事業再生の手法(2)当社の私的整理への取組について - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

事業再生の手法(2)当社の私的整理への取組について

前回の記事では、「私的整理」について、次の5つの手法を紹介しました。

1.中小企業活性化協議会による支援

2.中小企業の事業再生等に関するガイドライン

3.事業再生ADR

4.REVIC(地域経済活性化支援機構)による支援

5.純粋私的整理

今回は、それぞれの再生手法において、当社がどのような役割を担い、どのような支援を行っているのかを説明します。

(1)「私的整理にはどのような方法があるのか?」はこちら

まず最初に行うこと

「本当に事業再生が最適なのか」を判断する

事業再生の相談では、いきなり「再生計画」を作るわけではありません。

まず重要なのは、「本当に事業再生が最適なのか」を見極めることです。

実際には、

  • 事業再生
  • M&A
  • スポンサー支援
  • 一部事業売却
  • 廃業支援

のどれが適切なのかは、会社ごとに異なります。

例えば、

  • 本業は黒字だが借入が重い会社
  • 本業自体が赤字化している会社
  • 後継者不在の会社
  • 債務超過が深刻な会社
  • 資産売却で整理可能な会社

では、取るべき対応が全く違います。

そのため、当社では、まず次の点を整理します。

初期段階で確認する内容

(1)資金繰り状況
  • 現預金残高
  • 月次資金繰り
  • 借入返済額
  • 税金・社会保険滞納

などを確認します。

ここで重要なのは、「あと何か月持つのか」という視点です。

(2)事業の収益力

次に、

  • どの事業が利益を出しているのか
  • どの部門が赤字なのか
  • 将来的な回復可能性があるのか

を分析します。

場合によっては、

  • 不採算部門撤退
  • 人員整理
  • 店舗統廃合

なども検討します。

(3)金融機関との関係

事業再生では、金融機関対応が極めて重要です。

そのため、

  • メイン銀行
  • 保証協会付き融資
  • プロパー融資
  • 担保状況
  • 経営者保証

などを整理します。

金融機関との信頼関係によって、再生可能性は大きく変わります。

当社の役割とは

事業再生では、再生手法によって、当社の立場が変わります。

当社が主体となって進める場合もありますし、対象企業の「アドバイザー」という立場になる場合もあります。

(1)中小企業活性化協議会の場合

中小企業活性化協議会は、公的機関です。

この場合、再生支援の主体は「活性化協議会」になります。

そのため、当社は、

  • 事前相談
  • 資料整理
  • 事業分析
  • 再生計画作成支援
  • 金融機関対応支援

などを行う「企業側アドバイザー」として関与します。

当社が重視している点

活性化協議会案件では、「現実的な再生計画」が非常に重要になります。

単なる希望的観測ではなく、

  • 売上見込み
  • 利益改善策
  • 資金繰り予測

を具体的に整理する必要があります。

当社では、金融機関目線を意識した資料作成を重視しています。

(2)事業再生ガイドラインの場合

現在、当社が特に注目しているのが、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」を活用した再生です。

この手法では、

  • 債務免除
  • 第二会社方式
  • スポンサー支援
  • 廃業型整理

など、柔軟な対応が可能です。

当社の役割

この手法では、当社が主体的に動くことが可能です。

ただし、「第三者支援専門家」の関与が必要になります。

そのため、当社では、

  • 弁護士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 中小企業診断士

などと連携しながら進めています。

特に重要になるポイント

この手法では、「金融機関が納得できる事業再生ストーリー」が必要になります。

そのため、

  • 事業継続可能性
  • スポンサー候補
  • 収益改善策
  • 事業譲渡可能性

などを総合的に検討します。

(3)事業再生ADRの場合

事業再生ADRは、中立機関が主導する再生手法です。

比較的大規模案件で使われることが多く、中小企業では利用件数は限定的です。

この場合も、当社は主体ではなく、「企業側支援者」として関与します。

当社が実施する内容
  • 財務分析
  • 再生計画作成補助
  • 金融機関説明資料作成
  • スポンサー候補検討

などを行います。

ADRでは、金融機関説明能力が非常に重要になります。

(4)REVICによる再生支援

REVICは、地域経済への影響が大きい案件で活用されます。

特徴は、

  • 債権買取
  • ファンド支援
  • 資本性支援

などが可能な点です。

当社の役割

REVIC案件でも、主体はREVIC側になります。

そのため当社は、

  • 事前準備
  • 財務整理
  • 事業分析
  • 再生可能性検討

などを担当します。

(5)純粋私的整理 ~当社が最も多く対応している手法~

当社で最も多く対応しているのが、「純粋私的整理」です。

これは、公的機関を使わず、

  • 会社
  • 専門家
  • 金融機関

だけで進める方法です。

この手法の特徴

純粋私的整理は、

  • スピード感
  • 柔軟性
  • 非公開性

が大きな特徴です。

特に、

  • 地方企業
  • オーナー企業
  • 中小零細企業

では、実務的に非常に使いやすい手法です。

当社が行う具体的支援

当社では、

  • 資金繰り表作成
  • 経営改善計画
  • 事業再生計画
  • 金融機関交渉
  • 返済条件変更交渉
  • スポンサー探索
  • M&A支援

などを実施しています。

また、「経営改善計画策定支援事業」などの補助金活用も検討しています。

事業再生で重要なのは「早期対応」

事業再生では、「もっと早く相談していれば…」というケースが非常に多くあります。

資金繰りが完全に止まってしまうと、

  • 金融機関調整
  • スポンサー支援
  • M&A

などの選択肢が急速に減っていきます。

一方で、早めに対応すれば、

  • 返済負担軽減
  • 事業継続
  • 雇用維持
  • 廃業回避

につながる可能性があります。

まとめ

事業再生には様々な手法があります。

そして、重要なのは、「会社の状況に合った方法を選ぶこと」です。

当社では、

  • 私的整理
  • M&A
  • 廃業支援
  • スポンサー支援

を含め、総合的に検討しながら対応しています。

また、単なる財務改善だけではなく、「経営者・家族・従業員を守る」という視点も重視しています。

資金繰りや返済で悩んでいる場合は、早めの相談が、将来の選択肢を大きく広げます。

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