(コンサル転換期・第2回)AI時代に士業・コンサルが提供すべき価値とは - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

(コンサル転換期・第2回)AI時代に士業・コンサルが提供すべき価値とは

~AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなす専門家になる~

前回の記事では、東京商工リサーチや帝国データバンクの調査結果をもとに、士業・コンサル業界が大きな転換期を迎えていることをご紹介しました。

前回の記事はこちら

市場は拡大しているにもかかわらず、倒産や廃業は過去最多ペースとなっています。

その背景には、補助金など制度依存型ビジネスの限界や競争激化がありますが、もう一つ見逃せない大きな変化があります。

それが、「生成AI」の急速な普及です。

ChatGPTをはじめとする生成AIは、この2~3年で驚異的な進歩を遂げました。

「AIがコンサルタントの仕事を奪うのではないか」

そんな声も聞かれます。

しかし私は、少し違う見方をしています。

AIが仕事を奪うのではありません。AIを使いこなす専門家が、使わない専門家に代わって選ばれる時代になるということです。

AIは「競争相手」ではなく「最高のパートナー」

生成AIが得意なことは数多くあります。

例えば、

・情報収集
・市場調査
・競合分析
・文章作成
・提案書のたたき台作成
・事業計画書の構成整理
・契約書のドラフト作成

これらは、これまでコンサルタントが多くの時間を費やしてきた業務です。

今では数十分、あるいは数分で形になることも珍しくありません。

つまりAIは、人間の仕事を奪う存在ではなく、コンサルタントの生産性を飛躍的に高めるツールなのです。

AIだけでは解決できないこと

では、AIがあればコンサルタントは不要になるのでしょうか。

答えは「ノー」です。

AIは膨大な知識を持っています。

しかし、「この会社には何が最適か」という判断は苦手です。

例えば、事業再生を考えてみましょう。

同じ売上規模、同じ借入額でも、

・経営者の考え方
・社員の意欲
・金融機関との関係
・取引先との信頼関係
・地域での立場

は一社一社まったく違います。

数字だけを見れば廃業すべき企業でも、実際には再生できる会社があります。

逆に、数字は悪くなくても、経営者の意思決定によっては再建が難しいケースもあります。

こうした「数字では見えない部分」を読み取り、最適な方向性を示すことは、人間だからこそできる仕事です。

コンサルタントの価値は「答えを知っていること」ではない

これまで、多くの専門家は「知識」を提供してきました。

しかし現在では、多くの知識はAIでも得られます。

では、コンサルタントの価値は何でしょうか。

私は、「経営者と一緒に考え、意思決定を支援すること」だと考えています。

経営者が本当に求めているのは、知識ではありません。

安心して相談できる相手です。迷った時に方向性を示してくれる伴走者です。

答えを押し付ける人ではなく、一緒に悩み、一緒に考え、最後まで支えてくれる存在です。

これこそAIには代替できない価値です。

AIを使うからこそ、人間にしかできない仕事へ時間を使える

私は日頃からChatGPTなどの生成AIを活用しています。

ホームページの記事作成、メルマガの構成、情報収集、提案資料の整理など、AIを活用する場面は年々増えています。

しかし、AIが作ったものをそのままお客様にお渡しすることはありません。

実際の現場経験や企業の状況を踏まえ、「本当にこの会社に合っているか」という視点で必ず確認・修正しています。

つまり、AIは下書きを作る。最終判断は人間が行う。この役割分担が重要なのです。

AIによって資料作成時間が短縮できれば、その分だけ経営者との対話や現場訪問、課題分析に時間を使うことができます。

これが、本来コンサルタントが価値を発揮すべき仕事ではないでしょうか。

これからの士業・コンサルに必要な5つの力

AI時代を迎え、これからの専門家には次の5つの力が求められると考えています。

(1) 専門性

AIでは代替できない専門分野を持つこと。

「何でもできます」ではなく、「この分野なら任せてください」と言える強みが重要です。

(2) 課題解決力

制度や知識を説明するだけではなく、顧客の本当の課題を見つけ、最適な解決策を提案する力です。

(3) AI活用力

AIを使わないことが差別化ではありません。

AIを使って生産性を高め、その時間を付加価値の高い業務へ振り向けることが競争力になります。

(4) 他の専門家との連携力

一人で全てを解決する時代ではありません。

税理士、弁護士、社労士、中小企業診断士、行政書士など、それぞれの専門性を組み合わせることで、より質の高い支援が可能になります。

(5) 人間力

最後に残るのは人間力です。

誠実さ、共感力、信頼関係、責任感。

経営者は「知識」だけで専門家を選ぶのではありません。

「この人なら安心して相談できる」そう思える相手を選びます。

AI時代だからこそ、「人」が選ばれる

AIはこれからも進化を続けるでしょう。

しかし、それによってコンサルタントの仕事がなくなるとは思いません。

むしろ、AIが一般的になればなるほど、「誰に相談するか」という人間そのものの価値が高まると考えています。

知識はAIでも得られます。しかし、信頼はAIでは築けません。

経営者の悩みに寄り添い、企業の未来を一緒に考える。

その役割は、これからも人間の専門家にしか果たせない仕事です。

AI時代だからこそ、「人」が選ばれる

AIはこれからも進化を続けるでしょう。

しかし、それによってコンサルタントの仕事がなくなるとは思いません。

むしろ、AIが一般的になればなるほど、「誰に相談するか」という人間そのものの価値が高まると考えています。

知識はAIでも得られる。

しかし、信頼はAIでは築けません。

経営者の悩みに寄り添い、企業の未来を一緒に考える。

その役割は、これからも人間の専門家にしか果たせない仕事です。

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