行政書士のクロスセル - 事業パートナー九州 北九州市(福岡県)経営コンサルタント

行政書士のクロスセル

以前の投稿で、「士業・コンサルタント」が業務の幅を広げる「セルアップ」「クロスセル」について紹介しました。今回は、行政書士のクロスセルの「経営改善・事業再生への取組み」について紹介します。

最近、行政書士業務として、「外国人の会社設立」および「在留資格の経営・管理の取得」の依頼が急増しています。この時に役に立っているのが、この「経営改善・事業再生」の知識です。

出入国在留管理局(入管)への在留資格の申請には「事業計画」が必須になり、この作成に役立っており、その後の会社運営や資金調達などに関しても依頼が継続する場合もあります。

今回は、入管業務ではなく、「建設業の許認可申請を行う行政書士」のクロスセルについて紹介します。

「セルアップ」「クロスセル」についてはこちら

「税理士のクロスセル」はこちら

「中小企業診断士のクロスセル」はこちら

建設業の許認可申請を行う行政書士のクロスセル

建設業の許認可申請を主に行う行政書士が、クロスセルとして顧客に経営改善や事業再生のアドバイスを行うことは、顧客にとって大きな付加価値を提供するだけでなく、行政書士自身の業務範囲を広げ、収益を増加させるための効果的な戦略です。この取り組みには、以下のような意義と具体的な施策が考えられます。

施策の中には、「(株)事業パートナー九州」「行政書士北九州アシスト法務事務所」「アシスト国際事業協同組合」で取り組める内容も記載しています。

 

意義

顧客に対する総合的なサポートの提供

建設業の許認可申請は、法的な手続きを行うだけでなく、経営の根幹に関わる重要な要素です。許可を得た後、事業が安定的に運営され、成長できるようにサポートすることは、顧客の成功に直結します。行政書士が許認可の申請に加えて経営改善や事業再生のアドバイスを行うことで、顧客は総合的なサポートを受けることができ、事業の継続や発展に対する信頼性が高まります。

長期的な顧客関係の構築

許認可申請は一度の手続きで終わることが多いですが、経営改善や事業再生のサポートは継続的な関わりを必要とします。これにより、顧客との長期的な信頼関係を築き、定期的なコンサルティングやフォローアップを行うことで、リピーターを増やすことができます。また、他の関連サービスへの紹介やクロスセルを通じて、顧客からの追加依頼が期待できます。

新たな収益源の確立

建設業界では、景気の変動や規制の変更などにより、企業が経営課題に直面することが多くあります。経営改善や事業再生は、こうした問題を解決するための重要なアプローチです。行政書士がこの分野での専門知識を提供することで、顧客は法的な問題だけでなく、経営全般の改善をサポートされることになり、行政書士にとっても新たな収益源となります。

 

具体的な施策

財務状況の見直しとキャッシュフロー改善の提案

多くの建設業者は、工期の長さや資金の流れが不安定なため、キャッシュフローの管理が難しいと感じています。行政書士がクロスセルとして経営改善の一環で、財務データの整理やキャッシュフロー管理のアドバイスを行うことは、企業の安定した運営に寄与します。具体的には、資金繰りの改善やコスト削減のアドバイス、借入金の見直しなどを提案することで、経営の安定化を図ります。

経営戦略の見直しと新規事業提案

建設業界は、新技術や新しい事業分野への進出が求められることが多い分野です。許認可申請と並行して、事業戦略の見直しや新規事業の提案を行うことで、顧客が市場での競争力を高めるサポートができます。例えば、新たな建設技術の導入支援や環境対策に関するアドバイスを行い、企業の成長を促進します。

補助金・助成金の申請サポート

経営改善や事業再生の一環として、国や地方自治体が提供する補助金や助成金の活用は非常に有効です。特に建設業では、技術革新や環境対策に関する補助金が多数存在します。行政書士がこれらの制度を把握し、顧客に対して適切な補助金の活用を提案し、申請手続きをサポートすることで、顧客の資金調達を円滑に行うことができます。

*厚生労働省系の助成金に関しては「社会保険労務士」と連携して行います。

事業再生に関する法的アドバイス

建設業者が経営困難に陥った際には、債務整理や再建計画の策定が必要になる場合があります。行政書士は、法的な手続きに精通しているため、事業再生のための適切な法的アドバイスを提供することができます。例えば、再生計画の策定、倒産リスクを回避するための事前対策など、企業が最悪の事態を避けながら再建するためのサポートを行います。

*必要に応じて、債権者との交渉は弁護士に依頼します。

労務管理や人材活用のアドバイス

建設業界は人手不足が深刻な課題となっています。クロスセルとして、行政書士が労務管理や人材活用に関するアドバイスを提供することも重要です。例えば、外国人技能実習生や特定技能人材の活用支援を行うことで、企業の人材確保をサポートすることができます。これにより、建設業者は人材不足の問題を解消し、より効率的な事業運営が可能になります。

*「外国人技能実習生」や「特定技能人材」の活用については、当社の関連である「アシスト国際事業協同組合」と連携して行います。

 

まとめ

建設業の許認可申請を主業務とする行政書士が、クロスセルとして経営改善や事業再生のアドバイスを行うことは、顧客にとって価値の高いサービスを提供する手段であり、行政書士自身の業務拡大にもつながります。財務管理や戦略立案、補助金の活用支援、法的な事業再生サポートなど、多岐にわたる具体的な施策を通じて、顧客の事業運営を包括的にサポートすることができます。これにより、長期的な顧客関係の構築や新たな収益源の確立が期待され、行政書士の存在価値をさらに高めることができます。

 

経営指導プロ養成研修会のご案内

上記に示したように「経営改善・事業再生」の業務は、顧客様のお役に立ち、かつ、士業・コンサルタントとの差別が図れる利点を持っていますが、取組みが難しい分野でもあります。

「(株)事業パートナー九州」は、主に「経営改善・事業再生」に必要な知識や実務能力を高める講座を用意しています。

当社が行っている「経営指導プロ養成研修会」の案内はこちら

*当研修会は、「経営改善・事業再生」に取組むプロフェッショナルを養成する講座です。現在「第8期」の研修が進行しています。

なお、「2025年5月~9月」に「第9期」の講座を行う計画を進めています。ご興味がある方はご連絡下さい。

<「第8期」の内容>

第1回:債務圧縮(11月28日)

・銀行、リース会社への交渉

・セール&リースバックの活用 など

第2回:私的整理(11月29日)

・自己破産のメリットとデメリット

・個人再生 ・特定調停 など

第3回:財務対策(12月7日)

・資金繰り実務、運転資金実務

・決算書で注意すべき21項目 など

第4回:金融対策(1)(12月21日)

・借入金の申込・返済・借入不可時の対応

・リスケジュール(リスケ) など

第5回:オペレーション(2025年1月11日)

・業務課題の発見のコツ

・業務改善の原則 など

第6回:(2テーマ)(1月25日)

(1)収益性分析

・事業部門別の業績把握

・戦略と目標値決定 など

(2)廃業支援

・株式譲渡と事業譲渡

・後継者問題 など

第7回:(2テーマ)(2月8日)

(1)販売戦略

・販売の8原則

・商品価値の高め方 など

(2)外部環境

・調査方法

・マーケティングへの活かし方 など

第8回:金融対策(2)(2月22日)

・事業承継の枠組み

・民事信託 など

第9回:M&Aと資金調達(3月11日)

・買収と売却の仕組み

・ファンドの活用 など

第10回:事例紹介・修了試験(3月15日)

 

当社が行っている「経営指導プロ養成研修会」の案内はこちら

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