赤字・債務超過でもあきらめない 「再生型M&A」
「赤字だから売れない」「債務超過ではM&Aは無理だろう」
経営者の方から、こうした言葉を聞くことは少なくありません。
確かに、業績が悪化している会社のM&Aは簡単ではありません。
しかし一方で、近年は「再生型M&A」という考え方のもと、
赤字企業や債務超過企業であっても、条件次第で事業を次につなぐM&Aが注目されています。
本記事では、
・なぜ経営状況が悪い会社のM&Aが難しいのか
・それでもM&Aを成立させるために何が必要なのか
・再生型M&Aとは何か
・当社がどのような支援を行っているのか
について、実務の視点から解説します。
経営状況が悪い会社のM&Aが難しい理由
(1)買手にとって「リスク」が見えやすい
M&Aにおいて買手が最も重視するのは、将来の利益とリスクのバランスです。
赤字企業の場合、次のような点が大きな不安要素となります。
・直近数期の赤字が続いている
・債務超過により財務基盤が弱い
・借入金の返済原資が見えない
・資金繰りが不安定
これらは、将来の追加投資や損失負担につながる可能性があるため、買手としては慎重にならざるを得ません。
(2)「悪い理由」が整理されていない会社が多い
業績が悪い会社ほど、「なぜ赤字なのか」「何を変えれば改善するのか」が言語化・整理されていないケースが多く見られます。
・売上が落ちた原因が不明確
・不採算事業がそのまま残っている
・コスト構造を誰も把握していない
この状態では、買手は改善の絵が描けず、判断できないのです。
(3)特にM&Aが難しい状況とは
中でも、次のようなケースは難易度が高いといえます。
・事業の方向性が定まっていない
・主力顧客・キーパーソンが属人化している
・不採算部門が整理されていない
・過剰債務により金融機関との関係が悪化している
しかし、重要なのは、 「難しい=不可能」ではない という点です。
どうしたらM&Aで売却できるのか
ポイントは「売却ありき」で動かないこと
業績が悪い会社がいきなり「会社を売りたい」「買手を探してほしい」と動いても、うまくいかないケースがほとんどです。
重要なのは、「売れる会社の状態に近づける」ための準備です。
見直すべき主なポイント
・事業別の収益構造の整理
・赤字部門・非効率部門の切り分け
・固定費・人件費構造の見直し
・経営者依存の業務の整理
・将来の改善シナリオの作成
これらを行うことで、「今は赤字だが、手を打てば回復可能な会社」という評価に変わります。
再生型M&Aとは何か
再生型M&Aの基本的な考え方
再生型M&Aとは、
・「現時点の業績」ではなく
・「再生後の可能性」に価値を見出して行うM&A
です。
一般的なM&Aが
・現在の利益
・安定したキャッシュフロー
を重視するのに対し、再生型M&Aでは、
・改善余地
・技術・ノウハウ
・顧客基盤
・人材
・地域での役割
といった潜在価値に焦点を当てます。
再生型M&Aの主な進め方
1 現状分析(財務・事業・組織)
2 課題の明確化
3 再生シナリオの策定
4 改善施策の実行
5 「売れる状態」に近づける
6 再生を前提とした買手探索
7 条件交渉・M&A実行
つまり、「再生」と「M&A」を一体で考えるのが再生型M&Aの特徴です。
当社で対応できること
業績が悪い会社と正面から向き合う
株式会社事業パートナー九州では、
「M&Aありき」ではなく、「経営者にとって最善の出口は何か」という視点で支援を行っています。
その結果、
・再生型M&Aが最適なケース
・事業譲渡や会社分割が適しているケース
・M&Aではなく、廃業の方が合理的なケース
のいずれに該当するのかを、冷静に見極めます。
当社の支援ステップ
(1)現状分析・課題抽出
・財務状況(資産・負債・債務超過の程度)
・事業別の収益性
・借入金・保証・担保の状況
・経営者個人への影響(保証・生活設計)
「再生の余地があるのか」「延命になるだけではないか」を客観的に整理します。
(2)再生・売却・廃業を含めた選択肢の整理
当社では、次の選択肢を並列で検討します。
・再生型M&Aによる事業承継
・事業譲渡・一部売却
・再生を前提とした継続経営
・計画的な廃業(ソフトランディング型廃業)
重要なのは、 「売れるかどうか」ではなく、「どの選択が最も損失を小さくできるか」という視点です。
(3)M&Aよりも廃業が適していると判断した場合の進め方
検討の結果、
・過剰債務が大きい
・事業の将来性が乏しい
・M&Aを進めることでかえってリスクが拡大する
と判断されるケースでは、廃業を前向きな経営判断として提案します。
その際の進め方は次の通りです。
・廃業時期の見極め(資金ショート前)
・取引先・従業員への影響整理
・借入金・保証債務への対応方針整理
・在庫・設備・不動産等の処分計画
・経営者の次の人生設計を含めた出口設計
「突然の倒産」ではなく、「準備された廃業」を実現することが目的です。
(4)再生型M&Aを選択する場合の支援
一方で、
・事業そのものに価値がある
・改善余地が明確
・買手とのシナジーが期待できる
と判断した場合には、再生型M&Aに進みます。
・改善施策の実行
・「売れる状態」への整備
・再生を前提とした買手探索
・条件調整・M&A実行支援
「M&Aか、廃業か」ではなく、「最善の出口はどこか」
業績が悪い会社の経営者ほど、「M&Aしかない」「もう廃業しかない」と二者択一で考えがちです。
しかし実際には、
・再生型M&Aが最適な場合
・廃業の方が結果的にダメージが少ない場合
の両方があります。
当社は、
M&Aでを売るための支援ではなく、経営者の出口を一緒に考える支援を行っています。
業績が悪い会社は、「売れない会社」ではありません。
正しい順序で検討すれば、M&Aも、廃業も、前向きな経営判断になり得ます。
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