事業再生(4)事業再生のゴールとは何か - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

事業再生(4)事業再生のゴールとは何か

― 再生・M&A・廃業の分岐点 ―

これまでの「事業再生シリーズ」では、

第1回:「事業再生はなぜ失敗するのか」

第2回:「再生できる会社・できない会社の違い」

第3回:「事業再生はどのように進めるのか」

について整理してきました。

(1)「事業再生はなぜ失敗するのか」はこちら

(2)「再生できる会社・できない会社の違い」はこちら

(3)「事業再生はどのように進めるのか」はこちら

ここまでの記事でお伝えしてきた通り、事業再生は単なる資金繰り改善ではありません。

・事業構造

・利益構造

・組織

・意思決定

を見直し、企業を持続可能な状態に戻すプロセスです。

しかし、ここで重要な問題があります。

それは、「再生のゴールとは何か」という点です。

多くの企業では、「会社を存続させること」自体が目的化してしまいます。しかし実務では、必ずしもそれが最適解とは限りません。

今回は、事業再生の本当のゴールと、その先にある再生・M&A・廃業の分岐点について整理します。

「会社を残すこと」が目的化する危険

経営が厳しくなった企業では、多くの場合、「何とか会社を残したい」という思いが強くなります。

これは経営者として自然な感情です。

従業員、取引先、家族、地域社会――。会社には多くの関係者が存在します。

しかし、再生において注意しなければならないのは、「会社を残すこと」と「経営として合理的であること」は別問題

だという点です。

例えば、

・赤字が慢性化している

・資金繰りが改善しない

・市場そのものが縮小している

にもかかわらず、「存続」を最優先にしてしまうケースがあります。

その結果、

・借入だけが増える

・経営者保証の負担が拡大する

・家族や関係者への影響が大きくなる

という状況に陥ることがあります。

再生の本来の目的

では、再生の本来の目的とは何でしょうか。

それは、「経営資源を最適な形で残すこと」です。

ここでいう経営資源とは、

・事業

・技術

・人材

・顧客

・地域との関係

などを含みます。

つまり、「法人格を維持すること」が目的ではなく、価値あるものをどう残すかが重要になります。

再生途中で方向転換が必要になるケース

実務では、再生を進める中で方向転換が必要になるケースがあります。

例えば、

・想定より売上回復が遅い

・資金繰りが持たない

・金融機関支援が限定的

・市場環境が悪化する

といった場合です。

このような状況で重要なのは、「再生に固執しないこと」です。

再生を前提にし続けることで、結果的に企業価値を大きく毀損するケースは少なくありません。

M&Aへ移行するという選択

再生途中で現実的になる選択肢の一つが、M&Aです。

特に、

・技術力がある

・顧客基盤がある

・人材に価値がある

企業の場合、単独での再生が難しくても、第三者承継によって事業を残せるケースがあります。

ここで重要なのは、「売れるうちに動く」という視点です。

企業価値は、時間とともに低下することがあります。

・赤字の拡大

・取引先離れ

・人材流出

が進むと、買い手候補も減少します。

そのため、「再生できなくなってからM&Aを考える」のでは遅い場合があります。

廃業という合理的判断

もう一つの重要な選択肢が、廃業です。

日本では、廃業に対してネガティブなイメージがあります。

しかし実務では、廃業の方が合理的なケースも存在します。

例えば、

・市場縮小が不可逆的

・事業継続による赤字拡大

・経営者保証負担の増加

といった場合です。

このような状況で無理に継続すると、

最終的に、

・経営者個人

・家族

・関係者

への負担が拡大する可能性があります。

「破産=唯一の出口」ではない

ここで重要なのは、廃業=破産ではないという点です。

実務では、

・事業譲渡

・資産売却

・債務整理

・保証債務調整

などを組み合わせることで、「破産を前提としない廃業」が可能なケースもあります。

重要なのは、早い段階で整理を始めることです。

再生・M&A・廃業を同時に考える

ここまで見てきたように、企業の出口は一つではありません。

しかし、多くの企業では、

・再生だけを考える

・M&Aだけを考える

・廃業は最後まで考えない

という状態になっています。

本来必要なのは、3つを同時に比較することです。

例えば、

・再生した場合の回復可能性

・M&Aした場合の企業価値

・廃業した場合の負担

を並べて比較することで、初めて合理的な判断が可能になります。

「出口戦略」という考え方

この整理を行うための考え方が、当社が提唱している「出口戦略」です。

出口戦略とは、再生・M&A・廃業を別々に考えるのではなく、同じ土俵で比較するという考え方です。

重要なのは、「どれが正しいか」ではなく、「どれが最も合理的か」を判断することです。

最後に

事業再生のゴールは、単に会社を残すことではありません。

・何を残すべきか

・どこまで守るべきか

・どのタイミングで判断するべきか

を整理し、最も合理的な選択を行うことです。

そのためには、再生だけではなく、M&A、廃業も含めて比較する視点が必要になります。

企業の分岐点は、ある日突然訪れるものではありません。

静かに近づいてきます。

そのタイミングで、感情ではなく構造で判断すること。

それが、経営者にとって最も重要な仕事の一つだと考えています。

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事業再生(1)「事業再生はなぜ失敗するのか」はこちら

事業再生(2)「再生できる会社・できない会社の違い」はこちら

事業再生(3)「事業再生はどのようにすすめるのか」はこちら

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