経営改善・事業再生の施策の整理 - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

経営改善・事業再生の施策の整理

経営改善・事業再生の各種の施策

2024年3月11日に「九州経済産業局」から、

「経営改善・事業再生 支援事例集」

~中小企業活性化協議会活用のススメ」

が公表されています。

今回、ここで示されている「経営改善・事業再生」の施策について整理して示します。

上記の支援事例集はこちら

 

掲載されている支援策の一覧

(1)中小企業活性化パッケージNEXT
(2)挑戦する中小企業応援パッケージ
(3)収益力改善支援
(4)プレ再生支援・再生支援
(5)再チャレンジ支援
(6)経営者保証ガイドライン
(7)中小企業の事業再生等に関するガイドライン
(8)早期経営改善計画策定支援(ポストコロナ持続的発展計画事業)
(9)経営改善計画策定支援(405事業)
(10)収益力改善支援に関する実務指針

各施策について、概要を示します。

 

(1)中小企業活性化パッケージNEXT

経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援を拡充するとともに、中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを促す総合的な支援策を更に加速させるために、2022年9月に「中小企業活性化パッケージ」を発展させて策定されました。

<主要施策>

経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援の拡充

*ポストコロナに向けた段階的移行

*コロナ資金繰り支援策の継続・拡充

中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援の更なる加速

収益力改善支援実務指針の策定

再生ファンドの組成を促す優先分配スキームの創設

再生系サービサーを活用した支援スキームの創設

・金融機関との連携によるREVIC等のファンドの活用促進

・経営者の個人破産回避に向けた取組の促進

 

(2)挑戦する中小企業応援パッケージ

将来の挑戦に向けた資金繰り支援に加え、各フェーズにおいて、中小企業の経営改善・再生支援体制の強化など、官民総力を挙げた支援を整備すべく、2023年8月に策定されました。

<主要施策>

将来の挑戦に向けたコロナ資金繰り支援

・セーフティーネット保証4号の借換目的での利用継続

挑戦する中小企業の経営改善・再生支援の強化

各フェーズ毎の施策を示します。

(経営改善フェーズ)

信用保証協会による経営改善支援の強化

民間金融機関による経営改善支援の促進

経営者保証改革の促進

(再生フェーズ)

・商工中金の危機対応融資先への支援強化

事業再生ガイドラインの運用改善等

コロナ資本性劣後ローンの運用明確化

(再チャレンジフェース)

中小企業活性化協議会の体制強化

廃業時の取扱いの明確化

求償権消滅保証の運用改善

 

(3)収益力改善支援

中小企業活性化協議会が、収益力低下、借入増加のおそれのある中小企業者を対象に、収益力改善計画(収益力改善アクションプラン+簡易な収支・資金繰り計画)の作成を支援。

必要に応じて持続的・安定的な事業継続や思い切った前向き投資の実施に必要となる内部管理体制や経営の透明性確保に向けたガバナンス体制の整備に取り組む中小企業等を支援します。

<支援の概要>

収益力低下、借入増加のおそれのある中小企業を対象に収益力改善支援を実施

◆1年間から3年間の収益力改善計画を作成

 *収益力改善計画策定にかかる費用は原則無料

◆収益力改善計画成立後、定期的なモニタリングを実施。必要に応じ、他の支援策に円滑に移行

 

(4)プレ再生支援・再生支援

中小企業活性化協議会が、金融機関から返済猶予や債務減免等の支援を受けなければ事業再生が困難という状況にある中小企業を対象に事業面・財政面での改善を図る再生支援を実施します。

<支援の概要>

収益性はあるものの、財務上の問題がある中小企業を対象に、事業面・財務面での改善を図る再生支援を実施。

 *再生計画策定にかかる費用の一部を協議会が負担。

◆協議会が金融機関等の債権者の間に立って、再生計画案の合意形成に向けたサポートを実施。

◆再生計画成立後定期的なモニタリングを実施。必要に応じ、他の支援策に円滑に移行

 

(5)再チャレンジ支援

収益力の改善や事業再生等が極めて困難な中小企業や保証債務に悩む経営者等を対象に、再チャレンジに向けた支援を実施。

<支援の概要>

◆協議会に所属する弁護士等の専門家が、ご相談者の現状を分析して、円滑な廃業や保証債務の整理などについて説明や助言を行います。また、必要に応じて、外部の詳しい弁護士をを紹介します。弁護士にも助言します。

◆事案によっては次の方法も検討できます。

① 「中小版GL」を活用した私的整理

 *破産せずに角、取引先等へも迷惑をかけにくい

② 法的整理とともに事業譲渡を活用

 *事業や雇用を一部でも残せる可能性

③ 「経営者保証GL」を活用した保証債務整理

 *個人破産なしに保証債務免除の可能性

 

