事業承継・M&A・廃業 2020年(1)
本記事は、以前のホームページに記載したものを整理したものです。
【1】ネットM&A最大手「バトンズ」の支援専門家に登録!
(20200503)
2020年5月に、「ネットでM&Aサービス」を提供している「バトンズの支援専門家」に登録しました。「(株)バトンズ」は、M&A最大手の「日本M&Aセンター」が約50%出資する会社で、中小企業、小規模事業者を対象とした「M&A総合支援サービス」を行っています。
当社がM&Aに本格的に取り組む理由
1.事業承継の有力な選択肢として
日本では、2025年までに、平均引退年齢である70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者が「245万人」となり、この内約半数の「127万人」が後継者不在です。これを受けて政府は2019年12月に「60万者の第三者承継(M&A)」を推進する方針を出しています。
一昔前であれば子供が「家業を継ぐ」ことが第一候補でしたが、現在では、「M&A」を第一優先で検討する場合が増えています。
2.経営改善・事業再生の出口戦略として
当社は、主に「財務的な経営課題」を抱える企業の「経営改善・事業再生」を事業の中心にしています。
この出口として、「自力改善(再生)」「(損失を少なくした)廃業」を主に進めていましたが、経営者が築いてきた「製品・技術・サービスなど」を、意欲があり相乗効果が期待できる企業に引き継ぐことも「有力な選択肢」として取り入れることにしました。
3.「コロナウィルス感染拡大」による産業構造の変革への対応として
今回の「コロナウィルス感染拡大」の産業界全体、個々の企業に与える影響はこれまでにない大きなものです。感染が終息しても元の状態に戻らないとの見解が主流です。
「産業界全体の構造改革」「個々の企業のビジネスモデルの変革」「各個人の価値観の変化」が生じることになります。これにより、「従来のビジネスを手放す」ことを考える企業が増え、この手段として「M&A」が増えることが予測されます。
「バトンズ」を選んだ理由
1.業界最大手であること
最近、ネット広告で、幾つかの「M&Aマッチングサイト」がPRされていますが、「バトンズ」は登録数だけでなく、成約数でも業界トップレベルです。
本格的に取り組むには、「業界最大手」と連携することが、当社にとって、有効と判断しました。
2.専門家支援制度が有効に機能している
「バトンズ」が大事にしているのが、対象企業に対する「専門家による寄り添った支援」です。
当社は、「M&A全体のプロセス」を支援することができる「総合M&Aアドバイザー」に登録しています。
当社の、特に「経営改善・事業再生」に関する「業務内容・経験」が、「M&A」を検討されている企業のお役に立てると考えています。
3.教育や書式提供などの支援制度が充実
こちらが期待している以上に支援体制が整っていて、リーズナブルな価格でサービスが提供されています。
4.「本気のM&A」というキャッチフレーズ
キャッチフレーズが「やる気にスイッチ」を入れたことと、「大山敬義代表のビデオ」や「各担当者のご対応」から「熱意・誠実さ」が伝わってきたことも選んだ理由です。
当社の登録ページです。「事業承継・M&A」を検討されている企業の方、お問い合わせをお願いします。今後、さらに情報を充実させていきます。
【2】「コロナウィルス」の影響を受けて今後の「M&Aの考え方」
(20200503)
「M&Aの買い手」の目的として、自社のビジネスモデル(経営計画)に基づき、次の2つの方向性があると考えています。
1 選択と集中
2 リスク回避(多角化)
今回の「新型コロナウィルス感染拡大:以下「コロナ」と省略」により、事業承継を考えていた経営者の決断が早まることが予測されます。
また、今回の「コロナ」の営業自粛、売上減などのダメージにより、会社や事業を手放したいと考える方が増えると思います。
これにより、今後、「中小企業のM&A」は、より活発になると予測されます。
1 選択と集中
「ランチェスター戦略」や「孫子の兵法」では、資源(ヒト・モノ・カネ)が乏しい中小企業は、自社の強みを活かせる事業(製品)を選択し、これに資源を集中することが提唱されています。
この考えは、中小企業の経営方針として今後も変わらないものと思います。
今回の「コロナ」の影響で、自社もダメージを受けたが、同じ業界内で、自社以上にダメージを受けたところがあるのではないでしょうか。
その場合、次の2つの方向性で、関連する会社(事業)を購入するチャンスが出てきます。
(1)水平型:同業他社を買収して市場でのシェアを広げる
*廃業予定の飲食店を(安くなった適正価格)で購入しチェーン店化する
(2)垂直型:川上もしくは川下の会社を買収して事業範囲を広げる
*食品加工会社が「販売会社」を買収して生産から販売までの一貫体制を築く
2 リスク回避(多角化)
今回の「コロナ」では、一つの事業に集中していたことにより、大きな打撃を受けた企業が多く発生したと思います。
インバウンド需要に依存していた観光産業(ホテル・旅館、旅行会社、関連の小売り業など)、居酒屋やクラブのような夜が主体の飲食業、イベント関係業などです。
このコロナの影響により、その他の産業も影響を受け、いろいろな産業で「会社全て」あるいは「一部の事業を売却したいところが増えてくることが予測されます。
このタイミングで資力がある会社は、多角化に踏み込むことも選択肢として考えられます。
