「破産」は本当に最後の選択なのか? - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

「破産」は本当に最後の選択なのか?

~会社を残す方法を最後まで考えるという選択~

昨年、当社に事業再生のご相談に来られた経営者の方から、先日、一通のメールをいただきました。

相談後、公的機関による専門家支援を受けることになったため、当社での支援は見送られました。

その後、順調に経営改善が進んでいるものと思っていましたが、届いた内容は予想もしないものでした。

「先月末で営業を停止し、全従業員を解雇し、現在、破産手続を進めています。」

経営者として、どれほど苦しい決断だったか想像に難くありません。

もちろん、破産という制度自体を否定するものではありません。

しかし、本当に他の方法はなかったのでしょうか。

私は、この出来事をきっかけに、「破産とは何か」、そして「破産以外の道は本当にないのか」についてお伝えしたいと思います。

会社の破産とは

会社の破産とは、債務を支払うことができなくなった会社について、裁判所の手続によって会社の財産を換価し、債権者へ公平に配当したうえで会社を消滅させる制度です。

会社は清算され、法人格は消滅します。

そのため、

・営業は終了
・従業員は全員解雇
・取引先との契約も終了
・設備や在庫、不動産は売却
・会社名も消える

ことになります。

破産は「借金がなくなる制度」ではありますが、それと同時に、長年築いてきた会社そのものがなくなる制度でもあります。

経営者にとっては、人生をかけて育ててきた会社との別れでもあります。

多くの場合、経営者は自己破産も行う

中小企業では、金融機関から借入をする際、多くの経営者が連帯保証人になっています。

会社が破産しても、その保証債務は経営者個人に残ります。

そのため、

会社の破産 ⇒ 経営者個人の自己破産

という流れになるケースが非常に多く見られます。

自己破産を行うと、原則として借金は免責されます。

しかし、その代償も決して小さくありません。

自己破産による制限

自己破産をすると、

・一定以上の財産を失う
・住宅を失う可能性が高い
・生命保険の解約が必要になる場合がある
・自動車も処分対象となることがある
・破産手続中は、弁護士、司法書士、行政書士、宅建士、警備員など一部資格に就けない
・住所移転等に一定の制限を受ける

などの制限があります。

また、信用情報にも登録されるため、一定期間は新たな借入やローン契約も難しくなります。

破産は「人生の終わり」ではない

一方で、破産を選択したから人生が終わるわけではありません。

借金から解放され、新たな人生を歩み始める方も多くいらっしゃいます。

その意味では、破産は法律が認めた再スタートの制度でもあります。

だからこそ、必要な場合には利用すべき制度です。

しかし、問題は、「本当に破産しか方法がなかったのか」という点です。

当社の考え方

「破産は最後の最後」

株式会社事業パートナー九州では、「最初から破産ありき」という考え方は取りません。

私たちが最初に考えるのは、「会社を残せないか」ということです。

その理由は明確です。

会社には、

・長年積み上げた信用
・優秀な従業員
・お客様
・仕入先
・地域とのつながり
・技術やノウハウ

という、決算書には表れない大きな財産があります。

破産すると、それらは一瞬で失われます。一度失った会社を取り戻すことは、ほぼ不可能です。

だからこそ、私たちは最後まで会社を残す方法を考えます。

破産を回避する方法はある

資金繰りが厳しくなったからといって、すぐに破産しかないわけではありません。

例えば、

(1)金融機関とのリスケジュール

元本返済を一定期間停止し、資金繰りを立て直します。

(2)事業再生計画の策定

利益を生み出す事業へ集中し、不採算事業を整理します。

(3)財務デューデリジェンス(財務DD)

本当の赤字原因を分析します。

数字だけでなく、お金の流れまで確認します。

(4)事業デューデリジェンス(事業DD)

商品やサービス、市場、営業体制を分析し、「本当に売れる会社」へ転換できるかを検討します。

(5)M&A

会社そのものを第三者へ承継する方法です。

従業員の雇用を守れる可能性があります。

(6)廃業支援

どうしても会社を続けられない場合でも、計画的に事業を終了することで、破産を回避できるケースがあります。

実際、当社では、金融機関との調整、不動産売却、債務整理などを組み合わせ、法的破産を回避した案件もあります。

なぜ破産を勧められることがあるのか

公的支援機関や専門家は、それぞれの専門性に基づいて最善と考える提案を行います。

一方で、事業再生は、金融、財務、営業、事業戦略、組織、人事、不動産、法務など、多面的な知識と経験が必要な分野です。

そのため、担当する専門家の経験や得意分野によっては、

  • 事業継続よりも法的整理を優先する提案になること
  • 再生可能性よりも資金不足など現在のリスクを重視する判断になること

もあります。

また、弁護士は法的整理の専門家として重要な役割を担っていますが、事業再生を専門とする弁護士もいれば、破産・清算案件を主に扱う弁護士もいます。つまり、提案は専門家ごとの経験や専門領域によって異なります。

だからこそ、経営者は一つの意見だけで結論を出すのではなく、複数の専門家の見解を聞くことが重要です。

最後に

私はこれまで、多くの経営者から「もう破産しかありませんか。」という相談を受けてきました。

しかし、その中には、金融機関との交渉や事業の見直しによって、会社を残すことができたケースも少なくありません。

もちろん、すべての会社が再生できるわけではありません。

破産が最善の選択となる場合もあります。

しかし、その結論を出す前に、「本当に他に方法はないのか」を徹底的に考えることが重要だと、私たちは考えています。

会社は、経営者だけのものではありません。

従業員やその家族、取引先、地域社会など、多くの人とのつながりの中で成り立っています。

だからこそ、株式会社事業パートナー九州は、「破産を前提に考える」のではなく、「会社を残す可能性を最後まで追求する」ことを基本姿勢としています。

そのうえで、あらゆる選択肢を検討した結果として破産が最善と判断されるのであれば、その決断も一つの選択です。しかし、その結論に至るまでには、できる限り多くの再生策を検討する価値があると考えています。

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