廃業(8)廃業後の生活と再スタート支援
廃業を決断することは、経営者にとって大きな勇気のいる選択です。
「もう続けられない」と感じながらも、従業員や取引先への責任を思い、ギリギリまで踏ん張る方は少なくありません。
しかし、廃業は「終わり」ではなく、「次の人生の始まり」でもあります。
現在、国や自治体では、廃業後の経営者を支援する制度や補助金が次々と整備されています。
また、再就職や再起業、地域での新しい活動に踏み出すための道も広がっています。
ここでは、「廃業後の生活を立て直す」「次のステージに進む」ための具体策を詳しく紹介します。
廃業後に直面する3つの不安
廃業を決めた経営者の多くが抱えるのは、次の3つの不安です。
1 生活面の不安:収入が途絶えることへの恐怖
2 心理的な不安:社会とのつながりを失う孤独感
3 将来の不安:再挑戦できるのかという自信の喪失
これらは、決して個人の問題ではありません。
経営者は長年「会社」という基盤の上で生きてきたため、その基盤を手放すことで大きな喪失感に直面します。
しかし、制度や支援を上手に活用すれば、廃業後も安心して再出発することができます。
廃業にかかる費用を支援する制度
1.中小企業活性化協議会の「廃業支援コーディネート」
中小企業庁が全国に設置する「中小企業活性化協議会」では、経営再建だけでなく廃業支援にも力を入れています。
廃業にかかる専門家費用(行政書士・税理士・社労士など)を一部補助する仕組みがあり、一定条件のもとで無料相談が可能です。
2.事業承継・引継ぎ支援センター
「廃業か継続か迷っている」経営者に対し、M&Aや事業譲渡の可能性を一緒に検討してくれる機関です。
廃業する前に相談すれば、「引き継いでくれる企業が見つかる」ことも珍しくありません。
この制度を活用すれば、「清算型廃業」から「継続型廃業」への転換が可能です。
3.自治体の廃業補助制度
自治体によっては、廃業時に発生する設備撤去・原状回復・在庫処分費用などを一部助成する「廃業費用補助金」や「中小企業再チャレンジ支援金」を設けています。
北九州市、福岡県、大阪府、愛知県などでは、専門家経費を補助する制度も整備されています。
補助率は2/3以内、上限30〜50万円が一般的です。
株式会社事業パートナー九州では、これらの制度を地域ごとに調査し、申請サポートを行っています。
廃業後の「生活支援制度」を知る
1.雇用・保険関係の支援
廃業後は、まず社会保険・雇用保険の切替が必要です。
会社員時代と異なり、個人として国民健康保険と国民年金に加入します。
また、従業員を雇用していた経営者も、「廃業理由」によっては雇用保険の特例給付を受けられる場合があります。
(例:法人の代表取締役が自ら解任し、被保険者資格を持っていた場合など)
さらに、ハローワークでは「再就職支援セミナー」や「再チャレンジ相談会」を開催しており、再就職を希望する経営者向けの求人紹介も行っています。
2.生活資金・住宅関連支援
一時的な生活資金が必要な場合は、自治体の「緊急小口資金」や「総合支援資金貸付」を利用できます。
また、住宅ローンを抱える場合でも、「住宅金融支援機構の返済条件変更制度」により一時的に返済を軽減できるケースがあります。
これらは無利子または低金利で利用できる制度です。
再チャレンジ支援制度 ― 再起業・再雇用を応援する仕組み
1.創業・再チャレンジ補助金
経済産業省が実施する「創業・再チャレンジ支援事業」では、廃業経験者が新たに創業する場合、
最大で200万円〜500万円の補助が受けられる制度があります。
廃業を経た経験があるからこそ、「次は成功させたい」と再挑戦する人が増えています。
2.信用保証協会の「再挑戦支援保証」
過去に廃業経験がある人でも、一定の条件を満たせば再度融資を受けられる制度です。
再チャレンジする経営者を支援するため、保証料率の引下げや保証枠の拡大が行われています。
