中小企業の借金と預金の適正額は?
中小企業の経営者と接して
経営改善や補助金申請の支援で中小企業様と接し、「多くの経営者の方は、経営に関して知識がない」ことを感じます。
知識・経験がないがゆえに、銀行や税理士から言われるままに対応し、問題が起きたときに、右往左往することがおおくあります。
それは、経営者が「そんな勉強はしていない!」ということです。「金属加工の技術」「飲食のメニュー開発」「仕入商品の目利き」など実務に関する知識・経験はありプロですが、「経営」に関しては勉強したことがなく、全くの素人の方が多いのが現状です。
借入金、預金は、いくらが適正なのか?
今回のコロナ禍で、政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工中金)や民間金融機関(信用保証協会の保証付き融資)を通じて、従来では融資できない状況のところにも、非常事態ということで、お金を貸しました。
その効果もあり、コロナ禍の中でも倒産件数が増えないで済みました。
現在、据置期間が終了し、借りたお金の返済が始まっているところが多くあります、金融機関の方にお聞きすると、返済ができなくて、返済を更に先に延ばしたいという依頼が多くなっているということです。
直近の燃料費や原材料費等の物価高騰により、中小企業の経営はますます厳しくなっています。
今回は、借入金、預金は、いくらが適正なのかについて紹介します。
なお、この記事は、当社と連携している「株式会社 事業パートナー」のメルマガ記事を一部編集して記載しています。
“借入金”の限度額ってあるのか?
一概には言えませんが「年間売上額の半分位」、できれば「4分の1位」ならば心配ないといえます。しかし、当社に相談に来られる方の中には年間売上以上の人もいます。
ただ、そういう会社は倒産するのかと言うとそんなことはありません。
いくら借入金が多くても、
そのためには、
金利を下げることができれば利息も少なくなります。
例えば、金利2%を1%にできれば利息額は半分になります。
元金を減らすには借入金を返済するしかありません。その方法は財産を売って返すか、
理屈では分かっていても、なかなか上手くいかないから皆さん、
どうにか努力して借入金の額は年間売上の4分の1を超えないというのが理想です。
預金はいくらあれば良いのか?
預金が多くあれば良いというものではありません。
それは、資金の運用の仕方(使い方)が下手だということになります。
つまり、少なければ資金繰りが回らず、
でも、“いくらが適正なのか?”それは、“正味の運転資金+α”
例えば、運送業では、製造業のように製造原価というものがないので、ドライバーや傭車を原価としなければ、固定費とは販売管理費の8割程度であす。
しかし、現実には多くの中小企業の現・預金残額は固定費の1.
せめて固定費の3ヶ月分あれば、経営的には安定するはずですが、そのためには利益を上げなければなりません。
今回の「新型コロナウィルス拡散拡大」の影響により、「インバウンド・国内旅行の壊滅によるホテル・旅館・運輸業・関係する小売業」、「営業自粛による飲食店・イベントに関する業種、スポーツジム、購買意欲の低下による自動車・家電などの販売不振」そして、今後、これらの影響は、製造業や建設業にも及んでいきます。
これに耐えられるところは、「資金(現金・預金)を豊富に持っている」ところです。今回は、あらゆる資金調達手段を駆使して乗り切ることが第一優先ですが、その後の経営では、早期に「固定費の半年分」(今回の件で3ヶ月分では危ういと感じています)は蓄えられる「経営計画を策定して実施すること」が必要です。そのためには、ビジネスモデルの変革(事業再構築)を徹底的に検討することがスタートになります。