(6)経営者保証ガイドライン

「経営者保証」は、事業者(法人)が金融機関から融資を受ける際に、経営者(個人)が保証をつけることで円滑な融資を可能とする仕組み。

直近、「経営保証を提供しない融資の要件設定」「廃業時の経営者保証の考え方」がこのガイドラインに示されています。(2022年3月)。

経営者保証を提供せずに融資を受けるための要件

① 法人と経営者との関係の明確な区分・分離

② 財政基盤の強化

③ 財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保

廃業時における経営者保証ガイドラインの基本的考え方

次の3点について基本的考え方を定めています。

① 債権者の対応の明確化

② 債務者・保証人の対応の明確化

③ 債務整理を支援する弁護士等の支援専門家

 

(7)中小企業の事業再生等に関するガイドライン

増大する債務に苦しむ中小企業の円滑な事業再生等を一層支援するため、関係者の共通認識を醸成し、一体となって取組を進めるため、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」が2022年3月に策定・公表されました。

ガイドラインに法的拘束力はありませんが、中小企業者・金融機関が自発的に尊重し、遵守することが期待されています。

<ガイドラインの概要>

第一部 本ガイドラインの目的等

① 基本的な考え方の提示

② 新たな手続(中小企業版私的整理手続)の策定

第二部 中小企業の事業再生等に関する基本的な考え方

① 平時における中小企業者と金融機関の対応

② 有事における中小企業者と金融機関の対応

③ 私的整理検討時の留意点

④ 事業再生計画成立後のフォローアップ

第三部 中小企業の事業再生等のための私的整理手続

① 主要債権者の同意を得て、第三者支援専門家を選任

② 第三者支援専門家が、事業再生計画策定支援等を開始

③ (必要に応じて)中小企業者は対象債権者に一時停止を要請

④ 中小企業者は、事業再生計画案を作成

⑤ 第三者支援専門家は、事業再生計画案を精査し、調査報告書を作成

⑥ 債権者会議開始(第三者支援専門家が調査結果等を報告)

⑦ 全ての対象債権者の同意により、事業再生計画成立

 

(8)早期経営改善計画策定支援(ポストコロナ持続的発展計画事業)

資金繰りの管理や自社の経営状況の把握などの基本的な経営改善に取り組む中小企業者等が、国が認定した税理士などの専門家である「認定経営革新等支援機関」の支援を受けて資金繰り計画やビジネスモデル俯瞰図、アクションプランといった内容の経営改善計画を策定する際、その費用の2/3を補助することで、中小企業者の早期の経営改善を促すものです。

<計画策定等に関する補助の内容>

 

(9)経営改善計画策定支援(405事業)

環境変化等に十分対応できておらず、借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えており、自ら経営改善計画等を策定することが難しい中小企業等に対して、認定経営革新等支援機関が中小企業等の依頼を受けて経営改善計画策定支援を行うことにより、中小企業等の経営改善を支援。

<計画策定等に関する補助の内容>

中小版GL枠(405事業)

事業者が、金融支援を伴う本格的な事業再生または廃業のために、中小版GL(中小企業の事業再生等に関するガイドライン)に基づく計画を策定する場合には、事業・財務の状況に関する調査分析(DD)や計画策定が必要になります。これを促すため、DD・計画策定支援・その後の伴走支援に関する費用(認定経営革新等支援機関である専門家への報酬)の2/3(上限額あり)を中小企業活性化協議会が負担します。

<計画策定等に関する補助の内容>

 

(10)収益力改善支援に関する実務指針

中小企業を取り巻く環境が激変する中、本格的な収益力の改善に向けた取組や、思い切った事業展開を行うためのガバナンス体制の整備が必要です。収益力改善やガバナンス体制整備の際に、経営者と支援者の対話に活用し、互いの目線合せや信頼関係の構築につながることを目的に、「収益力改善支援に関する実務指針」が2022年12月に公表されています。

なお、上記に示した「経営改善計画策定支援事業(405事業・ポスコロ事業)」については、認定経営革新等支援機関が本実務指針に沿った支援を行うことが求められます。

★この実務指針は、経営者自らが経営課題や事業環境の変化を見極め、柔軟に対応・挑戦(自走)できることを期待しています。

収益力改善支援の実務と着眼点

① 支援ニーズの掘り起こし

② 支援者による相談対応

③ 計画策定支援

ガバナンス体制の整備支援の実務と着眼点

① 支援にあたっての考え方

② ガバナンス体制の整備に係る計画策定支援

伴走支援の実務と着眼点

① 進捗確認

② 取組状況の確認

③ 報告支援

④ 計画の見直しとPDCAサイク構築構築

 

国の中小企業の経営支援策は系統立っている

これまで、国の経営支援策を幾つか紹介してきました。

今回の「九州経済産業局」の資料は、これらを整理して紹介していますので、体系的に捉えることができます。

個別の案件で対応が異なる

これまで、経営状況が悪化している企業様のご相談を受け、対応を行っていますが、当然ながら、各個別案件によって対応が異なります。上記に示した施策や指針にそのまま適合する案件はありません。

当社では、各案件に関して、現状を把握して、適した進め方を検討します。

 

 

 

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