・・・。

現場改善に関係した考え方(法則)を紹介しましたが、どの会社や職場にもあることかと思います。

・「安全衛生教育」、「5S活動教育」など基本的なものが形骸化していませんか?

・社内の活気が失われていませんか?

これらの問題の根本は、社長を筆頭にした経営者の信念・意欲にあります。

当社では、会社に訪問させて頂き、現場を観察、現場の方の意見をお聞きして、その分析に従った改善策の実施や、社員への教育プログラム立案・実施をさせて頂きます。

 

 

【2】経営(業績)に有効な考え方(法則)

(20170528)

経営者の皆様、日々、会社の経営(業績)改善に取り組んでいらっしゃると思います。

これまでにお聞きのものもあるかと思いますが、会社の経営(業績)改善に効く考え方(法則)をこれまでの経験も含めて紹介します。

なお、本記事は、「NBCコンサルタント株式会社」様から毎月送って頂いてます「NBC plus」の65号に記載の内容に経験や考えを加えています。

テンション・リダクションの法則

人は何か一つをやり遂げると緊張の糸が切れ、心理的に無防備な状態になるという心理的効果です。

この法則はマーケティング戦略でよく利用されています。

車や住宅のような高額商品の場合、緊張の度合いも高いので、車では「カーナビ」などのオプション、住宅なら「高級家具」などを推奨した場合、成約の可能性が高くなります。

 

ザイアンスの法則

「人は接する回数が多くなればなるほど親しみを感じ、好印象を抱くようになる」という法則です。

これは誰しもが経験していることと思います。

我々経営コンサルタントの場合は、最初の段階でお客様と打ち解けるようになるのが理想ですが、やはり何回か会って、時にはお酒を飲みながら会話することによって、テーマを頂くようになります。

また、最近は、フェイスブック等のSNSでの交流で、1回しか会ってはいないのですが何回も会っている気になり、そして実際に会った際にスムーズに話が進むこともあります。

会う会わないは別にして、いかに相手のことを理解できていて、相手の役に立つ情報などを提供できているかだと思います。

トップセールスマンは、生まれ持っての才能やセンスなど、普通の営業マンと異なる能力を持っているかと思われがちですが、「見込み客に定期的な連絡・接触を行って、その都度、有益な情報を提供している」ことにより営業成績を上げているのがほとんどのようです。

少しの行動の違いの積み重ね」が大きな差に表れてきます。

 

セブンヒッツ理論

消費者が広告やCM、ホームページやSNSなど、商品に関連した情報やものに7回触れていると、購買率が高まるというものです。

考えは、上の「ザイアンスの法則」に似ています。

ある日、大阪の会社から電話を受けました。

内容は、ホームページに記載の会社の現場改善関係の投稿記事を見ていて、自分がその改善の責任者になって、だいぶ前から幾つかの記事を読んで頂いていたみたいで、困ったことの相談でした。

記事は1年半前に書いた古いものですが、種を蒔いたものは時間は必要であるが、芽を出すこともあるということを感じました。

ポスティング(各家庭のポストにちらしを配る)の効果については賛否両論あるかと思います。

たぶん、1回きりであれば全く効果はありませんが、忘れた頃に入れる(例えば2~4ヶ月に1回)と、だんだん記憶されて、その商品やサービスが必要になったときに最初に連絡が来ることもあります。

 

決定回避の法則(ジャムの法則)

人は選択肢が多ければ多いほど迷いが生じてしまい、逆に行動を起こせなくなるといわれています。

コロンビア大学実施の、ジャムの試食会での購入率の調査では、

① 24種類のジャムを用意した場合:3%の購入率

② 6種類のジャムを用意した場合:30%の購入率

②の方が購入率が高い結果になったとのことです。

人が自信を持って選択しようという気になり、かつ選択した結果について満足できる選択肢の数は「7±2」が最適で、一度に多くの情報を与えることは必ずしも良いことではない。

経営(業績)改善に関係した考え方(法則)を紹介しましたが、どの会社や職場にもあることかと思います。

ここで示したものは、必ずしも個々のケースに当てはまるとは限りませんが、意識しておいて損はない考え方(法則)だと思います。

 

【3】人材育成に有効な考え方(法則)

(20170529)

経営者の皆様、日々、従業員の方の成長に気を配っていらっしゃると思います。

これまでにお聞きのものもあるかと思いますが、会社の人材育成に効く考え方(法則)をこれまでの経験も含めて紹介します。

なお、本記事は、「NBCコンサルタント株式会社」様から毎月送って頂いてます「NBC plus」の65号に記載の内容に経験や考えを加えています。

 

ズーニンの法則

「物事をうまくこなせるかどうかは最初の4分間で決まる」という法則です。

仕事でも勉強でも最初の4分間をうまく乗り切れば、後はスムーズに進むもの。

あまり気乗りしない作業等を行う時は、まず最初の4分間で軌道に乗せれば、気づけば数十分、1時間と続いてしまうもの。

「4分間」は長いと感じますか、短いと感じますか?

