中小企業診断士のクロスセル - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

中小企業診断士のクロスセル

以前の投稿で、「士業・コンサルタント」が業務の幅を広げる「セルアップ」「クロスセル」について紹介しました。今回は、中小企業診断士のクロスセルの「経営改善・事業再生への取組み」について紹介します。

「セルアップ」「クロスセル」についてはこちら

中小企業診断士が「経営改善・事業再生」に取り組むことには、以下のような重要な意義があります。

1 中小企業の成長と持続可能性を支援

中小企業診断士は、企業経営の専門家として、経営全般に関する幅広い知識とスキルを有しています。多くの中小企業は、成長段階で経営改善が必要になるほか、経済環境や内部の問題で事業再生を必要とする状況に陥ることもあります。中小企業診断士がクロスセルとして経営改善や事業再生に取り組むことで、企業の健全な成長や持続可能性を確保し、倒産リスクを減らす支援が可能です。

2 顧客の多様なニーズに対応する包括的サービスの提供

中小企業診断士は、経営診断や助言だけでなく、幅広い分野にわたるコンサルティング業務を行います。経営改善や事業再生に取り組むことで、顧客の多様なニーズに対して包括的なサポートが可能となり、単なるアドバイザリー業務を超えた継続的なサービス提供が実現できます。これにより、顧客に対する信頼感が向上し、長期的なパートナーシップを築くことができます。

3 業務の幅を広げ、収益を多様化する

経営改善や事業再生の支援は、中小企業診断士にとって新たな収益機会を提供するものです。通常の診断業務やアドバイザリー業務に加え、企業の再建や成長をサポートすることで、より多くのサービスを提供し、顧客からの依頼範囲を拡大することができます。これにより、収益源を多様化し、業務の安定化や拡大を図ることが可能です。

4 中小企業の競争力強化をサポート

競争が激化する市場において、中小企業が生き残り、さらに成長するためには、効率的で持続可能な経営が求められます。中小企業診断士が経営改善や事業再生に取り組むことで、企業の競争力を高めるための戦略的なアプローチを提供することができます。これにより、顧客企業が市場での優位性を確保し、将来的な成長につながる環境を整えることが可能です。

 

経営改善・事業再生の具体的な実施内容

1 経営診断と課題分析

経営改善や事業再生の第一歩として、中小企業診断士は企業の現状を把握し、問題点や課題を明確にするための経営診断を実施します。具体的には、財務諸表の分析、経営環境や市場の調査、内部の組織や業務フローの評価を行います。この診断に基づき、経営の弱点や改善が必要な分野を特定します。

 ・財務分析: 収益性、効率性、キャッシュフローの健全性を評価し、改善点を洗い出す。

 ・市場分析: 競争状況や市場のトレンドを把握し、企業が取るべき戦略を提案。

 ・組織診断: 人員配置や業務プロセスの問題点を指摘し、効率化を図る。

2 経営改善計画の策定

課題が明確になった後、中小企業診断士は経営改善計画を策定します。改善計画には、短期的なキャッシュフローの改善から、長期的な収益性向上、さらには市場での競争力強化までを視野に入れた戦略的な施策が含まれます。

 ・コスト削減計画: 不必要なコストを削減し、利益率の改善を図るための具体的なアクションを提案。

 ・売上向上策: 新たな市場や製品の開拓、既存顧客の深耕を通じて売上を伸ばすための施策を検討。

 ・資金調達の最適化: 銀行融資や補助金の活用、投資家からの資金調達をサポート。

3 事業再生の計画と実行支援

事業再生が必要な企業に対しては、事業再生計画の策定と実行支援を行います。中小企業診断士は、再建計画を立てる際に、債権者や金融機関との交渉支援も行い、企業が現実的に再生可能な状態に持ち込むためのサポートを提供します。

