事業再構築補助金・第12回公募・2024年7月26日締切り
まえがき
2024年4月23日から、事業再構築補助金の第12回の公募が開始されています。締切りは7月26日(金)です。
事業再構築補助金は、政府内の事業見直しの影響で、第11回の採択発表後、しばらくペンディング状況が続いていました。
今回、かなり内容を変更して、公募が再開されました。事業再構築補助金は、今回が最後の公募になる可能性がありますので、新規事業を検討の方はご検討下さい。
ただし、今回(第12回)は、前回までと比べ、応募できる要件が変更になっていますので、従来は該当しても今回は該当しない案件があると思いますので、まずは、当社にご相談下さい。
この「事業再構築補助金」は、コロナ禍の影響を受けて、従来事業では経営が成り立たないので、思い切った「新規事業」を行うことを支援する形でスタートしました。
コロナ禍が落ち着きを見せ始めましたので、今後は、「成長が期待できる事業」を支援する形に変わっています。このため、これまで必須の条件だった「コロナ禍による売上減少要件」はなくなっています。
ただし、「コロナ回復加速化枠」では、コロナ禍や物価高騰によって経営が厳しくなっている企業を支援する要素は残っています。
「事業再構築補助金」をご検討されている企業、個人事業者の方は、お問い合せ下さい。計画している事業内容が、補助金の対象になるかを検討し判断します。
第1回~第11回で、支援させて頂いた業種を示します。これまで様々な業種から支援依頼を受けていますが、今回は対象外になる業種・案件もあります。
・製造業(鉄鋼加工、電子機器、食品)
・建設業(住宅建設、土木)
・ソフトウェア開発、システム開発業
・美容業・エステ業、整骨院
・広告代理店業(広告、イベント、映像制作)
・卸・小売業
・飲食業 *第11回:ミュージックバー採択
・観光・宿泊業
第12回の補助対象事業
主な注意点
公募要領から読み取った注意点(注目点)を示します。
今回の公募は複雑です。まずは当社にご相談下さい。応募できるかをまず検討します。
申請が可能な事業者
1 成長分野に登録されている業種であること
*事務局から「成長分野」が示されています。これに入っている業種の取組みであれば申請が可能です。
2 GX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む事業
3 コロナの影響を受けている事業者合
次のいずれかであれば可能
(1)コロナ借換保証等を利用している事業者
(2)再生事業者(中小企業活性化協議会等の利用)
*売上が減少している要件では申請ができなくなっています
手続き上の注意点
1 補助金事業で金融機関から借入を予定する場合
申請の段階で、金融機関からの「確認書」が必要です。
確認書を受領するには事業計画書を提出して金融期間内の決裁を受ける必要があり、そのため事業計画書を早めに作成する必要があります。
2 事業計画書の策定
1ページ目に「新規性」「対象市場」等を記載します。
この記載内容が「事業再構築の定義に合致するか(要件を満たすか)」が審査され、合致しないと判断されると不採択になります。
*最初の1ページの記載が重要になります。
また、2ページ以降の記載内容についても示されています。
3 口頭審査の導入
今回から書類審査に加えて口頭審査が導入されます。
公募要領では、「一定の審査基準を満たした事業者の中から必要に応じて行います。」となっています。
書類審査をクリアーして、補助金額が高い事業者が対象になるかと思います。
口頭審査は、代表者等(役員等も含む)が1人で対応します(コンサルタントや他の社内の補助者は同席付加)。
4 加点項目の取得
パートナーシップ構築宣言
*登録に時間がかかっていますので早めに宣言の手続きを行って下さい。
5 事前着手制度の廃止
これまで認められていた事前着手は今回は認められません。
各類型の概要と補助金額
中小企業では、主に4事業類型(A)~(D)が対象になると思います。
事業類型(A)成長分野進出枠(通常類型)
概要
ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者や、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者が取り組む事業再構築を支援。
補助金額 *企業の規模で最大額が異なる
【従業員数 20人以下】 100万円~1,500万円(2,000万円)
【従業員数 21~50人】 100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数 51~100人】 100万円~4,000万円(5,000万円)
【従業員数 101人以上】 100万円~6,000万円(7,000万円)
( )内は、短期に大規模な賃上げを行う場合
*廃業を伴う場合には、廃業費を
補助率
中小企業者等 1/2(2/3)
中堅企業等 1/3(1/2)
( )内は、短期に大規模な賃上げを行う場合
事業類型(B)成長分野進出枠(GX進出類型)
概要
ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者の事業再構築を支援。
(参考)グリーン成長戦略「重点14分野」
1 洋上風力・太陽光・地熱
2 水素・燃料アンモニア
3 次世代熱エネルギー
4 原子力
5 自動車・蓄電池
6 半導体・情報通信
7 船舶
8 物流・人流・土木インフラ
9 食料・農林水産業
10 航空機
11 カーボンリサイクル・マテリアル
12 住宅・建築物・次世代電力マネジメント
13 資源循環関連
14 ライフスタイル関連
補助金額 *分類、会社規模によって異なります
● 中小企業者等
【従業員数20人以下】 100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数21~50人】 100万円~5,000万円(6,000万円)
【従業員数51人~100人】100万円~7,000万円(8,000万円)
【従業員101人以上】 100万円~8,000万円(1億円)