特に福岡県信用保証協会などでは、中小企業再挑戦支援特別保証を積極的に活用しています。
3.地域金融機関の「再起業プログラム」
地方銀行や信用金庫の中には、「再スタート応援ローン」「経営者再挑戦支援ファンド」などを設けているところもあります。
廃業を経て再挑戦する人材を地域経済の貴重な戦力と捉え、資金・人脈・ノウハウを総合的にサポートしています。
廃業後の「キャリアの再構築」
経営者は、廃業後も多くの能力と人脈を持っています。
経営経験そのものが「最大のキャリア資産」です。
たとえば次のような道が考えられます。
・再就職:中小企業支援機関や商工団体、コンサル会社などで経営者経験者が求められるケース多数。
・顧問・アドバイザー業:業界知識や経営ノウハウを若手経営者に伝える立場。
・地域貢献・NPO活動:自社で培った経験を地域社会や若者支援に活かす。
・新規事業創出:これまでの失敗と学びをもとに、よりスリムな形で再起業する。
廃業を経験した経営者は、リスク感覚や経営の実務知識を兼ね備えています。
それは“失敗者”ではなく、“経験者”としての強みです。
廃業後の「キャリアの再構築」
経営者は、廃業後も多くの能力と人脈を持っています。
経営経験そのものが「最大のキャリア資産」です。
たとえば次のような道が考えられます。
・再就職:中小企業支援機関や商工団体、コンサル会社などで経営者経験者が求められるケース多数。
・顧問・アドバイザー業:業界知識や経営ノウハウを若手経営者に伝える立場。
・地域貢献・NPO活動:自社で培った経験を地域社会や若者支援に活かす。
・新規事業創出:これまでの失敗と学びをもとに、よりスリムな形で再起業する。
廃業を経験した経営者は、リスク感覚や経営の実務知識を兼ね備えています。
それは「失敗者」ではなく、「経験者」としての強みです。
家族・地域とのつながりを再構築する
廃業後は、経営者としての日常が一変します。
しかし、ここで孤立してしまうと、精神的にも再起が難しくなります。
家族としっかり対話し、「これからの生活設計」を共有することが第一歩です。
特に配偶者や子ども世代には、「どこまで会社関係の整理を進めたか」を明示しておくことが重要です。
また、地域コミュニティや異業種交流会への参加を通じて、新たな人間関係を築くことも再スタートにつながります。
株式会社事業パートナー九州の再スタート支援
当社は、単に廃業を手続きとして終わらせるのではなく、「その後の生活・挑戦」を見据えた総合的支援を行っています。
主な支援内容は以下の通りです:
| 支援分野 | 内容 |
|---|---|
| 廃業手続き支援 | 解散・清算・届出・債務整理・許認可返納 |
| 補助金・助成金支援 | 廃業費用補助・再チャレンジ補助金の申請支援 |
| 再就職・再挑戦支援 | 事業計画策定、創業支援、M&A参画支援 |
| 生活設計相談 | 年金・保険・金融資産の整理、ライフプラン設計 |
| 地域連携 | 地方自治体・商工会議所・信用金庫との協働 |
「廃業したあと、どう生きるか」こそが経営者にとっての本当の課題です。
当社は、終わりを“はじまり”に変えるための伴走者として、経営者一人ひとりの再スタートを支えます。
まとめ ― 廃業は「再出発の準備期間」
・廃業後には、生活支援・再挑戦支援の制度が多数存在する。
・補助金・融資・保証制度を活用すれば、負担を最小限にできる。
・廃業は「人生のリセット」ではなく「再設計」のチャンス。
・経営者の経験・人脈・信頼は、次の挑戦の資源となる。
・一人で抱えず、専門家・地域・家族とつながることで前を向ける
「会社は終わっても、経営者の人生は終わらない」
株式会社事業パートナー九州は、経営者の「最後の決断」と「新しい出発」の両方を支援するパートナーです。
廃業後の生活を整え、再び歩み出す勇気を共に育てましょう。
<廃業のバックナンバー>