2023事務年度金融行政方針 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

2023事務年度金融行政方針

2023年8月下旬に、金融庁から「2023事務年度金融行政方針」が公表されています。

*金融庁の事務年度:7月~6月、毎年8月下旬に各年度の方針を公表

全部で、約160ページにわたっていますが、ここでは、概要について紹介します。

中小企業の支援に関しては、「経済産業省の中小企業庁」が主になりますが、中小企業に資金を提供する銀行などの金融機関を管理監督するのが「金融庁」になります。そのため、金融庁の方針によって、金融機関の中小企業に対する関わりが変わり、融資や支援態勢に影響がでます

★ 2022事務年度金融行政方針の投稿記事はこちら

 

2023事業年度金融行政方針

これまでからの変化

金融行政方針は、毎年、公表されていますが、コロナ禍の「2020年」「2021年」は、コロナによる金融不安を少なくする施策がメインで、2022年は、(まだ終息していませんが)コロナ禍後(ポストコロナ)の対応を主に示しています。

2023年は、コロナの対応から、本来の事業者支援に変わっています。*概要やポイントには「コロナ」という文字は見られません。

 

注目すべき内容

 

下記に「2023事務年度 金融行政方針」に示された項目を示しますが、その中から、今後の中小企業に影響がある点について、今後、別の投稿記事で、次のように分けて、説明を加えていきます。

(1)業種別支援の着眼点

*金融庁が、2023年3月に金融機関の若手・中堅現場職員向けにまとめたものです。

(2)事業成長担保権

*昨年から検討が進められています。

(3)経営者保証に依存しない融資慣行の確立

 

なお、2022事務年度の次のトピックスは、前年の投稿記事をご覧下さい。

*一部、本年の記事と重複するものもあります

昨年の投稿記事はこちら

(1)メインバンク制の考え方 

(2)地域金融機関(地域銀行、協同組織金融機関)の役割 

(3)事業者支援態勢構築プロジェクト

(4)地域企業経営人材マッチング促進事業

(5)経営者保証に依存しない融資慣行の確立

(6)事業全体に対する担保権の早期制度化

(7)中小企業の事業再生等に関するガイドライン

(8)廃業時における『経営者保証に関するガイドライン』

 

2023年 記載項目

 

Ⅰ.経済や国民生活の安定を支え、その後の成長へと繫ぐ

1.社会経済情勢の変化に対応した事業者支援の推進

(1)事業者支援の一層の推進

(2)事業者支援能力の向上

(3)事業者支援の更なる促進に向けた対応

2.事業者の持続的な成長を促す融資慣行の確立

(1)経営者保証に依存しない融資慣行の確立

(2)事業全体に対する担保権の早期制度化

 

Ⅱ.社会課題解決と経済成長を両立させる金融システムを構築する

1.資産運用立国の実現と資産所得倍増プランの推進

(1)資産運用立国に向けた取組の推進

(2)新しいNISA制度の普及・活用推進

(3)金融経済教育の充実

2.金融資本市場の活性化

(1)スタートアップ等の成長を促すための資本市場の機能強化

(2)コーポレートガバナンス改革の実質化と企業情報の開示の充実

(3)市場に対する信頼の確保

3.サステナブルファイナンスの推進

(1)企業のサステナビリティ開示の充実

(2)GXの実現に向けた産業・金融の対話の促進

(3)サステナビリティデータの集約

(4)インパクト投資の推進

(5)ESG投資市場の透明性向上等の市場基盤整備や人材育成等

4.デジタル社会の実現

(1)フィンテックの推進に向けた取組

(2)Web 3.0 等の推進に向けたデジタルマネーや暗号資産等に係る取組

(3)決済インフラの高度化・効率化

 

Ⅲ.金融システムの安定・信頼を確保する

1.業態横断的なモニタリング方針

(1)経営基盤の強化と健全性の確保

(2)利用者目線に立った金融サービスの普及

(3)世界情勢等を踏まえた各種リスクへの対応

2.業種別モニタリング方針

(1)主要行等

(2)地域金融機関

(3)証券会社

(4)保険会社

 

Ⅳ.金融行政を絶えず進化・深化させる

1.金融行政の高度化

(1)データを活用した多面的な実態把握

(2)財務局との更なる連携・協働の推進

(3)国内外への政策発信力の強化

2.金融行政を担う組織としての力の向上

(1)職員の能力・資質の向上

(2)職員の主体性・自主性の重視

(3)誰もがいきいきと働ける環境の整備

 