● 中堅企業等 100万円~1億円(1.5億円)
( )内は短期に大規模な賃上げを行う場合
補助率
中小企業者等 1/2(2/3)
中堅企業等 1/3(1/2)
( )内は短期に大規模な賃上げを行う場合
事業類型(C)コロナ回復加速化枠
概要
今なおコロナの影響を受け、コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者や、事業再生に取り組む事業者の事業再構築を支援。
補助金額
【従業員数 5人以下】 100万円~1,000万円
【従業員数 6~20人】 100万円~1,500万円
【従業員数 21~50人】 100万円~2,000万円
【従業員数 51人以上】 100万円~3,000万円
補助率
中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2
事業類型(D)コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
概要
コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援。
補助金額
【従業員数 5人以下】 100万円~500万円
【従業員数 6~20人】 100万円~1,000万円
【従業員数 21人以上】 100万円~1,500万円
補助率
中小企業者等 3/4(一部2/3)
中堅企業等 2/3(一部1/2)
( )内は「コロナ借換要件(後述)」を満たさない場合
事業類型(E)サプライチェーン強靭化枠
本枠は、対象者が少ないと思われるので、ここでは省略します。
該当者がいらしたら、ご連絡下さい。
各類型の要件に注意
公募要領を読むと本公募(第12回)の要件はこれまでと異なる点が多く、対象になる事業者は絞られると思います。
各類型の共通の要件
事業再構築要件
次に示す類型の要件を満たす必要があります。
内容は公表されている指針を確認して下さい
・新市場進出(新分野展開、業態展開)
・事業転換
・事業再編
・国内回帰
・地域サプライチェーン維持・強靭化
認定支援機関要件
申請に当り、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。
金融機関要件
補助事業に関する経費を金融機関等から借入を行う場合は、金融機関の確認書が必要です。
確認書の入手に時間がかかりますので、早めに、金融機関に相談して下さい。
付加価値要件
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均3~4%増加(類型により数値が異なる)
事業類型(A)成長分野進出枠(通常類型)
次の(1)、(2)のどちらかを満たすこと。
(1)市場拡大要件+給与総額増加要件
・取り組む事業が、過去~今後のいずれかの10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
・事業終了後3~5年で給与支給額を年平均2%以上増加させること
(2)市場縮小要件
・現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、補助事業で別の事業を実施する場合等
事業類型(B)成長分野進出枠(GX進出類型)
給与総額増加要件
・事業終了後3~5年で給与支給額を年平均2%以上増加させること
GX進出要件
グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組であること。
*14分野は前述
この類型では、過去に事業再構築補助金の交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている場合も次の要件を満たせば応募することができます。
別事業要件
既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること。
能力評価要件
既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること。
事業類型(C)コロナ回復加速化枠
次のどちらかの要件を満たすこと
コロナ借換要件
コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること
再生要件
次のどちらかの再生事業者
(1)中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中
(2)中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3年以内
事業類型(D)コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
コロナ借換要件
コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること
*任意の要件、満たさない場合は補助率が引き下がる
最低賃金要件
2022年10月から2023年9月までの間で、3ヶ月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること。
2つの上乗せ措置
次の2つの上乗せ措置(F)(G)があります。
(F)卒業促進上乗せ措置
卒業要件
事業類型(A)~(D)の補助事業終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること。
(G)中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置
賃金引上要件
事業類型(A)~(D)の補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること。
従業員増員要件
事業類型(A)~(D)の補助事業終了後3~5年の間、従業員数を年平均成長率1.5%以上増員させること。
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