 ・債務整理の支援: 債権者との交渉を通じて、負債のリスケジュールや減額を行う支援。

 ・再建計画の実行支援: 再生計画に基づく具体的な実行ステップを提供し、経営改善の進捗をモニタリング。

 ・M&A支援: 事業再生の一環として、企業の売却やM&Aによる再生策を提案。

4 資金調達支援と補助金活用

中小企業診断士は、資金調達のアドバイスや補助金・助成金の申請支援を行い、経営改善や事業再生に必要な資金を確保するサポートも提供します。特に事業再生では、追加資金が重要な役割を果たすことが多いため、この部分でのサポートは不可欠です。

 ・融資サポート: 銀行融資の申請書類作成や、金融機関との交渉支援を行う。

 ・補助金・助成金申請支援: 国や地方自治体が提供する補助金や助成金の活用を促進し、資金負担を軽減。

5 事業の多角化や新規事業の提案

中小企業が成長や再生を図るために、新しい市場や事業分野への進出を提案することも重要な施策です。中小企業診断士は、顧客企業の事業ポートフォリオを再評価し、リスク分散や収益源の多様化を図るための新規事業を検討し、支援します。

 ・新規事業の立ち上げ: 市場調査を基に、企業のリソースを活用した新規事業の提案や事業計画の策定。

 ・既存事業の多角化: 既存事業を生かしつつ、関連分野や新しい分野への拡張をサポート。

6 業務プロセス改善と効率化支援

事業再生や経営改善の過程では、業務フローの見直しや、効率化を図るための業務プロセス改善が求められます。中小企業診断士は、具体的な改善提案を行い、企業の生産性向上を支援します。

 ・IT導入の支援: 業務効率を向上させるためのシステム導入やデジタル化のサポート。

 ・業務フローの見直し: 人員配置や業務手順の最適化を図り、無駄を排除した運営を提案。

 

中小企業診断士がクロスセルとして「経営改善・事業再生」に取り組むことは、顧客企業に対する付加価値を高めるだけでなく、長期的なパートナーシップを築き、新たな収益源を確保するための重要な手段です。

 

経営指導プロ養成研修会のご案内

上記に示したように「経営改善・事業再生」の業務は、顧客様のお役に立ち、かつ、士業・コンサルタントとの差別が図れる利点を持っていますが、取組みが難しい分野でもあります。

当社は、主に「経営改善・事業再生」に必要な知識や実務能力を高める講座を用意しています。

当社が行っている「経営指導プロ養成研修会」の案内はこちら

*当研修会は、「経営改善・事業再生」に取組むプロフェッショナルを養成する講座です。現在「第8期」の受講生を募集しています。九州地区では、11月28日が1回目の講座です(3月まで計10回)。

<各回のテーマ>

第1回:債務圧縮(11月28日)

・銀行、リース会社への交渉

・セール&リースバックの活用 など

第2回:私的整理(11月29日)

・自己破産のメリットとデメリット

・個人再生 ・特定調停 など

第3回:財務対策(12月7日)

・資金繰り実務、運転資金実務

・決算書で注意すべき21項目 など

第4回:金融対策(1)(12月21日)

・借入金の申込・返済・借入不可時の対応

・リスケジュール(リスケ) など

第5回:オペレーション(2025年1月11日)

・業務課題の発見のコツ

・業務改善の原則 など

第6回:(2テーマ)(1月25日)

(1)収益性分析

・事業部門別の業績把握

・戦略と目標値決定 など

(2)廃業支援

・株式譲渡と事業譲渡

・後継者問題 など

第7回:(2テーマ)(2月8日)

(1)販売戦略

・販売の8原則

・商品価値の高め方 など

(2)外部環境

・調査方法

・マーケティングへの活かし方 など

第8回:金融対策(2)(2月22日)

・事業承継の枠組み

・民事信託 など

第9回:M&Aと資金調達(3月11日)

・買収と売却の仕組み

・ファンドの活用 など

第10回:事例紹介・修了試験(3月15日)

当社が行っている「経営指導プロ養成研修会」の案内はこちら

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