【2025年の振り返り】士業・コンサルとしての転換点と来年への展望
士業・コンサルとしての節目の年
2015年8月に行政書士登録を行い、今年で10年が経過し、現在は11年目に入りました。また、2018年1月には経営コンサル会社として「株式会社事業パートナー九州」を設立し、こちらも8年が経過しています。この約10年間を振り返ると、士業として、また経営コンサルタントとして、多くの変化と挑戦の連続でした。
特に、この期間には新型コロナウイルス感染症の拡大という、誰も予想し得なかった大きな社会的変化がありました。企業経営、雇用環境、外国人材の受入れ、資金調達のあり方など、あらゆる分野で従来の常識が揺さぶられ、士業・コンサルに求められる役割も大きく変化しました。
そのような中で、2025年は、これまで積み重ねてきた経験に加え、AI・ChatGPTの活用が本格化し、「転換点」と呼べる一年になったと感じています。
行政書士業務の振り返り
外国人在留資格支援の深化と広がり
本年も、昨年に引き続き、外国人の在留資格取得に関するご依頼を数多くいただきました。従来から取り扱ってきた「技術・人文知識・国際業務」や「日本人の配偶者等」といった在留資格に加え、近年は内容がより高度で、申請理由書の構成や説得力が強く求められる案件が増えています。
具体的には、外国人による「会社設立」とそれに伴う「経営・管理」ビザの取得、永住許可申請や帰化申請、高度専門職の申請など、単なる書類作成ではなく、申請人の経歴、事業計画、将来性を論理的かつ一貫性をもって説明する必要がある案件が目立ちました。また、本年は初めて「芸術」の在留資格や、「難民の特定活動」からの変更申請といった、対応経験の少ない分野のご依頼もあり、行政書士としての専門性の幅を大きく広げる一年となりました。
さらに、在留資格取得をきっかけとして、「許認可申請」や「創業・経営支援」といった関連業務のご相談につながるケースも増えています。外国人経営者が日本で事業を行うにあたり、在留資格だけでなく、事業運営全体を支える必要性が高まっていることを、現場で強く実感しています。
「両利きの経営」という視点
知の深化と知の探索
このような行政書士業務の変化を振り返ると、今年はまさに「両利きの経営」を実践できた一年だったと言えます。当事務所の強みである「外国人の在留資格取得」という専門分野については、より深い知識と経験を積み重ねる「知の深化」を進める一方で、許認可、創業支援、経営支援といった新たな分野への対応という「知の探索」にも取り組むことができました。
単に業務の幅を広げるということではなく、在留資格支援と経営支援を橋渡しすることで、より付加価値の高い支援が可能になってきたと感じています。この視点は、次に述べる経営コンサル業務にも共通しています。
経営コンサル業務の振り返り
事業再生を軸とした支援
経営コンサルティングの分野では、コロナ禍の影響が長期化する中で、依然として厳しい経営環境に置かれている企業が多く存在しています。当社にも、ホームページをご覧になった経営者の方からのご相談が増えており、「資金繰りが厳しい」「金融機関との対応に悩んでいる」「今後の方向性が見えない」といった切実な声を数多くお聞きしました。
こうした相談に対して、当社および連携している「事業パートナーグループ」の強みである「事業再生」に関する知識と経験を活かし、現実的かつ段階的な対応を行ってきました。単なる理論や一般論ではなく、実務に即した支援が求められる場面が多く、コンサルタントとしての役割の重さを改めて感じる一年でもありました。
また、経営コンサル業務においても、「両利きの経営」の流れが明確になってきています。従来から注力してきた「事業再生」という分野をさらに深化させる一方で、「廃業支援」や「M&A」といった、事業再生と密接に関連するテーマへの取り組みが発展しつつあります。廃業やM&Aは、ネガティブに捉えられがちですが、企業や経営者の将来を考える上では、重要な選択肢の一つであり、今後ますます専門的な支援が求められる分野になると考えています。
共通する変化
ホームページとAI活用の効果
行政書士業務、経営コンサル業務の両方に共通して言えるのが、本年は例年以上にホームページ経由でのお問い合わせや業務依頼が増加したという点です。その背景には、当事務所および当社のホームページが検索結果で上位に表示されるようになったことがあると考えています。
検索順位が上がった要因として大きいのが、ホームページに投稿するブログ記事の数が増えたことです。そして、その記事作成を強力にアシストしてくれたのが、AI、特にChatGPTの存在でした。ChatGPTの活用により、これまで時間や労力の面で制約があった情報発信を、継続的かつ効率的に行えるようになりました。
AIの活用は、ブログ記事作成にとどまりません。在留資格申請における理由書の作成や校正、外国人とのコミュニケーション(翻訳機能)、事業再生における戦略立案やシミュレーションの検討、法律用語の解説など、さまざまなシチュエーションで大きな助けとなっています。今年は、ChatGPTを活用することで、業務効率化と品質向上の両立を実感できた一年でした。
AIとともに、次のステージへ
2025年を振り返ると、これまでの士業・コンサルとしての経験に、AI・ChatGPTという新たなパートナーが加わり、大きな転換点を迎えた一年だったと感じています。人にしかできない判断や責任を大切にしつつ、AIの力を適切に活用することで、より多くの方に、より質の高い支援を提供できる可能性が広がっています。
来年は、この流れをさらに加速させ、業務の効率化と専門性の深化、そして新たな分野への挑戦を同時に進めていきたいと考えています。行政書士として、経営コンサルタントとして、そして地域に根ざした支援者として、今後も価値あるサービスを提供し続けていく所存です。