(当社の取組・第2回)経営改善と事業再生は何が違うのか
~判断を誤らないために、言葉の意味を整理する~
前回(第1回)では、期初にあたり当社の事業内容を再整理し、「なぜ今、当社の事業内容を再整理するのかというタイトルで、「出口戦略」という視点で中小企業経営を支援していくという考え方をご紹介しました。
その中で触れたのが、経営改善、事業再生、M&A、廃業といったテーマが、実務の現場では分断されて語られがちであり、その結果、経営者が全体像を把握できないまま判断を迫られている、という問題です。
今回は、その中でも特に混同されやすい、「経営改善」と「事業再生」という二つの言葉について、意味と役割を整理したいと思います。
この違いを正しく理解することは、経営者だけでなく、中小企業の経営支援を行う専門家にとっても、判断を誤らないための重要な前提となります。
<当社の事業概要(再掲)>
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電話は、「093-873-9120」へ。
*不在の場合は携帯電話「080-6423-4793」に転送されます。
つながらない場合は、お手数をおかけしますが、留守電に入れて下さい。
なぜ「経営改善」と「事業再生」は混同されるのか
実務の現場では、業績が悪化した企業に対して、
・「まずは経営改善をしましょう」
・「事業再生が必要な段階ですね」
といった言葉が、明確な区別なく使われることが少なくありません。
その背景には、どちらも「会社を立て直す」という印象を持つ言葉であること、また、支援する側の立場によって使い方が異なることがあります。
しかし、この二つは本来、目的も、前提条件も、向き合うべき課題も異なる概念です。
この違いを曖昧にしたまま支援を進めると、
・本来は抜本的な判断が必要な局面で、改善を引き延ばしてしまう
・逆に、まだ改善余地がある段階で、過度に悲観的な判断をしてしまう
といった問題が生じやすくなります。
経営改善とは何か
「立て直し」を目的とした取り組み
経営改善とは、
業績悪化や収益性低下、資金繰りの不安といった課題に対し、事業内容や業務運営を見直すことで、通常の経営状態に立て直すことを目的とした取り組みです。
具体的には、
・売上構造の見直し
・コスト削減や業務効率化
・価格戦略の再設計
・管理体制の強化
などを通じて、黒字化や資金繰りの安定を目指します。
重要なのは、経営改善は原則として、
・既存の経営体制を前提とし
・金融機関との取引関係を大きく変えず
・経営者の主体的な意思と実行力によって
改善が期待できる段階で行われる、という点です。
つまり、経営改善は、「会社を続ける」ことを前提とした立て直しであり、ゴールは「通常の経営状態への回復」にあります。
事業再生とは何か
「再構築」と「判断」を含むプロセス
一方で、事業再生は、経営改善だけでは立て直しが困難な段階で検討される取り組みです。
具体的には、
・債務超過や返済困難
・継続的な赤字
・資金繰りの行き詰まり
・事業構造そのものの問題
といった状況に直面している企業が対象となります。
事業再生では、
・財務と事業の両面からの再構築
・金融機関との調整や条件変更
・事業の選択と集中
・経営体制の再設計
など、抜本的な見直しが必要になります。
そして、ここで重要なのは、事業再生は単に「存続」を目的とするものではなく、
「会社をどう存続させるか、あるいはどう終わらせるか」まで含めて考えるプロセスである、という点です。
事業再生は、すでに「出口」が視野に入った段階で行われる判断のフェーズでもあります。
経営改善・事業再生・出口戦略の関係
当社では、これらを次のように整理しています。
・経営改善:通常経営に戻すための「立て直し」のフェーズ
・事業再生:存続も含めて抜本的に再構築するフェーズ
・出口戦略: 再生の結果として選択される最終的な経営判断
経営改善がうまく進めば、そのまま事業を継続するという結論になります。
一方で、改善を試みた結果、構造的な限界が見えた場合には、事業再生の枠組みで、M&Aや廃業といった選択肢も含めて検討することになります。
重要なのは、事業再生や出口戦略は「失敗の結果」ではないという点です。
それは、状況を正しく見極めた上での、合理的な経営判断です。
事業パートナー九州がこの違いを重視する理由
当社が「経営改善」と「事業再生」の違いを明確にするのは、経営者に特定の結論を押し付けるためではありません。
むしろ、
・今、自社はどのフェーズにいるのか
・改善を続けるべき段階なのか
・抜本的な再構築と判断整理が必要なのか
を、冷静に整理できる状態をつくることを重視しています。
この整理ができていないままでは、どれだけ立派な計画や制度があっても、経営者は納得して前に進むことができません。
次回につながる視点
判断をどうやって整理するのか
ここまで、経営改善と事業再生の違いについて整理してきました。
しかし、実際の経営現場では、「違いは分かったが、では自社はどう判断すればいいのか」という疑問が残ります。
そこで次回(第3回)では、当社がその判断を支援するために提供している「出口戦略診断」について、具体的にご紹介します。
再生・M&A・廃業という選択肢を、どのように整理し、比較し、判断につなげていくのか。
そのプロセスを、実務の視点からお伝えする予定です。
経営改善と事業再生の違いを理解することは、経営者にとっても、支援する側にとっても、判断の精度を高める第一歩です。
次回は、その判断を「仕組み」としてどう支えるのかを、より具体的にお話ししていきます。
電話は、「093-873-9120」へ。
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