廃業(2)廃業を考えたときに確認すべきポイント
廃業を考えたときに最初に確認すべき5つのポイント
廃業を考えるタイミングは、経営者にとって人生の大きな分岐点です。
「本当にこのまま続けるべきか」「もう限界なのか」と迷いながらも、決断できずに時間だけが過ぎていく方が多く見られます。
廃業は“突然の決断”ではなく、「冷静な判断材料を揃える」ことから始まるプロセスです。
その判断材料こそが、ここで紹介する5つの重要ポイント です。
この5つを整理することで、廃業・再生・譲渡といった選択肢の方向性が自然と見えてきます。
ポイント1:資金繰り(キャッシュフロー)の現状と今後
廃業を検討する際、最初に確認すべき項目は 「資金繰りの余力」 です。
会社は赤字でも倒れませんが、資金が尽きた瞬間に倒れます。
■ 現状確認すべき項目
・当座預金の残高
・1か月の固定費(人件費・家賃・リース等)
・売掛金の入金予定
・借入金返済額
・支払サイトと回収サイトのズレ(掛率)
これを整理したうえで、「あと何か月、事業を継続できるか」を算出します。
■ 資金繰りが厳しいときの“初期対応”
・返済条件の変更(リスケ)
・在庫売却・不良資産の処分
・経費の固定費の見直し
・保険の解約・減額
・公的支援(保証協会・協議会)の活用
株式会社事業パートナー九州が支援する廃業案件でも「もっと早く相談していれば…」というケースは非常に多いのが実情です。
資金繰りは“命綱”であり、判断の基準そのものです。
ポイント2:事業の未来性(市場・競争力・収益性)
次に重要なのは、「続ける価値があるか」という事業の未来性です。
■ 自社の市場を見る3つの視点
1 市場の成長性(縮小市場では未来が読みにくい)
2 競争力の源泉(価格、技術、サービス、人材)
3 収益構造の持続性(固定費率・利益構造)
市場そのものが縮小し続けている業種では、努力だけでは乗り越えられない壁があります。
■ 競争力の客観評価
・顧客が自社を選ぶ理由は何か
・代替手段の登場に負けていないか
・技術・人材が他社と比べて強みを保っているか
もし「強み」が失われているのであれば、事業継続は難しく、廃業・事業譲渡・縮小再編のいずれかを検討する段階です。
ポイント3:経営者自身の健康・年齢・家族状況
廃業判断において、最も見落とされがちなのが「経営者自身の心身の状態」 です。
■ よくあるケース
・健康悪化によって突然事業が止まる
・家族が経営の状況を把握しておらず混乱
・経営者だけが責任を抱え込み身動きが取れなくなる
「会社の限界」よりも、「経営者自身の限界」が先に来るケースは多いものです。
■ 健康と廃業の判断基準
・長時間労働が続き体力的に限界
・家族の介護が必要になり会社に時間を割けない
・精神的負担で判断力が落ちている
これらは、廃業を含む「出口戦略」を考える明確なサインです。
株式会社事業パートナー九州では、経営者の生活状況・家族構成も踏まえた「ソフトランディング型廃業」を提案し、負担を最小限にするサポートを行っています。
ポイント4:従業員への影響と責任の整理
廃業は、経営者だけではなく、従業員の人生にも影響を与えます。だからこそ、早期に以下を整理する必要があります。
■ 従業員への影響を確認する項目
・雇用の継続可否
・再就職支援の必要性
・退職金・未払い給与の見通し
・職場引継ぎの必要性
■ 廃業準備は「従業員を守る行動」
十分な準備期間があれば、
・取引先や友人経営者に再就職先を紹介
・M&Aにより雇用継続
・技能の移管
など、従業員を守れる選択肢が増えます。
「従業員に迷惑をかけたくない」という思いは、廃業を“前向きなプロセス”に変える大切な視点でもあります。
ポイント5:法務・税務・契約の整理状況
廃業には、次のような膨大な手続きが伴います。
■ 法務手続き
・解散決議・清算人選任
・解散登記
・清算結了
・許認可返納(建設業、飲食業、旅館業など)
■ 税務
・廃業年度の法人税・所得税
・消費税の手続き
・清算決算
・源泉税の精算
■ 契約解除
・リース
・賃貸借
・保険
・メンテナンス契約
契約には「予告期間」や「違約金」が設定されていることが多いため、早期着手=損失を減らす行動 になります。
株式会社事業パートナー九州では、これらの項目を一覧化した「廃業チェックリスト」 を使って、抜け漏れなく整理します。
この5つを整理すると“選択肢”が見えてくる
ここまでの5つのポイントを整理すると、経営者が取るべき方向性がより明確になります。
■ A. 廃業(自主清算)が最適なケース
・体力的・精神的に限界
・将来的に黒字化の見通しが立たない
・資産売却による債務整理が可能
・従業員への影響も最小限で抑えられる
■ B. 事業譲渡・M&Aが適しているケース
・顧客基盤・技術・許認可に価値がある
・黒字で継続可能だが経営者が高齢
・従業員の雇用を守りたい
・後継者に困っている
■ C. 再生・リスケ(存続)が可能なケース
・市場の未来性があり、再構築すれば黒字化可能
・オーバーローンではなく、返済条件変更で改善できる
・従業員の能力が高く競争力がある
株式会社事業パートナー九州のサポート方針
当社は、経営者の「続けたい気持ち」と「やめたい気持ち」の両方に寄り添いながら、次の3つのステップで判断支援を行います。
ステップ1:現状分析(5つのポイントを可視化)
財務・人・契約・市場性を整理し、課題を明確にします。
ステップ2:シミュレーション(継続・譲渡・廃業の比較)
費用・期間・リスクを比較し、最適な選択肢を提示します。
ステップ3:実行支援(選んだ道に伴走)
・廃業手続き
・M&A仲介
・再生支援
・再スタート支援
経営者が「納得できる決断」を下せるよう、最後まで伴走します。
まとめ 迷うことは悪くない。整理することが大切。
・廃業の判断は、感情ではなく“根拠”で行う
・その根拠となるのが、本稿の「5つのポイント」
・早く整理するほど、選択肢は広がる
・廃業は決して失敗ではなく、前向きな経営判断
・最終的な決断は“経営者の尊厳”として尊重されるべき
「迷っている時こそ、整理するとき。」
株式会社事業パートナー九州は、経営者の「正しい判断」と「後悔しない未来」を共に創る伴走者です。
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