その際に、どのような業種に進出するのか?難しい選択です。
これまでの歴史から、自社の業務と関係ない分野に進出した場合、ほとんどの企業が失敗しています。
多角化を検討している企業が持つ何らかの「強み」という財産、これを活かせる業種であれば可能性があると思います。
「強み ✖ ○○」⇒「△△業種」に進出。
成功する可能性が高いのは、「○○」が顧客や連携先のような「人的ネットワーク」である場合です。あるいは「経営者の夢」に関係する場合です。
次の何らかの経営に影響を与える波が来た場合に「△△業種」に進出していたから救われたという可能性もあります。
「現在の柱の事業」に加えて「次の柱の事業」を一つずつ築いていくことが安定への近道かと思います。
「次の柱の事業」を得るためには「M&A」は有効な手段と言えます。
当社は、M&Aマッチングサイトの「バトンズ」の「総合M&Aアドバイザー」に登録しています。
「会社・事業」を、「譲りたい」、「購入したい」とお考えの方、お問い合わせ下さい。
【3】M&A案件「小型豆腐製造器」の事業譲渡
(20200725)
当社、(株)事業パートナー九州は、小規模M&AのNo.1のマッチングサイト「バトンズ」の「総合M&Aアドバーザー」として、企業間のマッチングを推進しています。
今回は、売手のアドバイザーを委任された「小型豆腐製造器」の事業譲渡(M&A案件)を紹介します。
この「小型豆腐製造器」は、「珍味の卸販売」をしていた会社の社長が、顧客の要望に応えるために大学と共同開発を行って実現したものです。
「小型豆腐製造器」は、大手の電器メーカーもトライしましたが、実現できなかったものです。
今回、社長が高齢になったこともあり、特許および製造技術(金型、外注先)を譲渡することになりました。
商品企画や販促方法によっては、大きな利益を得る可能性があると思っていますので、ぜひ、多角化の新規事業としてご検討下さい。
譲渡内容
1 保有特許の譲渡(製造器の製作・販売が独占的に可能)
2 装置製作の外注先の紹介、実施の橋渡し(金型等の使用)
*負担すべき負債(借金)はなし
譲渡希望額:「2,500万円」
*これまで約2万台の販売実績があります
装置の特徴
1 豆腐を作るのに最適な調理(加熱)方式 *特許の機能
豆腐製造の小型化を大手電機メーカーも挑戦したがうまくいきませんでした。
本装置は、大学と共同で開発を実施、大手電機メーカーからも注目されています。
2 12分で「10人前(1kg)3丁分」のできたての豆腐が味わえます。
*居酒屋、定食屋、ホテルの朝食バイキングや家庭用として最適
3 オリジナルの豆腐が作れます
*抹茶豆腐、青じそ豆腐などが簡単にできます
*消費者の健康志向にマッチング
幅広い顧客確保の可能性
★新規の商品企画力・販売力で本製造器を普及して頂ける方
1 大手の家電メーカーにOEM供給 *製品名の変更可能
2 食品製造器を扱っている商社経由での販売
3 「日本食」ブームの海外への販売
4 通信販売で、居酒屋や家庭など幅広いお客様への直接販売
※ホームページ・通信販売など販売促進に関して、(株)事業パートナー九州がご支援できます
【4】「政府、中小企業数の減、容認へ転換」M&Aを有効に活用
(20200803)
以前、日本企業の労働生産性が低い点について記載しました。
*2018年経済協力開発機構(OECD)加盟の36ヶ国中21位
この原因として「日本は中小企業が多い」点が指摘されています。
中小規模は、人材や資本力に限りがあるため、生産性向上の施策を打つことができないためです。
これまで政府は、中小企業数の維持を狙った目標設定を行ってきましたが、今回見直すとのことです。
*日本経済新聞:2020年7月17日の記事
見直しの背景
この見直しの背景として次の2点があります。
1 経営者の高齢化・後継者の不在
*黒字企業でも廃業せざるを得ない
2 新型コロナウィルスの感染拡大による決断
*事業継続について迷っていたがコロナがきっかけに判断
(東京商工リサーチによると)
・6月の企業倒産:前年同月比6%増の780件
*2020年の倒産件数は7年ぶりに「1万件を超える」との予測
・自主的な廃業や解散:2020年5万件を超える(2019年:4万6千件)
今後の施策
中小企業が占める割合は「企業数:99.7%」「従業員数:68.8%」。
規模が小さいために、各個別企業で「ヒト・モノ・カネ」の資源が不足し、そのため、生産性向上の設備投資や人材確保ができないのが現状です。
各企業の「個別の成長」や「M&A」により、中小企業より規模の大きい「中堅企業」を増やす事に施策を変更していくとのことです。
「M&A」を有効に活用
2020年後半から2023年の間は、廃業・倒産する企業が急増することが予測されます。
身の周りで廃業や譲渡を検討している企業があったら、体力のある企業は積極的にその企業の経営を引き継ぐことを検討してみてはいかがでしょうか。
引き継ぐメリット
1 規模拡大のチャンス
引き継ぐコストは平時よりもかなり低額に、場合によっては半額以下になる可能性があります。
2 従業員を引き継げる
経験がある従業員を引き継ぐことができ、新規の雇用者を教育して育てる時間とコストの節約ができます。
3 仕入先・販売先を引き継げる
引き継ぐ会社の仕入先、販売先等の利害関係者の利益を継続させることができます。
これから、2023年までは、廃業や倒産する会社が増えると予測されます。
余裕のある会社は、「M&A」も「事業拡大の戦略」の一つとして、事業計画を検討するべきと思います。