松本社長の経営に役立つ話(18)自宅を担保にした場合
連載として、当社「(株)事業パートナー九州」の連携先の「(株)事業パートナーの松本光輝社長」のコラムを紹介しています。今回は第18回目です。経営のヒントとしてご活用下さい。
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自宅を担保にした経営者への注意点
こんにちは、松本光輝です。今回は、自宅を担保にして会社の資金を借りる経営者の方々に向けて、お話しさせていただきます。このテーマは多くの方にとって身近でありながら、誤解や不足している知識が多い分野です。では、早速見ていきましょう。
自宅を担保にするとは?
まず、「自宅を担保にする」ということは、借りたお金が返せなくなったとき、その自宅を銀行に渡すことを意味します。担保に入れた不動産等は一時的に自分のものとして使用できますが、完全に自分のものとは言えません。経営が不振に陥ったり、住宅ローンの返済が滞ったりすると、不動産が売却されるか、競売に掛けられる可能性があります。このような事態に陥らないためには、正しい知識が必要です。
競売や売却を避けるためには?
自宅が競売に掛けられたり、売却されると、当然ですがその家から退去しなければなりません。これでは家族が途方に暮れてしまいます。こうした事態を避けるためには、以下のステップを踏むことが重要です。
1 銀行と相談: まずは銀行に相談し、「いくら支払えば担保を外してもらえるか」を確認します。その金額を銀行に支払って担保を外してもらう必要があります。
2 資金の準備: そのためのお金は、事前に1年から2年を掛けて会社と個人で用意します。全額を用意できない場合は、親戚や信頼のおける知人に協力を依頼し、住宅ローンで不足分を用意してもらうことになります。
3 セール&リースバック: もし必要であれば、第三者の名前で住み続ける「セール&リースバック」という方法もあります。これは、家を一旦売却して賃貸契約を結び、同じ家に住み続けるというものです。
経営者が守るべきもの
経営者にとって、従業員を守ることはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは「自分の家族を守ること」です。経営者が自分の家族を守れないのに、他人の家族を守ることはできません。ですので、自宅の担保設定についても十分に注意を払うべきです。
担保の種類
担保には「普通抵当」と「根抵当」の二種類があります。絶対に失ってはならない自宅などは「普通抵当」にするのが常識中の常識です。根抵当は、将来の債務も含めて担保とするものであり、リスクが高くなりますので注意が必要です。
最後に
中小企業にとっては、「経営は上手く行かないのが当たり前」と考えて、日々精進することが大切です。経営において重要なのは、「成功しなくても良いから、失敗しないこと」です。どんな些細なことでも経営で悩んだら、ぜひご相談ください。またお会いしましょう。
当社「(株)事業パートナー九州」にご相談頂ければ、案件によっては「(株)事業パートナーの松本社長」と連携して事業再生・事業承継等に取り組みます。
<松本社長の紹介>
1948年生まれ。40年間飲食業を中心に7業種の会社を経営。
バブル崩壊時に「25億円」の負債を抱えるも5年で解消。自ら事業再生を経験。その時の知識・経験を活かして事業再生請負人として活躍中。
18年間で「600社以上」の事業再生に取組み、多くの苦悩する経営者を救済してきました。
また、「7,000名を超える税理士」が松本社長の「経営改善セミナー」を受講。
「危機に陥らない経営手法」を伝授しています。
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