【特集09】利益を出し続ける仕組みの構築
連携している「(株)事業パートナー」の投稿記事から、「利益を出し続ける仕組み」を紹介します。
【1】 「売れる商品・サービス」を作り、改善を継続する仕組み
【2】 社員が一生懸命に仕事をしたくなる仕組み
【3】 資金がショートしないようにする仕組み
【4】 儲けた利益を何に使うかを決める仕組み
【5】 社長がいつ交代するかの仕組み
残念なことに大多数の中小企業には、ここに示した仕組みがありません。たとえあったとしても非常に未熟です。
「どんぶり勘定」「場あたり的」な経営で、勉強をしない経営者を待っているのは、「倒産」しかありませんので、5つの仕組みを理解して体制の整備を行いましょう。
本記事は、2020年3月に投稿したものを再編集しています。
【1】売れる商品・サービスを作り改善を継続する仕組み
商品・サービスが売れない理由は?
書品・サービスが売れない理由としては次のことが上げられます。
・経営者または担当者の過去の成功体験を変えられない
・過信により誤った判断をしている
・製品企画や販売がマンネリ化している
・資金不足により商品開発や販促活動が十分にできない
「売れる商品」を製造・調達するにはどうするか?
顧客満足度を上げるためには何をしたら良いかを徹底的に考えて商品・サービスを作り上げることが必要です。
1 「徹底したリサーチ」で売れる商品・サービスを探す
特定されている販売先からのヒアリング、または不特定者からのアンケートによる「何が欲しいか?」のデータを集める
2 一人の判断ではなく、会議で決める(この仕組みを作る)
集めたデータに基づいて、売れる根拠を割り出す会議を行う。これにより商品・サービスの開発や改善を決定する。
3 製造・調達計画を策定する
「商品寿命は3年しかない」という前提で、商品・サービスの製造・調達・販売の計画を策定する。
4 資金計画を立てて実行する
・減価償却分は使わないで、設備購入、開発費などの投資のために貯めておく
・利益の一部を将来の投資のため、不測の事態への対応(天災・経済状況の変化)のために、資金計画に合わせて積み立てる
・銀行から借り入れる必要がある場合は、借り入れが可能な状態に決算書を整えておく
売れる商品・サービスを作り改善を継続する仕組みの実例
1. 徹底したリサーチで売れる商品を絞り込む
ある地方の食品メーカーA社は、新商品を開発するに当たり、
・首都圏よりバイヤーや調査会社を招聘し、
・今の市場で人気のある味や香りや食感、見た目のデザイン性などを
・事細かに聞いて、商品設計を行った。
2. 試作・検証で完成度を上げる
・バイヤーなどから、材料や加工方法などの最新情報を受けながら、
・社内関係者やバイヤーなどの試食評価を行い、改善をしながら、
・約1年で「3個」の試作品を完成させた。
3. 市場での検証から販売の実施
・バイヤーの協力を得ながら、東京などの現地で試食販売を行って、
・お客様の生の声を聞いて、
・それを元に改良し、商品の完成度を高めた上で販売を行った。
4. 販売後のモニタリング・改良の実施
・その後も本商品は東京などで販売を継続していて、
・定期的に試食販売を実施し継続的にお客様の声を聞いて
・商品の改良を継続している
★ A社はこの手法で順次「新商品の開発・市場投入」を継続実施しています
<今回のポイント>
商品開発などの常に変化が必要な業務では、「お客様の声を反映する仕組み」を作って、それを動かすことで「利益を出し続ける」ことができます。
【2】社員が一生懸命に仕事をしたくなる仕組み
社長も従業員もほとんどが「己の利益のために仕事をする!」というのが現実と思いますが、この考えだけでは会社の成長は難しいです。
「己(自分)の利益」から「会社(組織)の利益」そして「社会(世の中)の利益」へと考えの展開が必要と考えています。
まずは、「己の利益」から「会社の利益」へ移行できる仕組み造りが重要です。
社員が一生懸命に仕事をしたくなる仕組みとは
「従業員をいかに安く使うか」と考える会社(社長)には成長はありません。「いかに多くの給料を取らせるか」を考える社長の会社が成長します。
そのための仕組みについて紹介します。
1 一生懸命やったら、成果を出したら、その分の報酬が得られる仕組みを作る
2 誰にでも理解できる公平な仕組みにする
3 やっても、やらなくても給料が同じという仕組みをやめる
4 労働時間内で仕事を終了させ、残業を廃止する
*サービス残業は会社の命取りになる
*残業せずに成果を出せる方法・仕組みを各人に考えさせる
5 社内で自由にものが言える雰囲気を作る
6 アイデア箱、意見箱を設置またはメールで社長宛に
7 定期的(例えば3年毎)に配置転換
8 グループ制の仕事体制の採用 *個人ではなく衆知を集めて組織で解決する
9 3ヶ月間に一度の従業員と経営者(管理者)とのヒアリングの仕組み構築
10 「社長の考え」を従業員に発信する仕組み
社員が一生懸命に仕事をしたくなる仕組みの実例
社内で自由にものが言える雰囲気作りに全社で取り組む
例えば、社員全員が同じベクトルでモノを見る「共感づくり」を題材として、コンサルタントが議事進行を務めて、発言が自由なミーティングを開き、一人づつが全員の前で、自分の最も大切にしている「価値観」を発表します。
発表する時に「それがなぜ大切なのか、どのような想いががあるのか」を他のメンバーに伝え、それに共感を感じた他の参加者はその場に立ち、発表者は「参加者全員が立つ=全員から共感を得るまで」話し続けます。
これに社長や役員も加わることで、参加者全員がお互いに共感や相互理解を得られ、信頼感や責任感が生じ、より一生懸命に仕事に取り組めるようになります。
<今回のポイント>
社員がより働きやすくするのには、社内で信頼感と共感が広がるような仕組みを造る!
