強い会社をつくる(7)新しい市場に挑戦する経営 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

強い会社をつくる(7)新しい市場に挑戦する経営

第二の柱を育てる会社が生き残る

今の事業が10年後も続くとは限らない

前回は、「売上を伸ばし続ける会社の営業戦略」をテーマに、既存顧客との関係を深め、リピートや紹介を増やすことで、継続的に売上を生み出す仕組みについてご紹介しました。

前回の記事(6)はこちら

既存顧客を大切にし、現在の事業を強くすることは、企業経営の基本です。

しかし、ここで経営者の皆様に考えていただきたいことがあります。

「現在の主力事業は、5年後、10年後も今と同じように利益を生み続けられるでしょうか」

中小企業の中には、特定の商品、特定の取引先、あるいは特定の業界に売上の大部分を依存している会社が少なくありません。

現在は順調であっても、主要取引先の方針変更、技術革新、海外製品との競争、消費者ニーズの変化などによって、事業環境が大きく変わる可能性があります。

一つの事業に依存している会社ほど、こうした変化の影響を強く受けます。

だからこそ、経営が安定しているうちに、次の成長を担う「第二の柱」を育てることが重要です。

「強い会社をつくる経営シリーズ」第7回では、新規事業、新商品、新市場、海外展開、そして補助金活用を通じて、中小企業が持続的に成長するための考え方をご紹介します。

一つの事業に依存する経営の危険性

当社では、経営改善や事業再生の支援を行っています。

その中で見られる経営課題の一つが、特定の事業や取引先への過度な依存です。

例えば、売上の70%を一社の取引先に依存している製造業を考えてみましょう。

その取引先の業績が悪化したり、生産拠点が海外へ移転したりすれば、自社の売上は一気に減少する可能性があります。

また、長年販売してきた商品が技術革新によって使われなくなることもあります。

こうした変化が起きてから新しい事業を探しても、成果が出るまでには時間がかかります。

新しい商品を開発し、顧客を開拓し、利益を生み出すまでには、数年かかることも珍しくありません。

そのため、新規事業は、現在の事業が悪くなってからではなく、順調なうちに準備することが重要なのです。

ただし、第二の柱をつくることは、単に事業数を増やすことではありません。

経営資源を分散しすぎれば、既存事業まで弱くなる危険性があります。

自社の強みを生かし、無理のない範囲で新たな収益源を育てることが基本になります。

新規事業は「自社の強み」から考える

新規事業というと、これまで経験のない分野へ進出することをイメージするかもしれません。

しかし、中小企業の場合、まったく未知の分野に挑戦することは、資金面でも人材面でも大きなリスクを伴います。

そこで、まず考えたいのが「自社の強みを生かした新規事業」です。

例えば、金属加工会社であれば、現在保有している加工技術を生かして、これまで取引のなかった医療機器分野や半導体関連分野への参入を検討することができます。

建設会社であれば、従来の新築工事に加えて、建物の維持管理や省エネルギー改修などの事業を展開することも考えられます。

食品製造会社であれば、業務用商品の製造で培った技術を活用し、一般消費者向けの商品を開発する方法もあります。

大切なのは、

・自社にはどのような技術やノウハウがあるのか
・既存顧客は何に困っているのか
・自社の強みを必要としている別の市場はないか
・今ある設備や人材を活用できないか

という視点で検討することです。

新規事業の成功確率を高めるには、「自社ができること」と「市場が求めていること」が重なる領域を探すことが重要です。

新商品開発は顧客の課題から始める

新商品開発も、第二の柱を育てる有効な方法です。

ただし、注意したいのは「良い商品をつくれば売れる」という考え方です。

中小企業の中には、高い技術力を持ちながら、新商品が売れずに苦労している会社もあります。

その原因の一つが、顧客のニーズを十分に確認しないまま開発を進めてしまうことです。

新商品開発では、まず顧客の困りごとを把握することが大切です。

「今の商品では何が不便なのか」
「どのような機能があれば助かるのか」
「その問題を解決するために、いくら支払ってもらえるのか」

こうした点を確認し、小規模な試作品や試験販売から始めることが望まれます。

特に中小企業では、多額の開発費を一度に投入するのではなく、小さく試し、顧客の反応を確認しながら改善する方法が適しています。

また、新商品を開発するだけでなく、既存商品の用途を変える、販売方法を変える、サービスを組み合わせることでも、新たな価値を生み出せます。

商品そのものを変えることだけが、新商品開発ではないのです。

 