 

(参考)2020~2022年の記載内容

2020年 *コロナ禍による社会・経済の大きな変化への対応

1 コロナと戦い、コロナ後の新しい社会を築く

・金融機関が、継続的に事業者の業況をきめ細かく把握し、資金繰り支援を適切に行うことを金融庁として支援し、その取組状況を確認する。

・コロナ後に、新しい産業構造への転換を支えられる金融のあり方について検討を始める。*これが2022年の方針につながっていると思われます。

2 高い機能を有し魅力のある金融資本市場を築く

・日本の金融資本市場の機能を高め、アジアや世界における役割を高められるように取り組む。

*海外金融機関・専門人材の受入れを促進するため、金融行政プロセスの英語化や登録手続の迅速化を進める。*これはコロナ禍の長期化で進展していないと思われます。

3 金融庁の改革を進める

・「金融育成庁」として力を発揮できるよう、金融庁自身の改革を進める。

 

2021年 2020年に比べより具体的に

1 コロナを乗り越え、力強い経済回復を後押しする

(1)金融機関に対して、引き続き、事業者の資金繰り支援に万全を期すように求め、対応状況を確認する。

(2)豪雨等の自然災害発生時には、金融機関に対して、きめ細かな被災者支援を行うように促す。

(3)金融機関等による事業者の「経営改善」「事業再生」「事業転換支援」等の取組みを促す。

(4)地域経済全体の活性化に向け、金融機関等に「経営人材マッチング」「事業者支援のノウハウ」等の提供を行う。

(5)地域金融機関が地域の実情等を踏まえ持続可能なビジネスモデルを構築するよう、経営改革の取り組みを支援する。

2 活力ある経済社会を実現する金融システムを構築する

金融サービスの活発な創出を可能とする金融システムを構築することにより、活力ある経済・社会構造への転換を促していく。

(1)金融分野におけるデジタル・イノベーションの推進

(2)国際金融センターとしての地位確立

(3)サステナブルファイナンスの推進

(4)インベストメント・チェーン全体の機能向上

(5)利用者目線に立った金融サービスの普及

(6)マネロン等対策の強化やサイバーセキュリティの確保のほか、システムリスク管理体制の強化

3 金融行政をさらに進化させる

・「金融育成庁」として、データ分析の高度化等によるモニタリング能力の向上、専門人材の育成など、金融行政を担う組織としての力を高めていく。

 

2022事務年度 金融行政方針

 

Ⅰ.経済や国民生活の安定を支え、その後の成長へと繫ぐ

1.社会経済情勢の変化に対応した事業者支援と地域経済の活性化

(1)事業者支援の一層の推進

(2)地域経済の活性化に向けた事業者支援能力の向上

(3)経営者保証に依存しない融資慣行の確立

(4)事業全体に対する担保権の早期制度化

2.モニタリング方針

(1)業態横断的なモニタリング方針

(2)業種別モニタリ方針方針

 

Ⅱ.社会課題解決による新たな成長が国民に還元される金融システムを構築する

1.国民の安定的な資産形成と資本市場の活性化

(1)国民の安定的な資産形成の促進

(2)資産運用の高度化

(3)スタートアップ等の成長を促すための資本市場の機能強化

(4)コーポレートガバナンス改革と人的資本を含む非財務情報の開示の充実

(5)市場に対する信頼性確保

2.サステナブルファイナンスの推進

(1)企業のサステナビリティ開示の充実

(2)市場機能の発揮

(3)金融機関の機能発揮

(4)インパクトの評価

(5)専門人材育成等

3.デジタル社会の実現

(1)Web3.0等の推進に向けたデジタルマネーや暗号資産等に係る取組み

(2)決済インフラの高度化・効率化

4.国際金融センターの発展に向けた環境整備

(1)海外資産運用業者等の参入促進に向けた環境整備

(2)海外資産運用業者等に対する直接の働きかけの強化

 

Ⅲ.金融行政をさらに進化させる

1.金融行政を担う組織としての力の向上

(1)職員の能力・資質の向上

(2)職員の主体性・自主性の重視

(3)誰もがいきいきと働ける環境の整備

(4)財務局とのさらなる連携・協働の推進

2.金融行政におけるデータ活用の高度化

(1)データを活用した多面的な実態把握等

(2)データ収集・管理枠組みの改善

3.国内外への政策発信力の強化

(1)国際的ネットワークの強化

(2)タイムリーで効果的・効率的な情報発信

 

 

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