事業再生時の「収益性分析」 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

事業再生時の「収益性分析」

経営改善・事業再生の支援

当社の2025年の取組はこちら

コロナ禍での販売不振、その後の「原材料・資材などの仕入コスト」「エネルギー費」「人件費」などの上昇に加え「人手不足」「コロナ借入金の返済」などにより、経営状態が悪化している中小企業が増えています。

2024年の倒産件数は前年よりも増加しており、2025年もさらに増えることが予測されます。

その中で当社は、次の視点で中小企業の「経営改善・事業再生」の支援を行っていきます。

(1)現状を明確にして、出血を止め、資金繰りを確保する

(2)(その後)利益を出せるビジネスモデルに変革する

推進については、当社が属している「事業パートナーグループ」や「各分野の専門家」と連携して取り組んで行きます。

<事業パートナーグループ>(設立順)

・株式会社 事業パートナー(東京都)

 代表:松本 光輝

・株式会社 事業パートナー東海(愛知県)

 代表:青木 陽

・株式会社 事業パートナー九州(福岡県)*当社

 代表:太田 範雄

・株式会社 事業パートナー東京(東京都)

 代表:塩沢 貴良

事業再生時のプロセス

下図に事業パートナーグループが策定する「事業再生計画」の流れを示します。

ステップ1

最初に現状分析として、「外部環境分析」と「内部環境分析」を行います。

外部環境分析としては、「市場環境の変化」「顧客ニーズ」「競合の動き」等を調査し、既存事業が現在や将来に向けて可能性があるかを検討します。

内部環境分析としては、「財務」と「事業」の面を調査します。

財務面では、特に資金繰りの面を重視します。資金がショートする可能性がある場合は、暫定対応として、金融機関にリスケジュール(返済条件の変更)等を依頼します。

事業面では、「収益性分析」「各オペレーションの実態調査」を行います。

オペレーションについてはこちら

これらの分析により、窮境原因の特定を行います。その原因を対策するために、「基本戦略」を設定し、「実行課題」を抽出します。

ステップ2

上記の現状把握に基づき、実施計画を策定します。

実施計画の策定の最初に、5年後の企業の財務状況を設定し、返済計画を策定します。

その返済計画を実現するために、主要な目標値を設定し、「商品戦略」「販売戦略」「オペレーション改善」「インフラ整備」などを計画します。

*経営指導プロ養成研修会・第8期・第6回・収益性分析のテキストから抜粋

経営指導プロ養成研修会はこちら

現在実施中の「第8期」のプログラム(70時間・10日間)を紹介しています。「第9期」は2025年5月開講予定です。

収益性分析のポイント

対象企業の収益性を分析するには、分析の「切り口」が重要です。「切り口」は、各企業の業種や地域などによって異なります。「切り口」の設定を誤ると有効な分析結果が得られません。

食品製造会社の収益性分析

一例として、多くの種類の食品を製造し、全国に販売している企業の切り口を示します。

・商品別

・用途別

・販売(顧客)会社別

・販売地域別

・営業課・営業員別

・・・

これらの切り口で「売上」と「利益」に注目して分析を行います。

分析の手法

ABC分析

収益性の分析手法として代表的な手法に「ABC分析」があります。

ABC分析は、売上や在庫などのデータを基に、項目の重要度に応じてA・B・Cの3つのランクに分類し、優先順位を明確にする手法です。 特に在庫管理や顧客分析、マーケティング戦略の構想など、さまざまな分野で活用されています。

ABC分析の基本的な手順:

1 データの収集:売上金額や販売数量など、分析対象のデータを収集します。

2 データの並び替え:収集したデータを順番に並び替えます。

3 累積率の計算:各項目の累積率を計算し、全体に対する占有度を明確にします。

4 ランク区分:累積率に基づき、一般的に累積構成比が70%までをAランク、90%まで(残りの20%)をBランク、100%まで(残りの10%)をCランクと分類します。

この分析により、企業は重要な項目にリソースを集中させ、効率的な管理や戦略立案が可能となります。

その他の分析手法

パレート分析:パレートの法則(80:20の法則)に基づいて、全体の大部分の結果が一部の優先によってことを示す分析手法です。ABC分析と同様に、重要な課題を特定し、優先順位を決める際に用いられます。

XYZ分析:需要の変動に基づいて、在庫をX・Y・Zの3つのカテゴリに分類する手法です。Xは需要が安定しているもの、Yはある程度の需要の変動があるもの、Zは需要が不規則なものと分類し、在庫管理の精度向上に使用されます。

アソシエーション分析:購買データやPOSデータなどのビッグデータを分析し、項目間の関連性やパターンを見つける分析です。 マーケットバスケット分析とも呼ばれ、特定の商品が一緒に購入される傾向を分析し、クロスセル戦略やマーケティングアプローチの構想に活用されます。

これらの分析手法を活用することで、より深い洞察を得て、効果的な経営判断や戦略的立案が可能となります。

事業再生時の「収益性分析」

事業再生案件の「現状分析や再生計画での重要な施策(商品戦略、販売戦略、オペレーションの最適化など)の立案」には、「収益性の分析」が重要になります。

事業再生には、「利益を出すこと、それも、借入金の返済ができる利益を出すこと」、さらに金融機関等の債権者に納得してもらうことが必要です。

「収益性分析」は、この利益に対して数値的な裏付けを与えるもので、事業再生にはなくてはならない実施項目です。

当社が所属する「事業パートナーグループ」が実施している「経営指導プロ養成研修会」では、この「収益性分析」の講座も設けています。更に、研修後の「事業再生」の実務に参画する場もあり、「収益分析のプロ」の切り口(着眼点)や手法を学ぶことができます。

 

第9期の「経営指導プロ養成研修会」を5月~9月の日程で開催を予定しています。ご関心がある方はお問い合せ下さい。

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