新商品開発は顧客の課題から始める

新商品開発も、第二の柱を育てる有効な方法です。

ただし、注意したいのは「良い商品をつくれば売れる」という考え方です。

中小企業の中には、高い技術力を持ちながら、新商品が売れずに苦労している会社もあります。

その原因の一つが、顧客のニーズを十分に確認しないまま開発を進めてしまうことです。

新商品開発では、まず顧客の困りごとを把握することが大切です。

「今の商品では何が不便なのか」
「どのような機能があれば助かるのか」
「その問題を解決するために、いくら支払ってもらえるのか」

こうした点を確認し、小規模な試作品や試験販売から始めることが望まれます。

特に中小企業では、多額の開発費を一度に投入するのではなく、小さく試し、顧客の反応を確認しながら改善する方法が適しています。

また、新商品を開発するだけでなく、既存商品の用途を変える、販売方法を変える、サービスを組み合わせることでも、新たな価値を生み出せます。

商品そのものを変えることだけが、新商品開発ではないのです。

海外展開は中小企業にも可能性がある

国内市場では、人口減少によって需要の縮小が懸念される分野があります。

一方、海外には人口増加や経済成長が続く市場もあります。

特にアジア地域には、日本企業の技術、品質、サービスを評価する市場が存在します。

中小企業にとっても、海外展開は成長の選択肢の一つです。

ただし、海外展開は、必ずしも現地法人を設立したり、工場を建設したりすることから始める必要はありません。

例えば、

・海外企業への輸出
・現地販売代理店との提携
・越境ECによる販売
・海外企業との技術提携
・海外企業からの受託製造

など、比較的小さな規模から取り組む方法もあります。

一方で、海外取引には為替変動、代金回収、契約条件、現地法規制、知的財産など、国内取引とは異なるリスクがあります。

また、国によって商習慣や商談の進め方も異なります。

海外展開では、現地市場の調査と信頼できるパートナーの確保が重要です。

最初から大きな投資をするのではなく、小規模な取引から始め、経験を積み重ねることが中小企業には適しています。

越境ECとは、インターネットを通じて海外の消費者や企業に商品を販売する仕組みです。自社サイトや海外の通販サイトを活用することで、現地に店舗や販売拠点を設けずに海外市場へ進出できます。中小企業にとっても、比較的少ない初期投資で海外販路を開拓できる方法ですが、物流、関税、決済、現地の法規制などへの対応が必要です。

補助金は新規事業を後押しする手段

新規事業や新商品開発に取り組む際、資金面が課題になることがあります。

そこで検討したいのが、国や自治体の補助金制度です。

設備投資、新商品開発、販路開拓、DXなどについては、事業内容や公募時期によって活用できる支援制度があります。

例えば、ものづくり補助金などの設備投資・新製品開発を支援する制度や、新事業への進出を支援する制度などが選択肢になります。

ただし、補助金を活用する際には注意が必要です。

「補助金があるから新規事業を始める」という考え方は避けるべきです。

本来は、企業として取り組むべき事業があり、その実現を後押しするために補助金を活用するという順序です。

また、補助金は申請すれば必ず採択されるものではありません。

対象経費や申請要件、補助率、事業実施期間なども制度ごとに異なります。

多くの制度では、対象経費を先に支払い、実績報告などを経て補助金が交付されるため、自己資金や金融機関からの資金調達も必要になります。

補助金の採択を事業の成功と考えるのではなく、補助金を活用して、将来どのように利益を生み出すかを考えることが重要です。

第二の柱を育てるための事業計画

新規事業に挑戦する際、経営者の熱意は大切です。

しかし、熱意だけで事業を成功させることはできません。

必要なのは、具体的な事業計画です。

最低限、次の項目を整理することをお勧めします。

1 事業の目的:なぜ新しい事業に取り組むのか
2 市場と顧客:誰に、何を提供するのか
3 自社の強み:なぜ自社が選ばれるのか
4 収益計画:売上、利益、必要な投資はいくらか
5 資金計画:資金をどのように調達するのか
6 実行体制:誰が責任者となり、どのように進めるのか
7 撤退基準:どのような状況になれば見直しや撤退を判断するのか

