事業譲渡後の倒産 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

事業譲渡後の倒産

定期購読している月刊誌「日経トップリーダー」の中に、「事業譲渡後の倒産が増える可能性」という記事がありました。

既存の事業を他社に譲渡して、借金は従来の会社に残して倒産させて法的な処理を行う手法ですが、この手法についての実施の方法と注意すべき点を「ChatGPT」といっしょに整理しましたので紹介します。

また、既存の他社ではなく、新設の会社に移す場合についても記載します・

事業譲渡後の倒産

事業譲渡後に倒産する手法は、いわゆる「不良債務を切り離す」形で事業再編を行う方法の一つです。この手法は、事業の存続や再建を目指しつつ、過剰な負債を切り離すことが目的とされています。しかし、適切に行わないと法的リスクが発生するため、以下のような方法と注意点があります。

実施方法

1 事業譲渡の実施:

・まず、譲渡する会社は、健全な事業や資産を第三者または関連会社に譲渡します。ここで譲渡されるのは「事業そのもの」や「資産」であり、負債は譲渡の対象から外されることが多いです。

・具体的には、工場や店舗、商標、顧客リストなどの有形・無形資産を新しい会社へ移転します。

2 譲渡後に旧会社の倒産手続き:

・事業譲渡後、譲渡元の会社は残った負債のみを抱えた状態となり、債務超過に陥ることが多いため、倒産手続きを進めます。通常は、破産や民事再生手続きが選択されます。

注意すべき点

1 詐害行為取消しのリスク:

・倒産した会社が債権者を害する目的で不当に安価に資産を譲渡した場合、債権者から「詐害行為取消し」を申し立てられるリスクがあります。適正な価値で資産を譲渡し、債権者に不当な損害を与えないように注意が必要です。

2 会社法や倒産法の違法行為の回避:

・事業譲渡や倒産手続きが、債権者の利益を不当に害する形で行われると、会社法や倒産法の観点から違法と判断される可能性があります。特に、役員が個人的に利益を得る目的で不正な譲渡を行うと、刑事責任が問われることもあります。

3 債権者との調整:

・事業譲渡を行う前に、債権者との事前調整が重要です。債権者を納得させるためには、譲渡後の会社がどのように運営されるのか、負債の返済にどのように対応するのかを明確にする必要があります。

4 税務面での注意:

・事業譲渡には税務上の問題も伴います。譲渡利益に対して法人税が発生することがあり、その場合、譲渡価格が適正であるかが税務調査の対象となります。

その他の注意点

・取引先や従業員への影響:

事業譲渡に伴い、取引先や従業員の処遇についても考慮する必要があります。新しい会社との取引がスムーズに移行できるか、従業員の雇用が維持されるかどうかも重要な要素です。

・株主や役員の責任:

倒産手続きが始まると、旧会社の役員や株主がその行為に責任を問われる可能性があります。特に経営判断の透明性と合法性が求められます。

この手法を実施する場合、法的な手続きやリスクの回避を専門家と緊密に相談しながら進めることが極めて重要です。

 

新設会社への譲渡

新たに会社を設立し、その新会社に事業を譲渡して元の会社を倒産させる手法は、実務においてもよく利用されますが、慎重に進めなければ法的リスクや信用リスクが高まる可能性があります。この場合に特有の注意点を以下に示します。

注意すべき点

1 詐害行為のリスク(詐害行為取消権)

・新会社を設立して旧会社の事業を譲渡する際、債権者に損害を与える意図で行われたと見なされると、債権者が詐害行為取消しを申し立てることができます。特に、旧会社が資産を新会社に安価で譲渡し、負債のみが旧会社に残る場合、このリスクが高まります。譲渡価格が適正であること、債権者を害する意図がないことを証明できるように、譲渡に関する書類を適切に整備することが重要です。

2 関連会社間の取引の透明性

・旧会社と新会社が密接な関係にある場合、たとえば役員や株主が共通している場合、第三者(債権者、裁判所、税務当局など)から「実質的に同一会社による事業継続」とみなされる可能性があります。これにより、債権者からの異議申し立てや法的問題が生じるリスクがあるため、譲渡手続きや価格設定は透明性を持たせることが必要です。

3 旧会社の負債処理と債権者対応

・新会社に事業を移転した後、旧会社の債務が適切に処理されていない場合、旧会社の債権者が新会社に対して責任を追及する可能性があります。特に、新会社が実質的に旧会社と同じ事業を継続している場合や、旧会社の従業員や資産をそのまま引き継いでいる場合には、「会社の同一性」が問題になることがあります。このため、債権者との事前協議や、負債に対する清算計画が明確であることが重要です。

4 「実質的な事業継続」とみなされるリスク

・旧会社の業務が新会社で継続されると、裁判所や債権者から「実質的に同じ事業を別の会社で行っている」と見なされる場合があります。この場合、旧会社の債務を回避しようとする意図があると判断され、法的責任が新会社にも及ぶ可能性があります。例えば、新会社が旧会社の顧客や従業員、資産をそのまま引き継ぐ場合、このリスクが高まります。

5 税務上の問題

・新会社に事業を譲渡する場合、税務上の評価額に基づいて譲渡が適正に行われているかが重要です。不当に低い価格で譲渡が行われると、税務当局から調査を受けるリスクが高まります。また、事業譲渡に伴う消費税や譲渡所得税などの税務面の処理も適切に行う必要があります。

6 新会社の信用リスク

・新設会社に事業を譲渡した後、取引先や金融機関からの信用を維持できるかが課題となります。特に、旧会社の倒産が関係者に知られると、取引先や従業員の信頼が低下し、新会社との取引が難しくなる場合があります。このため、事業譲渡の際には、事業の継続性や新会社の経営計画について十分に説明する必要があります。

7 旧会社の清算計画と法的整理

・旧会社が倒産手続きを進める際、清算手続きや破産手続きが適切に進行することが重要です。旧会社の役員が新会社の役員に就任している場合、旧会社の清算手続きが適切に行われないと、新会社への影響が出る可能性があります。また、債権者が旧会社の清算を不満に思い、法的に異議を申し立てることもあり得ます。

実行時のポイント

・譲渡価格の適正性を確保:

新会社への事業譲渡に際して、専門家の評価を受け、適正価格で譲渡することが重要です。これにより、詐害行為や税務上の問題を回避できます。

・透明性を確保する:

旧会社と新会社の関係や、譲渡の目的、譲渡後の事業計画を明確にし、ステークホルダーに説明することで、リスクを軽減します。

事前に債権者と協議:

債権者との事前協議を行い、譲渡後の負債処理や倒産手続きに関して合意を得ることが、法的リスクを低減する上で重要です。

以上の点を踏まえ、事業譲渡の手続きや新会社の設立は、慎重に法的および税務的アドバイスを受けながら進める必要があります。

 

事業再生には様々な手法があります。対象会社の財務状況、事業内容、取り巻く環境等により、対応すべき内容が異なります。まずは現在の状況を把握することが重要です。

現状の把握が人的な面や時間的な面で実施できない場合は、「3期分の決算書」「借入一覧」「事業内容の資料」をご提供頂ければご相談に応じることは可能です。

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