5S活動で実現する業績向上と生産性向上
先日(2024年2月9日)に、小売店組合向けに「5S」に関するセミナーの講師を務めました。その時のプレゼン資料を「ChatGPT」に要約してもらいましたのでご紹介します。
先行きが不透明で将来の予測が難しい状態(VUCAの時代)の中で、企業の基礎体力を構築するための「5S活動」は、存続し発展するための一手法です。
VUCAとは「Volatility:変動性」、「Uncertainty:不確実性」、「Complexity:複雑性」、「Ambiguity:曖昧性」の4つの単語の頭文字をとった造語。「先行きが不透明で将来の予測が困難な状態」を意味する言葉です。
5S活動が経営に役立つ理由
5S活動は、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)の5つのステップから成り立つ経営手法です。この活動は単に職場をきれいに保つだけでなく、経営の基盤を強化し、組織全体の効率と生産性を向上させる重要な役割を果たします。以下に、5S活動が経営にどのように役立つかを具体的に示します。
1 業績向上
5S活動は直接的に業績向上につながります。整理と整頓により、必要なものを迅速に取り出せる環境を整えることで、業務の効率が大幅に向上します。例えば、モノを探す時間が減少し、従業員は本来の業務に集中できるようになります。結果として、売上の拡大やコストの削減が実現します。消費期限の管理や在庫の見える化が進むことで、廃棄ロスの低減や在庫切れの防止が図れます。また、設備や材料の修繕費が減少し、変動費も下がります。これらの効果により、企業の利益率が向上します。
2 個人・組織の能力向上
5S活動は従業員個々の能力を引き出し、組織全体の能力を向上させます。円滑なコミュニケーションや価値観の共有が促進され、上司と部下、部門間の連携が強化されます。これにより、組織の問題解決力が向上し、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)が効果的に機能するようになります。従業員が自主的に判断し行動できる環境が整い、組織としての判断基準が明確化されることで、全体のパフォーマンスが向上します。
3 環境の整備と維持
清掃と清潔のステップは、職場を常にきれいな状態に保ち、作業の効率化を支援します。清掃を通じて職場の異常を早期に発見し、問題を未然に防ぐことができます。清潔な環境は従業員のモチベーションを高め、健康管理にも寄与します。さらに、清掃の習慣化により、小さな異常や汚れを見逃さず、職場の安全性も向上します。
4 経営者のリーダーシップ
5S活動の成功には経営者のリーダーシップが不可欠です。経営者が率先して5S活動を推進し、全従業員にその重要性を伝えることが必要です。経営者の熱意とコミットメントが従業員に伝わり、全員参加型の活動として定着します。これにより、組織全体が5S活動を継続的に実施し、その成果を享受することができます。
5 継続的改善
5S活動は一度実施するだけでなく、継続的に改善を続けることが重要です。5S活動を通じて得られた成果を評価し、更なる改善策を講じることで、持続可能な成長が実現します。組織内のルールや基準を明確にし、従業員全員がそれを守る習慣を身につけることで、会社の基礎体力が強化されます。
5S活動は単なる整理整頓の手法に留まらず、企業の業績向上、組織の能力向上、職場環境の整備、経営者のリーダーシップ強化、そして継続的な改善を実現する強力なツールです。この活動を取り入れることで、企業は効率的かつ生産的な経営を行うことができ、持続的な成長を遂げることができます。
5S活動の各ステップのポイント
5S活動の基本とは?
5S活動は企業や商店の経営発展だけでなく、関係者の人間力を向上させ、その結果として社会の安定と発展に貢献する活動です。5Sとは以下の5つの日本語の頭文字を取ったものです。
- 整理(Seiri): いらないものといるものを分けて、いらないものを捨てること。
- 整頓(Seiton): 必要なものをいつでもすぐに取り出せるようにすること。
- 清掃(Seisou): 職場をきれいな状態にして、いつでもすぐに仕事ができるようにすること。
- 清潔(Seiketsu): 整理、整頓、清掃(3S)を維持すること。
- 躾(Shitsuke): 決められたルールをきっちり守るよう習慣化すること。
整理の重要性
整理は5S活動の第一歩であり、いらないものを取り除くことで必要なものを見つけやすくし、効率を上げるための基本です。
整理の基本:
- 不要なものがあると必要なものが見えなくなる:
- 読まない書類や雑誌、不要なファイルが職場を乱雑にし、必要なものを探すのに時間がかかります。
- 不要品で場所が占領される:
- 不要品が場所を取り、新しい設備を入れたくてもスペースがない状態になります。
整理の進め方:
- 現状把握:
- 各自の机の引き出しを開けてメンバーで確認し、整理前の状態を画像に残しておく。
- 必要、不要の判断:
- 捨てる基準を決め、不要品を廃棄する。判断基準を管理者や経営者と共有し、部門の統一基準を作る。
整頓の基本とは?
整頓は必要なものをいつでもすぐに取り出せるようにするための活動です。整理によって不要なものを取り除いた後、残った必要なものを使いやすいように配置します。
整頓の基本:
- 検索性を高める:
- 継続性も考慮してシンプルに管理し、コストをかけずにスピーディーに取り出せるようにする。
- 使用頻度に応じて保管場所を決める:
- 常に使用するもの、数回/週程度使用するものなど、使用頻度に応じて保管場所を決める。
整頓の進め方:
- 「3定」で整頓:定品、定量、定位置を守り、必要なものを必要な量だけ、決めた場所に置く。
- 見える化:整頓後の状態を見えるようにして常に関心を持ち、継続する。
清掃の基本とは?
清掃は職場をきれいな状態に保ち、いつでもすぐに仕事ができるようにする活動です。整理と整頓を行った後に清掃することで、より効率的に職場を保つことができます。
清掃の基本:
- 注意深く清掃する:
- 製造現場では油汚れやさび、小売店では商品の状態を常にチェックし、異常を早期に発見する。
- こまめに清掃する:
- 始業後や昼休み後に全員で10分間清掃するなど、全員参加で行うことが継続の秘訣です。
清潔の重要性
清潔は整理、整頓、清掃を維持し、常にきれいな状態を保つことを指します。少しの労力で清潔な状態を保つことが重要です。
清潔の基本:
- 意識の三原則:
- 見せる(外の人に見られたいように見せる)
- 汚さない(気をつける)
- 広げない(必要最小限にする)
- 行動の三原則:
- 整える(書類の端を揃える)
- もとに戻す(使ったものを元の場所に戻す)
- 汚れはその都度取る(汚れは時間が経つと固まる)
躾(しつけ)の重要性
躾は決められたルールをきっちり守るよう習慣化することです。これができるようになると、会社の基礎体力が強化されます。
躾の基本:
- 経営者の意思:
- 経営者が5S活動を継続する意思を持ち、全従業員に浸透させることが重要です。
5S推進委員会:
- 5S活動の定着には、5S推進委員会を設け、仕組み作りを行います。主体はあくまでも全員です。
5S活動の基本から具体的な実践方法までのポイントを記載しました。5S活動を実践することで、職場の効率化と従業員の働きやすさを向上させることができます。
当社では、企業勤めでの「5S活動推進員」等の経験をベースに、個別の企業毎の5S活動を提案し、実行を支援することが可能です。5S活動を「自社の業績向上」に役立てたいと検討されている企業はご連絡下さい。
5S活動については次の記事も参照して下さい。