特に重要なのが、資金計画と撤退基準です。

新規事業は、計画どおりに進まないこともあります。その際、既存事業の資金繰りまで悪化させてしまっては、本末転倒です。新規事業に投入する資金や人材の上限を決め、一定期間ごとに進捗を確認する仕組みが必要です。

また、既存事業の責任者とは別に、新規事業の責任者を明確にすることも重要です。

社長一人がすべてを抱えるのではなく、第5回でご紹介した人材育成や権限委譲とも結び付けながら、新しい事業を育てていくことが望まれます。

第二の柱は「小さく始めて、大きく育てる」

中小企業が新規事業に取り組む際、最初から大きな成果を求める必要はありません。

例えば、現在の主力事業が年間売上3億円の会社であれば、新規事業で最初から1億円の売上を目指すのではなく、まずは数百万円規模の取引を確立し、その後、徐々に事業を拡大する方法もあります。

重要なのは、新規事業が将来の利益を生み出す可能性を持っているかどうかです。

既存事業で安定した利益を確保し、その一部を新しい事業に投資する。

新規事業が成長すれば、会社全体の収益基盤が強くなり、特定の事業への依存度も下がります。

この循環をつくることが、強い会社づくりにつながります。

~現在の利益で、未来の事業を育てる~

企業を取り巻く環境は、常に変化しています。

現在の主力商品や主要取引先が、10年後も同じように利益を生み出してくれるとは限りません。

だからこそ、経営が安定しているうちに、新しい市場や事業への挑戦を始めることが重要です。

ただし、新規事業は無理に拡大するものではありません。

自社の強みを生かし、市場のニーズを確認し、小さく始めて育てていく。

その過程で必要に応じて補助金や金融機関の支援を活用する。

そして、既存事業の財務基盤を守りながら、将来の収益源を増やしていく。

「今の事業で利益を生み、その利益で次の事業を育てる」

この考え方こそが、持続的に成長する中小企業に必要な経営戦略ではないでしょうか。

~事業パートナー九州からのご提案~

会社が強くなれば、事業再生は不要になります。

私たち株式会社事業パートナー九州は、経営改善や事業再生の支援だけではなく、「そもそも経営危機に陥らない会社づくり」を目指したご支援を行っています。

新規事業への挑戦についても、単に新しい商品や市場を提案するだけではなく、現在の事業の収益性、財務状況、経営資源を分析し、実現可能な成長戦略を考えることが重要です。

当社では、事業計画の策定、新規事業の検討、資金調達、補助金活用、経営改善などを通じて、中小企業の持続的な成長を支援しています。

これまでのシリーズで取り上げてきた資金繰り、利益改善、財務体質の強化、人材育成、営業戦略は、すべて新たな事業に挑戦するための経営基盤です。

現在の事業を強くしながら、未来の収益を生み出す第二の柱を育てる。

その積み重ねが、10年後も選ばれる「強い会社」につながると私たちは考えています。

次回は、「AI・DXで利益を生み出す会社へ ― 中小企業でも始められる経営改革 」をテーマに、AIやデジタル技術を活用した生産性向上と利益改善について考えていきます。


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「強い会社をつくる」バックナンバー

(1)「資金繰りが会社の命を守る」はこちら

(2)「利益が残る会社のつくり方」はこちら

(3)「財務体質を強くする経営」はこちら

(4)「人が辞めない会社の共通点」はこちら

(5)「社員が育つ会社の共通点」はこちら

(6)「売上を伸ばし続ける会社の営業戦略」はこちら

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