クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは、大きく4つの種類に分類されます。それぞれの種類と、それに伴うメリットとデメリットを以下にまとめました。通常、新商品等のテストマーケティングや小規模事業の立上げ資金の調達に多く使われているのは「リターン型」です。
寄付型クラウドファンディング
(Donation-based crowdfunding)
概要:
支援者が見返りを求めずに資金を提供する形式。主に社会貢献や慈善活動、災害支援、コミュニティプロジェクトに使用されます。
メリット:
・支援者に対するリターンが必要ないため、プロジェクトのコストが軽減される。
・社会貢献やボランティア精神が重視されるため、共感を呼びやすい。
デメリット:
・見返りがないため、資金集めが難しい場合がある。
・プロジェクトに対する支援のモチベーションが薄いため、長期的な支援を得にくい。
リターン型クラウドファンディング
(Reward-based crowdfunding)
概要:
支援者が資金を提供する代わりに、商品の提供や特典が得られる形式。新商品の開発やクリエイティブプロジェクトに多く使われます。
メリット:
・支援者がリターンを受け取ることができるため、広範な層からの支援が期待できる。
・商品やサービスの市場での反応を事前に確認でき、マーケティングとしても活用可能。
デメリット:
・リターンを提供するための追加コストや手間がかかる。
・プロジェクトが失敗すると、リターンの履行が難しくなり、トラブルに発展する可能性がある。
融資型クラウドファンディング
(Lending-based crowdfunding / Peer-to-Peer lending)
概要:
支援者がプロジェクトに対して資金を貸し出し、後に返済を受ける形式。ビジネスの立ち上げや拡大を目的としたプロジェクトに使用されます。
メリット:
・金融機関からの融資よりも迅速に資金を調達できることがある。
・支援者に対するリターン(利子など)が明確なため、投資家にとって魅力的。
デメリット:
・資金を返済する義務があるため、プロジェクトが成功しなかった場合でもリスクが残る。
・支援者に支払う利子や手数料が、資金調達コストを高める可能性がある。
投資型クラウドファンディング
(Equity-based crowdfunding)
概要:
支援者が資金提供を行う代わりに、プロジェクトや会社の株式や持分を受け取る形式。スタートアップや中小企業の資金調達に利用されます。
メリット:
・支援者が株主となるため、資金調達の規模が大きくなりやすい。
・プロジェクトが成功すれば、支援者も利益を得られるため、長期的なサポートが期待できる。
デメリット:
・会社の所有権が分散され、経営の自由度が制限される可能性がある。
・成功しなかった場合、投資者に対する説明責任やリスクが高まる。
それぞれのクラウドファンディングの種類には、目的やプロジェクトの性質に応じた選択が求められます。どの形式を選ぶかは、目標とする資金の規模や、支援者に提供できるリターンの内容に依存します。
クラウドファンディングが日本で立ち上がった初期(2015年~2020年)に、幾つかのプロジェクトの支援を行わせて頂きました。成功するポイントは、「実施者の熱意」「企画内容」「プレゼンテーションの仕方」になります。
クラウドファンディングは、難しい面がありますが、「夢」「ワクワク感」を感じる面もあります。
実施される場合、ご相談に乗ることも可能ですのでお問い合せ下さい。
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