小規模事業者の振興・15の重点施策
現在、中小企業庁では、2014年(平成26年)に定めた「小規模企業振興基本法」に基づき、5年毎に、「基本計画」を立案しています。昨年から審議会で議論が進められ、ある程度の方向性が示されています。その中の「15の重点施策」を紹介します。これらの施策から、今後5年間の中小企業庁の小規模企業に対する支援活動が読み取れると思います。
これまでの5年間は、「コロナ禍」「ウクライナ情勢等による原油・原材料価格の高騰」「自然災害の頻発化・甚大化」など、小規模事業者にとって事業活動に大きな変化がありました。
現在これらの悪影響を脱し、日本経済は、「設備投資の増加」「高い賃上げ」等、大きく変化するチャンスを迎えていると分析しています。今後の5年間は、「潮目の変化」と捉え、長年続いたデフレ構造から新しい経済ステージへ移行できるか否かの正念場と位置付けています。
ただし、2025年4月に入り、アメリカのトランプ政権の関税に関する施策が世界経済に大きな影響を与え、日本の企業も規模によらず影響を受ける可能性があり、中小零細企業の中には事業継続に影響する可能性があります。
なお、審議会の報告は、小規模事業者の支援機関として、主に商工会・商工会議所を設定しています。当社のような民間の支援機関向けにはなっていませんが、取り組む内容についての方向性は同じと考えています。
審議会の報告は、4つの目標に関して重点施策が設定されています。
(目標1)需要を見据えた経営力の向上
重点施策1 経営者のリテラシー向上
*リテラシー:経営戦略・会計・知的財産等
重点施策2 経営計画の策定
(1)経営発達計画
(2)事業継続力強化計画
(3)経営革新計画
なお、これらの計画策定企業には、融資や税金の面の優遇先が活用できる可能性があります。
重点施策3 需要開拓・新事業展開
商工会・商工会議所が「経営発達支援計画」に基づいて、次の支援を行います。
・商談会・展示会・販売会等への出展支援
・ECサイトを通じた販売開拓等の支援
・新商品開発支援
・製品・商品・サービスの付加価値向上支援
・知的財産の保護・活用に関するセミナー開催・相談対応等
重点施策4 取引適正化対策
原材料価格等のコスト上昇分の適切な価格転嫁をはじめ、小規模事業者の取引環境の改善を図ります。
毎年、3月と9月を「価格交渉推進月間」と設定して、各種の施策を実施して、取引適正化に取り組みます。
各重点項目に関する当社の取り組み
(1)各種計画策定の支援
当社では、「経営改善・事業再生」の中で培った「事業計画の策定」のスキルを使って、各種の計画策定を支援します。
案件によっては、補助金を活用して「早期経営改善計画」の策定にも取り組みます。
*事業再生についても紹介しています
(2)各種の経営課題に関する支援
小規模事業者の経営者の方は、実施している事業に関しては習熟されていますが、経営に関して、
・事業計画の策定
・市場の動向・競合先分析
・マーケティング
・オペレーション
・人事・労務 など
についての取り組みは不十分かと思います。
当社は、まず「現状を把握」して、課題抽出、その課題の対策立案、実施の支援を行います。
(目標2)経営資源の有効活用、人材の育成・確保
重点施策5 起業・創業
起業・創業を増やすために次の施策を実施する。
・創業計画の策定支援
・起業・創業に関するセミナー開催・相談対応等の実施
・日本政策金融公庫による低利融資等の支援
重点施策6 事業承継・円滑な廃業・再チャレンジ
・事業承継計画の策定支援
・事業承継等に関するセミナー開催・相談対応
・事業承継・引継ぎセンター、中小企業活性化協議会、よろず支援機関の連携の深化
重点施策7 多発する大規模災害等への対応
・大規模災害発生時にすみやかな現状調査と相談窓口の設置
・災害復旧貸付の実施、小規模企業共済災害貸付の適用などの初動体制整備
重点施策8 事業継続力の強化
「事業継続力強化計画」の策定・運用の支援
重点施策9 人手不足対応、人材の育成・確保
・人材育成のための資格取得・スキルアップ等の支援
・人材確保のための雇用支援 など
各重点項目に関する当社の取り組み
(1)M&A支援
当社は「売手」の立場に立った支援「M&Aセルサイドアドバイザー」事業を行っています。
M&Aでは、弱い立場である「売手」に寄り添った支援を行っています。
<M&Aセルサイドアドバイザーのミッション>
1 売手企業のオーナーの立場に立って、
2 適正な価格で
*きちんと企業概要書(IM)を作成し「譲渡金額」を算定
3 適正な報酬で
*レーマン料率×譲渡価格 ※最低価格設定もあり
4 適正な方法で
*(実績がある)M&Aの手順
5 事業を第三者に譲渡
することを支援するコンサルタント業務
(2)廃業支援
<当社が「廃業支援」に強い理由>
・廃業支援の実務から、手順を熟知しています
・経営改善、事業再生の経験から、銀行などへの対応を具体化できます
・遺言、相続、民事信託などの対応も可能です
・弁護士、税理士などとの連携体制ができています
何よりも、
・相談者の気持ちになってお話しを聴くことができます
*「廃業相談室」を開設、相談を随時受付中
(3)事業継続力の強化
これまで、「ものづくり補助金」の加点ポイントとして作成支援を行っていました。
現在は、自然災害以外にも、トランプ政権の「関税施策」などの社会的な影響に対しても事業が継続できる取り組みが必要です。今後は、利益を継続的に上げる施策についての支援も強化していきます。
(4)人手不足対応
関係機関と連携して、外国人材の活用を支援しています。
● アシスト国際事業協同組合
「技能実習の監理団体」、「特定技能の登録支援機関」として、現場の作業員の活用支援を行っています。
● 行政書士 北九州アシスト法務事務所
(目標3)地域経済の活性化、地域住民の生活向上・交流促進
重点施策10 地域経済の活性化
重点施策11 地域の生活・コミュニティの活性化
重点施策12 地域課題解決の推進
政府(中小企業庁)の方針
地域経済の活性化、地域住民の生活向上・交流を進めるための、商工会・商工会議所の取組に関して支援を講じます。
(目標4)支援体制の整備その他必要な措置
重点施策13 支援機関の体制・連携強化
重点施策14 国と地方公共団体との連携強化
重点施策15 手続の簡素化・施策情報の提供
政府(中小企業庁)の方針
上記の様々な支援を実施するために、国や地方の支援機構や団体の連携を進める施策を実施します。
また、インターネットを使った電子的な申請手続きの促進も進めます。