事業再生相談(6)再生?廃業?第二会社?
コロナ禍の影響、原材料費・人件費の高騰、人手不足、後継者不在など経営環境が悪化している中で、事業の継続が難しくなっている企業が増えてきています。
事業パートナーグループにも、事業再生や廃業の相談が増えています。
これらの相談の中の幾つかを紹介していきます。
経営課題をお持ちの企業の方々に「事業再生」や「先の姿が見える廃業」に向けた参考になれば幸いです。
企業の経営支援を行っている士業・コンサルタントで、解決が難しい案件がありましたらご相談を承ります。連携して対応することも可能です。
事業再生相談(6)再生?廃業?第二会社?
依頼者の社⾧と奥様と⾧男の 3 名で弊社に経営相談に来られました。
現在の会社の状況
・業種は製造業
・営業利益:直近で赤字 2,000 万円
・売上は 5 億円
・社員 23 名(パートを含む)
・粗利率 8%
・借入金 4 億円、毎月の元金返済額 320 万円
社⾧ 68 歳、奥様 65 歳(経理担当)、⾧男 41 歳(営業部⾧)、⾧女は既婚、次男は他社勤
務
自宅の状況
・一戸建住宅 ・時価 3000 万円。保証人である社⾧所有
・住宅ローン: 普通抵当設定 3000 万円
・現在の借入残 2000 万円
相談内容
1 現在、資金繰りに窮している。新たに銀行に借入を依頼したいが、その方法を教えても
らいたい。
2 リスケジュール(リスケ)をした場合、その後の借入は不可能か?
3 会社の経営が苦しいので金利を下げてもらいたいが、どのように交渉したら良いか?
4 今後、現在の事業を継続すべきかを悩んでいる。
アドバイス
・会社の事業、労務、金融等の正確な会社の現状を把握するために 2 ヶ月間かけて調査を行
う。その後、具体的な実行計画を作成して実行する。
・自宅の保全をする(住み続けられるようにする)。方法はセール&リースバックを活用。
・会社調査で判明した窮境原因の改善を 6 ヶ月以内におこない、赤字から黒字への転換を計る。
・会社調査で判明した現状を基に資金繰りが回る具体的な方法を実行する。リスケジュール又
は代位弁済を行う。
・新規の借入は考えない。返済に無理がある。
・現状での銀行への金利削減交渉は不可能なのでしない。
・会社調査結果を基にして「再生」「廃業」「第二会社」のいずれかを選択する。
<ポイント>
1 「事業再生」の場合は 3 年間で銀行の納得できる経営状況にする。
2 「廃業」の場合は「私的整理」をして、自宅保全(自宅に住み続けられるようにするという
こと)と銀行債務は保証人一人の収入範囲の返済額にとどめる。
3 「第二会社」の場合には無借金でのスタートとなる。
以上で 3 時間の説明を終える。3 名の相談者は来社の時とはうって変わって笑顔でお帰りに
なった!!
経営上で何か問題が発生しても必ず解決の道はあります。
諦めずに考えてください。
それでも、適切な答えが出ない時は、私どもにご相談ください。
バックナンバー
前後の記事
- 前の記事
- 松本社長の経営に役立つ話(28)利益重視経営
- 次の記事
- 行政書士のクロスセル