今後の中小企業施策 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

今後の中小企業施策

2023年11月10日に、令和5年度の補正予算が閣議決定されました。11月20日に国会に提出され、11月中に可決の予定です。これに合わせて、各省庁は補正予算の内容を公表しています。

今回は、この中の経済産業省、特に中小企業の支援に関する内容を紹介します。

 

補助金の内容が変わる

事業再構築補助金の見直し

コロナ禍の影響を受けた企業等が新規事業に取り組むことを目的とした「事業再構築補助金」が見直される見込みです。

今回の公表資料からは不明点が多く明確に報告はできませんが、「中小企業等事業再構築基金」の多くを「中小企業省力化投資補助事業」に振り向けるようです。

なお、従来の事業再構築補助金は、次の2点に重点を置くようです。

(1)経済構造の転換に挑戦する事業者

(2)コロナ債務を抱える事業者等を支援

*現時点では詳細が分かりましたら順次報告します。

従来の事業再構築補助金は、今年度、あと1回の公募が予定されています。このタイミングを逃すと検討している事業が実施できない可能性もありますので、検討を急ぐことをお勧めします。

生産性革命推進事業は継続

次の3つの補助金は継続される見込みです。

(1)ものづくり補助金

(2)IT導入補助金

(3)小規模事業者持続化補助金

(4)事業引継ぎ補助金

新たな補助金の可能性

今回の補正予算案の概要を見ていると新たな補助金が開始されることを感じます。

現時点では、示された施策がどのような補助金の形になるかはわかりませんが、情報が入りしだい報告します。

 

コロナ禍を乗り越え未来への投資

これまでは、コロナ禍の影響を少なくし、中小企業の変革(再構築)を促す施策がメインでしたが、今後は、未来に向けた「成長」を目的とした施策が多くなっていると感じます。概要に示されている大項目(表紙)を示します。

施策の大項目とその予算

経済産業省合計:4.5兆円

【1】物価高から国民生活を守る(1.2兆円)

・燃料油、電気・ガス価格激変緩和措置

・LPガス配送合理化等支援

・省エネ推進  等

【2】地方・中堅・終章企業の中小企業の成長支援(6,000億円)

★この項目が最も中小企業に関係しています

・中堅・中小企業支援

・物流、コンテンツ産業、万博の推進  等

【3】成長力の強化・高度化に資する国内投資の促進(2.7兆円)

★この項目は大企業向けの施策が多く予算も高額です

・半導体、AI、量子等の技術開発・整備

・再エネ、蓄電池等の導入促進

・スタートアップ支援

・グローバルサウスとの連携強化  等

【4】人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の推進(160億円)

・デジタルライフライン整備  等

【5】国土強靭化、防災・減災で国民の安全・安心を確保(730億円)

・福島復興(廃炉、ALPS処理水風評対策)

・中小企業災害復旧支援、工業用水道の強靭化

・ウクライナ復興  等

 

中小企業支援の主な施策

上記の中で【2】で示されている中小企業向けの主な施策を紹介します。

(1)大規模成長投資補助金(3,000億円*R5年度:1,000億円)

中堅・中小企業が実施する「工場等の拠点の新設」「大規模な設備投資」を促進する目的

(2)中小企業省力化投資補助事業(1,000億円)

人手不足対策のための省力化投資への支援

(3)中小企業生産性革命推進事業(2,000億円)

*前述の「ものづくり補助金」など継続

(4)その他の施策

・事業環境変化対応型支援事業(112億円)

*インボイス制度、物価高騰、人手不足などの様々な環境変化に対する相談等の支援

・リスキングを通じたキャリアアップ支援事業(97億円)

*リスキングによって、企業間・産業間の労働移動の円滑化を一体的に進める

・高等教育機関における共同講座創造支援事業(3.5億円)

*先端分野で求められる高度な専門性を備えた人材を育成

 

経済産業省の補正予算案の概要はこちら

 

事業計画の中に補助金を取り込む

当社では、「補助金の活用」の支援も行っています。

その中で、補助金の活用で成功している企業は、最初に「事業計画」があります。「事業計画」をきちんと立案した中で、該当する計画の中で補助金を活用していきます。

当社が相談を受けた場合、事業計画があれば、「その計画のどこにどんな補助金が使える可能性がある」とアドバイスを行うことができます。

「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」など多くの補助金は、事業計画の策定が要求されます。「小規模持続化補助金」でも8ページ程度の事業計画書が必要です。

中には、「補助金の獲得」が最初にきて、その後に事業計画を考えるところがあります。この場合、思い付きの事業が多く、具体化ができなく、その結果、不十分な事業計画書になり、採択されない可能性が高くなります。採択されても有効に活用できない場合もあります。

最悪は、補助金を受けたことにより、無理な事業を強引に進めることにより、経営が悪化してしまうケースもあります。特に、これまでの自社の事業と異なる分野の事業を行う場合にリスクが高くなります。

まずは、売上・経費・利益などの計数計画を盛り込んだ「事業計画」の策定が重要です。

 

事業計画の策定、補助金に関しては当社にお問い合せ下さい。

当社への経営相談はこちらに

 

 

 

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