イノベーションプロデューサー:新たな事業探索
新たな事業の探索
先日、当社がM&Aの売手を支援している案件について問合せがありました。
問合せ企業は、既存事業に加えて「新たな柱の事業」を検討しており、その調査の中で目に止まったとのことです。
このように、現在、多くの中小企業の多くが、既存事業が「成熟期」あるいは「衰退期」に入っているため、新たな事業の探索を行っていると思います。
新製品・新サービスの事業化の進め方
2023年(令和5年)6月に、中小企業庁から、「中小企業のイノベーションの在り方に関する有識者検討会の中間とりまとめ」が公表されています。
その中で、中小企業の新製品・新サービスの進め方に関して、参考になる図がありましたので紹介します。
この考えは、何度か紹介していますが、「自社の強み」を「顧客・市場のニーズ」に合わせて、ブラッシュアップをしていくことです。
SWOT分析では、「自社の強み」に「外部環境の機会」を適用することです。
簡単に実施できそうと思いますが、多くの企業が最初の
「自社のコア技術・ノウハウは何かを見極める」
ことができないでいるかと思います。
「自社の強み(コア技術・ノウハウ)」は内部では気付かないことがあり、外部から指摘されて認識することもあります。
イノベーションプロデューサー
中小企業庁の報告書では、上記の新製品・新サービスの事業化に関して、特に「自社の強み」と「顧客・市場のニーズ」のマッチングに、「イノベーションプロデューサー」の活用を提案しています。
イノベーションプロデューサーの能力
イノベーションプロデューサーに要求される能力として次の3点を提示しています。
構想力
幅広い市場調査を通じて、グローバルの動向や世界レベルでの最先端技術を俯瞰・分析し、「このような商品・サービスにすれば、こうした顧客に売れる」という事業化のビジョンを構想する。
誘引力
イノベーションのインパクトや期待される付加価値を資金提供者、技術者、企業それぞれに響くメッセージに翻訳して発信し、誘い込む。
推進力
多少の困難があっても事業化までやり遂げるよう中小企業を励まし、関係者を勇気づける。
上記は、ある程度規模の大きい企業を対象にしていると思いますが、成長・発展を検討している企業には、この機能を持ったイノベーションプロデューサーが必要と思います。
外部の力を活用
本来的には、経営者自らがイノベーション・プロデューサーとしての能力を持ち、求められる機能を遂行できることが望ましいと思います。
しかし、中小企業の経営者が広い視点を持って考えることは難しいのが現状です。そのためには、目的に応じて外部の力を活用することも選択肢としてあります。
外部の力としては、商工会議所、大学等の研究機関、各種のコンサルタントがありますので、目的に応じて相談してみたらいかがでしょうか。
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