中小企業の業況判断DIは、3期連続して低下 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

中小企業の業況判断DIは、3期連続して低下

今回は、中小機構から公表されている「景況調査(2025年1月~3月期)」を示します。前回の調査結果では、中小企業の景気は少し悪くなっていましたが、今回も悪い結果になり、3期連続の悪化になっています。

悪化の要因としては、「原材料・資材費」の高騰と人手不足及び人件費の上昇が大きな影響を与えています。また、直近ではトランプ大統領の関税施策により、経済の先行きが不透明になっています。

2025年は好景気が訪れると予測していましたが、しばらくは様子見の状況が続きます。

中小企業景況調査結果

この調査では、直近、中小企業の経営者が現在の景気状況をどう感じているかを見ることができます。

中小機構 第178回 中小企業景況調査(2025年1月~3月期)の資料はこちら

今回は、全体の景況判断に加え、次の3点について、10年間の中小企業の景況感の推移を示します。

1 経常利益

2 原材料・商品の仕入れ価格

3 人手不足

全体の景況判断

中小企業全体の業況判断を示します。コロナ禍の初期は先行き不透明から大幅に業況判断は悪化しましたが、その後の政府の支援もあり回復基調で業種によってはコロナ禍以前の状況に回復しました。しかし、直近は3期連続でマイナス幅が拡大しており、中小企業の景況判断は悪化しています。

現在も後述の「原材料・商品の仕入高の高騰」「人手不足」が影響し、中小企業にとっては厳しい状況が続いており、コロナ借入の返済もあり、倒産企業が増えています。

経常利益の状況

中小企業の経常利益の状況(好転ー悪化)を示します。

直近は経常利益のDIは低下しています。この要因としては「原材料費・資材費」及び「人件費」の上昇により、利益が出にくい状況になっていると推察されます。

原材料・商品の仕入の状況

原材料・商品の仕入単価の推移(上昇ー低下)を示します。上になるほど、仕入単価が上がっていることになります。コロナ禍により下落しましたが、その後の半導体、木材等の調達難、更にウクライナ情勢・円安等による価格上昇が続いています。

最近1年間はプラス幅は縮小傾向ですが、いぜん上昇は続いており、各中小企業で継続的な対応が必要です。

人手不足の状況

コロナ禍による経済活動の停滞により、一時的に人員の過剰の時期がありましたが、その後の経済活動の活発化により、人手不足の状態に戻り、改善の兆候が見えません。

特に、建設業では、コロナ禍以前から人手不足が続いており、最近は更に悪化しています。建設業界では、IT技術を駆使した最新重機の活用などの生産性向上、省人化を行っていますが、この動きは中小零細企業にはまだ効果がでていないのが実状です。

 

 

人手不足に関しては次の投稿記事を参考にしてください。

人手不足倒産を回避:3つのチャレンジ

(1)「徹底した省力化」はこちら

(2)「徹底した育成」はこちら

(3)「徹底した多様化」はこちら

中小企業の経営状況は良くないと思われるが・・・

このように、データを見る限りでは、現在の中小企業の状況は全体的には良くない状況が続いていると思われます。

今回、典型的な3つの状況(資金調達、原材料等の調達コスト、人手不足)を示しましたが、各企業によって、当然、抱えている経営課題は異なります。

経営に行き詰まって、当社に相談に来られる企業や個人事業者の多くが、従来の事業(コロナ前)に固執し、外部環境(市場、お客様の要望など)の変化を感じず、調べることなく、成り行きで事業を進めている場合が多いです。

今一度、立ち止まって現状分析を行いましょう。財務面、事業面の現状を把握することにより、進むべき方向が見えてきます。

直近3年分の決算書と、借入一覧をご提示頂ければ、進むべき方向性をご検討させて頂きます。

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