事業再生を紹介する際に士業に求められる視点
~顧問先を守り、信頼を深めるための専門家の判断基準~
士業が最初の“相談窓口”になる時代
資金繰りの悪化、赤字の累積、人材不足、売上の減少…。
中小企業を取り巻く環境は年々厳しさを増し、経営者は誰に相談していいか分からないまま問題を抱え込むことが少なくありません。
そんな中、最も相談を受けやすいのが、日常的に顧問関係にある 士業 の皆様です。
税理士であれば試算表を見ながら、社労士であれば人件費の高さから、司法書士や行政書士であれば社長の表情や言葉の端々から、「この会社は危ないかもしれない」と気づくことがあります。
しかし、事業再生は高度かつ複雑で、士業単独で全てを引き受けるのは現実的ではありません。
そこで重要になるのが、「専門家に紹介すべきタイミングと判断」 です。
本記事では、士業が顧問先の再生課題を見抜き、適切なタイミングで当社(株式会社事業パートナー九州)のような再生専門機関に紹介するための「6つの視点」をお伝えします。
視点(1)「財務の兆候」を早期に察知する
税理士・会計士に最初に求められる視点です。以下は再生案件で頻出する兆候です。
決算書の数字が示す危険信号
・毎期の赤字(営業赤字が2期以上続く)
・流動比率が極端に低い
・借入依存度が高い
・資金繰り表が作れない/作っていない
特に、「銀行返済のリスケ(条件変更)」を検討すべきかどうかは、専門家でないと判断が難しい分野です。
流動比率とは、企業が1年以内に支払う負債(流動負債)を、1年以内に現金化できる資産(流動資産)でどれだけ賄えるかを示す指標です。計算式は「流動資産 ÷ 流動負債 × 100」。一般的には100%以上が望ましいとされ、比率が低いほど短期支払い能力に不安があることを意味します。資金繰りの健全性を判断する重要な財務指標です。
「定性的な兆候」 も見逃せない
・社長の精神的疲弊
・会話の中でのネガティブ発言(“もう無理だ”など)
・従業員からの不満増加
・不採算部門の放置
数字に表れない危機こそ、早期再生の最大のチャンスです。
視点(2)「資金繰りの危機」は専門家連携のサイン
資金繰り悪化の相談は、士業にとって最も受けやすいテーマです。しかし、ここには“大きな落とし穴”があります。
士業だけで資金繰り改善は難しい
・銀行交渉
・リスケジュール
・再生計画の策定
・経営改善計画書(405)
・補助金と再生の同時活用
これらは高度かつ専門的であり、経験豊富な再生専門家の伴走が不可欠です。
士業がすべきことは、資金繰り悪化の「初期段階」で紹介する判断です。
視点(3)「放置すれば取り返しがつかなくなる領域」を理解する
事業再生には“時間”が必要です。
しかし、士業が相談を曖昧に扱ってしまうと、企業は破産や廃業という最終局面に追い込まれる場合があります。
再生の成否を左右するタイミング
・支払遅延が出る前
・借入返済を止める前
・税金滞納が発生する前
この段階で専門家に紹介できるかどうかで、再生成功率が大きく変わります。
視点(4)「士業の守備範囲」と「再生専門家の領域」を明確にする
士業が事業再生の全てを抱え込む必要はありません。むしろ、それが顧問先にとってマイナスになる場合もあります。
士業の本来の役割
・税務申告(税理士)
・決算書作成(税理士)
・労務管理(社会保険労務士)
・許認可(行政書士)
・法務相談(弁護士)
・登記関係(司法書士)
再生専門家の領域(当社の中心業務)
・銀行との調整(リスケ、返済計画)
・再生計画書の策定
・経営改善計画書(405)の作成
・不採算部門の分析・撤退支援
・スポンサー(買い手)探索
・経営者のメンタルケア
・再建スキームの選択(自主再生・第二会社方式など)
境界線を明確にすることで、士業は自分の専門性に集中し、顧問先にとっても最適なチーム体制が整います。
視点(5)「紹介は顧問先の信頼を失う行為ではない」という理解
士業が最も懸念するのが「紹介した相手に顧客を取られるのでは?」という不安です。
しかし、当社の支援は “紹介元の士業を中心にチームを組む形” です。
● 当社の連携方針
1 紹介元の士業を中心に案件を進める
2 税務・労務・法務などは紹介元の先生に依頼
3 情報共有を徹底し、顧問関係を守る
4 再生後の顧問契約もそのまま維持
むしろ、再生が成功すると「先生が専門家チームを組んでくれた」という顧客評価が高まり、信頼は強化されます。
視点(6)「紹介は士業のブランドを高める」という発想に転換する
「紹介=弱み」ではなく、「紹介=顧問先のために最善を尽くす強み」という考え方が必要です。
● 経営者が最も信頼する士業の特徴
・自分の専門外を無理に引き受けない
・最適な専門家を必ず紹介できる
・企業支援のネットワークを持っている
・経営全体を見て判断できる
・コーディネーターとしての力量がある
再生を専門家に紹介できる士業こそ、経営者から「本物のパートナー」と評価されます。
士業に求められる最後の視点:「早めに相談する勇気」
事業再生は“早く動いた企業ほど成功する”世界です。
士業が持つ専門性と観察力を発揮し、「あ、この会社は危ない」と感じた瞬間が、紹介の最適タイミングです。
当社は、構想段階・愚痴レベルの相談でも歓迎しています。
まとめ:士業こそ、事業再生の「最初のキーパーソン」
事業再生は、士業が最前線で情報を受け取るからこそ成立します。
士業が
・兆候を察知し
・紹介の判断を行い
・自らも専門分野で関与し
・顧客の信頼を高める
そのためのパートナーが、株式会社事業パートナー九州です。
顧問先の「救える未来」を一緒に創っていきましょう。