民事再生に取り組む
中小企業の経営状況
現在の日本の経済は良いのか悪いのかがよく分かりません。現在、上場企業の3月末の決算が報告されています。これによると多くの企業が業績を伸ばしています。
一方、中小企業では次の課題で倒産が増えているとの報道もあります。
・コロナ禍の後遺症 *コロナ融資の返済が重荷
・(円安等による)原材料・資材費の高騰
・人手不足、特に建設業や運送業
・後継者不在 など
コロナ禍で「給付金」や「ゼロゼロ融資」等の支援で、倒産しそうな企業も延命し、ゾンビ企業の状態で生き延びているとの報道もあります。
そのため、政府は、経営に課題があるが地域経済や雇用の面で残す必要がある企業には、「経営改善・事業再生」に取り組む施策について制度化を進めています。
「事業再生」の類型
以前に紹介していますが、「事業再生」の類型を示します。
当社が「事業再生」に取り組む場合は、「私的再生」が主な手段ですが、上記の法的手段である「民事再生」を検討する場合もあります。
今回は、「民事再生」に関して概要を紹介します。
なお、今回の記事については、わかりやすく整理して示す意味もあり、「ChatGPT」との対話を活用してまとめてみました。
民事再生の概要を紹介します
民事再生の概要
民事再生法に基づく再生手続きが成立するための要件は、以下のようになります:
(1)財務状況:申立てをする企業は、支払い不能または支払い不能に陥るおそれがあること。つまり、現在または将来的に負債の支払いができなくなる状況にある必要があります。
(2)再生可能性:申立てる企業が実行可能な再生計画を提出し、その計画に基づいて事業が再生可能であることを示す必要があります。裁判所や債権者は、計画が現実的であり、事業を存続させるための具体的な方法が含まれているかを評価します。
(3)公平性:提案される再生計画は、すべての関係者に対して公平でなければなりません。特定の債権者に不利益を与えるような内容であってはなりません。
(4)債権者の同意:再生計画は、影響を受ける債権者の過半数(金額と人数の両方で計算)の同意を得る必要があります。特に重要なのは、主要な債権者の支持を確保することです。
(5)裁判所の認可:債権者の同意を得た後、再生計画は裁判所の認可を受ける必要があります。裁判所は、計画の法的適合性や実行の可能性を検討します。
これらの要件を満たすことによって、企業は民事再生手続きを通じて事業の再建を図ることができます。このプロセスは、企業にとって重要な再スタートの機会を提供し、多くの場合、事業の持続可能性を保証するための最善の選択肢となります。
民事再生が成功するポイント
まずは、資金繰りなど生き延びる策を実施しながら、事業再生が必要になった根本的な原因(窮境原因)を掴み、その対応を行います。
その後、現状分析で抽出された要因に対する対策を検討し、計画に落とし込みます(事業再生計画)。
この計画では、確実に利益が出ることが重要です。利益が出ない計画では事業再生は成功しません。
また、再生の成功のためには、経営者の覚悟・熱意が重要であることは言うまでもありません。
「会社が倒産するのは、経営者があきらめたとき」
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