【3】資金がショートしないようにする仕組み
1. 支払額より受取額が多くなるように、資金管理を行う
次の関係が成り立つように管理を行って下さい。
流動資産>流動負債、現金・預金>長期借入金、
売掛金>買掛金、受取手形>支払手形
2. 最低6ヶ月先まで資金が回る計画を立てる
3. 長期借入金は年間売上高の30%以下にする
4. 年間の銀行返済額が決算書の当期利益+減価償却費以内にする
5. 労働分配率は40%~60%(業種によって多少異なる)
6. オフバランスを徹底する
7. 粗利益を多くする計画を作る
資金がショートしないようにする仕組みの実例
○ 売掛金と買掛金のリスクを減らすことを目的に交渉を行いました
売掛金回収の大半を手形で決済していたのを「支払いサイトが長い売
現金回収の取引を増やすことにより、
一方、買掛金についても、支払いサイトが短いものにおいては、
結果、4社と合意に達し、さらに数社と交渉を行っています。
この2つの仕組みで、資金繰りはよくなり、
<今回のポイント>
資金繰りを改善するために、
【4】儲けた利益を何に使うかを決める仕組み
大まかな利益の配分の考え方を示します。
1. 税引き前利益から法人税を含む税金は35%程度かかる。
2. 銀行への元金の返済は、この最終利益(当期利益)から行う
3. その後に残った利益を何に使うかが会社の今後に影響を与えるので、例えば、下記のために蓄えておく
・設備等の修理や交換のための資金
・社長の報酬増額資金
・商品や製品開発資金
・従業員の研修資金
儲けた利益を何に使うか決める仕組みの実例
○ 事業計画の段階で設備のメンテナンス費用の項目を加えました
印刷会社のA社は利益は出ていましたが、
そこで「経営コンサルタント」に相談したところ、「
相談したコンサルタントの協力を得ながら「計画書」を作成して実行した
<今回のポイント>
儲けた利益を会社の今後に活かすためには、
【5】社長がいつ交代するかの仕組み
事業継承に関しては次に示す考えで取り組む必要があります。
1. 社長になってからすぐに承継のことを考える
2. 後継者は身内とは限らない、馬鹿息子に承継させて倒産するよりは、社内外の優秀な人材に継がせるべき
3. 事業承継の準備には10年かかる
4. 経営術は現社長からは学べない、最適な教育機関で習得させるべし
5. 後継者に多くの負担を残してはならない
事業継承の準備に10年かける理由
事業継承を身内や親族、社員や外部人材の誰を対象にするにしろ、
ただ、これだけでは実際に次期社長が経営を行う時、
例えば、
こういったことへ対応できる様になるためには「経営の知恵」
また、
この「知恵」
<今回のポイント>
事業継承には10年かかると考え、
今回、「(株)事業パートナー」の記事から、「利益を出し続ける」というテーマで、「経営の基本的な考え」を紹介しました。
会社を存続させ、発展させるためには「利益を出し続ける」ことが必要です。
そのためには、智恵を出して、「仕組み」を構築・運用することが重要です。
(株)事業パートナー九州では「経営に関する相談」を受付けています。
弊社だけでは解決できない課題に関しては、「(株)事業パートナーをはじめ、幅広い人的ネットワーク」を使って解決していきます。