中小企業は「伴走支援」が必要?2つの動き
中小企業は「伴走支援」が必要?
昨年から、中小企業の支援に関して、「伴走支援」の施策が強化されています。
一つは、経営改善計画の策定・実行に関して、実行支援に対する補助金を増額していることです。
もう一つは、「経営力再構築伴走支援」の推進です。
経営改善計画での支援
2022年4月に経営改善計画の策定・実行に関する、支援専門家(認定経営革新等支援機関)の補助金額が改訂になっています。
この変更では、計画策定・金融機関の同意の後の実行支援(モニタリング)の補助金を別途設けています。
更に金融機関交渉費用も設定されています。
これは、経営改善の計画の実現性を高めることを目的にしている表れです。
その補助金額を、改訂前後で示します。
経営力再構築伴走支援
2023年2月24日に、「経営力再構築伴走支援シンポジウム」が開催され、「伴走支援」が目指すもの、特に中小企業の自己変革・自立化を促す支援についての講演がありました。また、パネルディスカッションでは、支援事例が2件、紹介されていました。
ここでは、2022年4月に中小企業庁が公表している「経営力再構築伴走支援の全国展開」に記載されている中の一部を紹介します。
課題設定の重要性
従来の伴走支援は、「課題解決型」に力点が置かれていました(下図のグレーの部分)。
現在の不確実性の時代では、そもそも何を課題として認識・把握するかという「課題設定型」の伴走支援の重要性が増しています(下図の黄色の部分)。課題設定が間違っていると、その解決策が的外れになります。
対話を重視した支援モデル
今後の中小企業の経営支援者としては、経営者との対話を通じた信頼の醸成、経営者にとっての本質的課題の掘り下げが重要になります。
これが、経営者の腹落ちに繋がり、内発的動機付けが期待されます。
経営力再構築伴走支援モデルの三要素
中小企業庁の公表資料では、経営者の自己変革力、潜在力を引き出し、経営力を強化・再構築をすることを目的とした「経営力再構築伴走支援モデル」の三要素を示しています。
要素1:支援は対話と傾聴を基本的な姿勢とする
要素2:経営者の「自走化」のために、「潜在力」を引き出す
要素3:支援ツールは相手の状況や局面によって使い分ける
外部の力の有効活用
「他人の力を借りずに自社だけで大丈夫・やり切る」と考えている中小企業の経営者は多いと思います。
「自立できる力」は企業の継続・発展には最も重要な要素です。
環境変化のスピードが速い現在・将来においては、他の力を借りることも必要になっています。
現在、コロナ禍の影響もあり、政府(中小企業庁、金融庁等)から、補助金や資金調達など各種の中小企業支援策が実施されています。
当社では、政府の支援策の活用も含めて、経営相談に応じていますので、ご連絡下さい。
前後の記事
- 前の記事
- お金が足りなくなる会社のパターン
- 次の記事
- 社長、前月の経営成績をいつ知りましたか?