普通は短いと思ってしまいますが、マラソンランナーは4分あれば1km以上走ることができるので、私は十分に長い時間だと認識しています。

 

マジカルナンバー7

人間の短期的な記憶容量は7±2程度しかなく、それを超える情報を一度に与えても、記憶できないというものです。

現在ではその数字も4±1程度とも言われてますが、たくさん伝えたいことがあっても、まずは数を絞り、残りは別の機会に伝える方が効果的です。

自分が思っているほど、相手には伝わっていません。

先日、商工会議所に「九州工業大学の産学連携コーディネータ」に就任した件でご挨拶に行ったところ、「太田さん、技術者だったのですね」と言われ、何回もお会いしているのに伝わっていなかったことに驚きでもあり、反省すべきことでもあります。

 

ヤンキーズ・ドットソンの法則

適度な刺激・ストレスを与えられた方が、パフォーマンス・効率は向上するが、最適水準を超えた刺激・ストレスを与えられると、逆にパフォーマンス・効率が低下するという法則です。

刺激・ストレスの最適水準は、作業の難易度・段階によって変化することが知られています。

比較的強い刺激やストレスは「簡単・単純な作業」に効果的で、反対に複雑・難易度の高い作業においては、軽い刺激・ストレスが効果的だそうです。

 

ピークエンドの法則

何か出来事が起きた時に、その出来事の印象を決定づけるのは、ピーク(頂点)時とエンド(終わり)時であるというものです。

確かに、会社員時代のことを思い出すと、最も充実していた時(合弁会社を設立する時)または最も追い詰められていた時(重大な品質クレーム発生時)のことが最初に浮かびます。

先の「ヤーキーズ・ドットソンの法則」と合わせて考えると、「部下への叱咤・叱責も、部下本人のストレス耐性(最適水準)を見抜いた上で、業務などの内容・難易度に応じた強弱が必要であり、叱咤・叱責する側のテンションの頂点・終わり方には十分配慮しなければならない」ことがわかります。

当たり前のように思えますが、非常に難しいことと思います。

 

KASHの法則

知識を学び続け、志を持ち続け、技術を習得し続けることこそが人財育成の極意であり、それを習慣化できれば自発的に社員が育つ仕組みになるという法則です。

人材育成の基本となるフレームです。

K:Knowledge(知識)

・自社の商品およびその周辺知識

・競合他社や業界全般に関する知識

・経済全般・組織運営・人材育成に関する知識

A:Attitude(志・心構え・立ち居振る舞い)

・仕事(志事)に対する高い姿勢

・顧客満足を常に念頭に置いた行動

・「おもてなし」の心配りのある接遇態度

・顧客の抱える課題や悩みの解決に向けて情熱を注ぐ

S:Skill(技術)

・商品の販売手法

・顧客に対して分かりやすいプレゼンテーションができ、適切なコンサルティングを行い、強固な信頼関係を構築

・組織において最適なマネジメントやリーダーシップを実践し、部下や後輩に対してもコーチングなどを行う

・「話す・聴く・訊く」などのコミュニケーション

H:Habit(習慣)

・自らの業務活動を、継続的に実践

・主体的に知識やスキルの習得を図り習慣化

人材育成に関係した考え方(法則)を紹介しましたが、どの会社や職場にもあることかと思います。

人を育てるのは大変で、時間もかかります

最後に、NBCコンサルタンツ(株)様の無料雑誌に入っていたセミナー案内におもしろい内容がありましたので紹介します。

 こんな教育していませんか?

恐育:「恐怖心を植え付ける」育て方

強育:「育てる」ことにやたら一生懸命

脅育:「脅かしつつ」育てる

狂育:「狂気の沙汰」な育て方

鏡育:「俺の背中を見て育て!」タイプ

凶育:「育てたつもり」でも実りのない育て方

お困りの経営者様お電話いますぐOK!!

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